月別アーカイブ: 2014年7月

通天閣 大地震に備え10月から免震改修工事

通天閣 大地震に備え10月から免震改修工事

 大阪・新世界の通天閣を運営する通天閣観光(大阪市)は7月3日、南海トラフ巨大地震などの強い揺れに備えるため、10月から通天閣で免新改修工事を実施すると発表した。タワーの4本の脚にゴムを使った免新装置を組み入れ、地震の揺れを吸収する。

 工事期間中も展望台などの営業は続け、2015年6月末までに工事を完了する計画。タワー部分の補強などの工法も検討したが、外観がほとんど変わらない免震改修を採用した。設計・施工を担当する竹中工務店によると、展望タワーに免震改修工事を実施するのは、世界でも類をみないという。

大阪府の1~6月の交通事故死は過去最少の69人

大阪府の1~6月の交通事故死は過去最少の69人

 大阪府警は7月4日までに、府内の今年上半期(1~6月)の交通事故死者数が1948年の統計開始以来過去最少の69人(前年同期比4人減)だったと発表した。過去最少の更新は3年連続。ただ、都道府県別ではワースト7位(前年は同8位)だった。二輪車乗車中の死者は13人で、昨年同期(23人)からほぼ半減した。一方、高齢者の死者は10人増の39人で5割以上を占めた。

三菱樹脂 中国・無錫市に合弁で植物工場の販売拠点

三菱樹脂 中国・無錫市に合弁で植物工場の販売拠点
 三菱樹脂は7月3日、同社の子会社で太陽光利用型植物工場を展開する三菱樹脂アグリドリーム(東京都中央区)が、中国江蘇省無錫市に合弁で中国の販売拠点となる「無錫菱陽生態農業設施科技有限公司」を設立したと発表した。合弁相手は江蘇省を中心に展開する農業協同組合、チャイナコープの子会社の無錫市三陽生態農業発展有限公司。
 同社は」チャイナコープと共同で2011年11月、今回の合弁先に太陽光利用型植物工場の実証設備(1000平方㍍)を建設し、栽培試験と現地スーパーでの販売を通じたマーケティングを進めてきた。その結果、中国において食の安全・安心に対する意識の高まりを背景に、植物工場で栽培する無農薬野菜に対するニーズを確認し、植物工場の事業採算が見込めると判断した。
 日本で長年培ってきた植物工場の栽培ノウハウと、チャイナコープの幅広い販売ネットワークや農業関係者の信頼を有効に活用し、沿岸部から内陸部まで中国全土を対象として事業展開を図り、2017年までに合計50カ所の販売目標を掲げている。

ウナギの卸値2割安 稚魚の漁獲量回復で先安予想

ウナギの卸値2割安 稚魚の漁獲量回復で先安予想

 7月29日の土用の丑(うし)を前に、ウナギの取引価格が下がっている。愛知県など主産地の卸値はこの1カ月間で2割下げた。2013年末から今年春にかけ養殖に使う稚魚(シラスウナギ)の漁獲量が、過去4年の不漁から一転、回復。先安を予想して、成長途中の細いウナギを出荷する動きが強まっている。

 値下がりの中心となっているのが、1匹200㌘前後の細いウナギ。主産地の卸値は現在1㌔4200円程度。取引価格は新物が出回り始めた5月下旬から下げに転じた。需要のピークにあたる土用の丑に向け価格が上がるの例年のパターン。ところが、今年は余剰感から値下がりが進むのを恐れた養殖業者が細物の出荷を急いだ結果、例年とは大きく異なる値動きをみせている。

クジラ・サメ“食”文化の伝統を残す取り組み活発化

クジラ・サメ“食”文化の伝統を残す取り組み活発化

 東日本大震災で被災した東北地方で、「鯨(クジラ)シューマイ」「ふかひれ丼」など、クジラやサメを使う食産業を残す取り組みが活発になっている。クジラは周知の通り、国際司法裁判所が日本の南極海での調査捕鯨を停止するよう命じ、サメも乱獲懸念からフカヒレを使わない事業者が増加する事態となっている。だが、宮城県石巻市、気仙沼市、青森県八戸市など漁業や加工の事業者が独自文化の灯を消すまいと奔走している。

 木の屋石巻水産(宮城県石巻市)は復旧した新工場で、鯨肉を入れたシューマイなど新商品の生産を計画する。主力商品は鯨肉の缶詰。商業捕鯨時代は大手水産加工会社の工場が集積していた石巻。その工場はいま激減し、そのころの面影はないが、様々なクジラ文化が残っている。国産だけでなく、輸入肉も使い価格を抑え、食文化を受け継ぐ。

 「くじら汁」を食べる文化が残る青森県八戸市では、NPO法人「海の八戸NPO」は秋冬のくじら汁のシーズンに向け飲食店に掲げてもらう旗をつくる。観光客に通常メニューでくじら汁を提供する店が少ないため、旗をつくることで提供する店を増やすのが狙いだ

 宮城県気仙沼市では、市内のすし店で「ふかひれ丼」の提供を本格的に始めた。すし店の組合が企画し、市内の加工業者が支援する。サメ肉団子を入れたお吸い物を付けるなどフカヒレ以外の部位を使う料理も提案する。 

 

商店街が抱える課題解決の知恵 大阪府が募集

商店街が抱える課題解決の知恵 大阪府が募集

 大阪府は空き店舗対策など府内の商店街が抱える課題の解決へ民間の知恵を生かすため、7月16日に公開審査を実施する。第1次審査を通過した8企業・団体が会場で提案内容を説明し、有識者ら審査員と傍聴する一般参加者に採点してもらう。4件程度を選んで年度内に事業化する。

 府は空き店舗の有効活用と、地域コミュニティーの担い手としての機能充実という2つのテーマで提案を募集。6月20日までに16件の提案があった。書類審査の結果、8件の提案が残った。公開審査は16日、ホテルアウィーナ大阪(大阪市天王寺区)で開き、傍聴者100人を募集している。参加は無料。優秀案に選ばれた企業・団体は府が委託契約を結び、1件当たり上限270万円の委託料を出す。年度内にアイデアを実践し、2015年3月に成果を発表してもらう。

 

「大阪ワイン」お披露目 山梨のワイナリー

「大阪ワイン」お披露目 山梨のワイナリー

 山梨県の中堅ワイナリー、大和葡萄(ぶどう)酒(甲州市)は明治以前に大阪で栽培されていた古来種「大阪紫葡萄」で白ワインを製造し、7月3日に大阪市内で試飲会を開いた。試飲会にはレストランなど180社が参加した。商品化は日本初という。大阪のレストラン向けに限定販売する。消費者への提供価格は1本2000円程度となる予定。年産3500本と同社の生産量の1%に満たないため、今年は小売りはしない。

 大阪紫葡萄は、同社が大阪府内で苗が残っているのを見つけ、現在は山梨で栽培している。条件が適した大阪での栽培も検討する。

 

11月に東ジャワ州スラバヤで初の国際農業機械展

11月に東ジャワ州スラバヤで初の国際農業機械展

 第一次産業の育成に目を向けたインドネシア政府の方針を受け、11月に東ジャワ州の州都スラバヤで同国初の国際農業機械展が開催される。外国製を中心に農業機械から肥料、種子まで農産物生産に必要な機器類、資材を展示する。先端技術、伝統農法の改良版などソフト面も展示対象とし、同国内の官民の農業関係者に紹介する。

 主催はコメ、トウモロコシなどを中心に同国最大の農業州の東ジャワ州政府。農業省、工業省、投資調整庁など政府関係省庁も同州での開催を支持し、後援する。会期は11月12日から3日間。

 当初、割高な日本製機械に対しては敬遠する空気があったが、割安な他国製品の品質に問題が多く、農業生産を効率的に拡大するため、生産性の高い日本製品への関心が高まり、主催者は日本の関係業界の積極参加を期待している。

平安前期の「悲田院」「施薬院」の名記した木簡出土

平安前期の「悲田院」「施薬院」の名記した木簡出土

 京都市埋蔵文化財研究所は7月2日、「悲田院(ひでんいん)」「施薬院(せやくいん)」の名を記した平安時代前期(9世紀)の木簡が京都市内で出土したと発表した。悲田院、施薬院は貧しい人々の救済施設で、出土したのは死亡した収容者の氏名などを記した報告書や、全国から送付された薬の原料の荷札などで、施薬院関連の木簡がまとまって出土したのは初めて。活動の実態を示す貴重な史料という。

 木簡が見つかったのはJR京都駅の約200㍍南で、平安京の東南隅にあたる地点。記録によると、周辺に施薬院の御倉(倉庫)や高級貴族の別宅があったとされている。出土した木簡は17点。うち1点は弘仁6年(815年)3月10日の日付が入った報告書で、死亡した収容者2人の氏名や年齢、裏面に施薬院の田畑を耕すために雇っていた4人が死亡したことが記してあった。

 「武蔵(東京都や埼玉県など)」「讃岐(香川県)」などの地名と、薬の材料として用いられていた「蜀椒(しょくしょう=サンショウ)」「猪脂」などと記した荷札も出土。悲田院から施薬院への上申文書とみられる木簡もあった。

 

850万年以上前に生息した世界最古のマイルカの化石

850万年以上前に生息した世界最古のマイルカの化石

 早稲田大や秋田大などの研究チームは7月2日、北海道新十津川町で発見されたイルカの頭骨の化石を再調査した結果、少なくとも850万年前の世界最古のマイルカ科の化石であることが分かったと発表した。これまではイタリアで発見された530万年前の化石が最古とされていた。

 この化石は1961年以前に発見され、77年のマイルカ科スジイルカ属として記録されたが、骨の形などから疑問が持たれていた。同チームは文献調査で化石があった地層の年代が850万~1300万年前であることを確認。クリーニング作業をやり直して骨の形を調べ、他のイルカの骨の特徴と比較したところ、マイルカの中でも既存の分類に当てはまらず、最も古いことが分かった。

    チームはこのイルカの学名を「(新十津川町周辺を示す)樺戸地域から産出した暁のイルカ」という意味の「エオデルフィス・カバテンシス」と名付けた。現代ではバンドウイルカやシャチなどがマイルカ科に含まれる。