国連教育科学文化機関(ユネスコ)は11月26日までに、ネパール南部にある仏教の開祖ブッダ(釈迦)の生誕地ルンビニで木造建築物の痕跡が見つかったと発表した。建造物は紀元前6世紀のものとされ、これまで存在は知られていなかった。中央部には釈迦生誕の伝説に関連する部分もあるとしており、さらなる調査が待たれる。ルンビニの遺跡は1896年に発見され、1997年に世界遺産に登録された。
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日本庭園の元祖 奈良・飛鳥京跡苑池の南池の全容判明
奈良県立橿原考古学研究所は11月20日、国内初の本格的な宮殿付属庭園、飛鳥京跡苑池(奈良県明日香村、7世紀後半)の南池の全体像が明らかになったと発表した。南池の中島はX字形と判明。東西約32㍍、南北約15㍍で、同時期の他の庭には見られない珍しい曲線構造だった。東西の岸からは柱を抜き取った跡が複数見つかった。池の観賞用施設があったらしい。近くの高台では、苑池全体を取り囲んでいたとみられる塀の跡も見つかった。同研究所では、想像以上の規模と景観。日本庭園史の出発点を飾る庭で、当時の総力を傾けた庭だったのだろう-としている。
苑池は1999年の調査で見つかった。池は南北2つあり、南池は東西約65㍍、南北約55㍍で、石積みの島や松のある中島、噴水のような石造物があることは分かっていたが、全体像は不明だった。
塗料の下にダビンチの絵 ミラノの古城・天井画の部屋
イタリアミラノ市などの調査によると、同市の観光名所スフォルツァ城にある、レオナルド・ダビンチの天井画が描かれた部屋の壁の塗料の下に、天井から続くダビンチの絵が隠れていたことが分かった。塗料を剥がして絵を復元する作業が行われており、2015年のミラノ万博開幕に合わせた一般公開が計画されている。ダビンチはミラノ滞在中の1498年、スフォルツァ家のミラノ公ルドビコ・イル・モロの依頼で、スフォルツァ城の「板張りの間」の天井に桑の木などをデザインした装飾画を制作。部屋の壁にも天井画から続く木の幹や根などを描いていたとみられる。
1499年にミラノがフランスに征服され、ルドビコはミラノを脱出したため、部屋の絵画は完成しなかった可能性が高い。18世紀初めには板張りの間はオーストリア軍の厩舎となり、このころにダビンチの絵は白い塗料で塗りつぶされたようだ。
おくのほそ道の10県13カ所を名勝に 文化審議会が答申
文化審議会は11月15日、俳聖・松尾芭蕉が東北、北陸を旅した「おくのほそ道の風景地」(10県13カ所)などを名勝に指定するよう下村博文文部科学相に答申した。芭蕉は弟子の曾良と古歌にまつわる名所を訪ね「おくのほそ道」をまとめた。芭蕉が俳句を詠んだ名所など往時をしのばせる優れた風景のうち、地元で保全の準備が整った「草加松原」(埼玉県草加市)や「象潟および汐越」(秋田県にかほ市)な。ど13カ所を指定、保護する。今後、順次追加指定を求める方針だ。
また、室町幕府と伊達氏との結び付きを示す「宮脇廃寺跡」(福島県伊達市)など9件を史跡に、吉野川中流の「大歩危」(徳島県三好市)など3件を天然記念物とするよう求めた。近く答申通り告示される見込み。この結果、史跡は1724件、名勝378件、天然記念物1011件となる。このほか、「旧南部氏別邸庭園」(盛岡市)など4件を登録記念物に、「宮津天橋立の文化的景観」(京都府宮津市)など5件を重要文化的景観にすることも求めた。