月別アーカイブ: 2014年8月

「獺祭」の旭酒造 酒米栽培に農業クラウド導入

「獺祭」の旭酒造  酒米栽培に農業クラウド導入

 人気に比して、酒米の制約から恒常的に品薄が続く日本酒「獺祭(だっさい)」を製造する旭酒造(山口県岩国市)は、原料米の山田錦を安定調達するため、富士通と組み、山口県内の山田錦を栽培する2つの契約農家に農業クラウド(「Akisai(秋彩)」)を導入した。

 日々の作業実績や生育状況をクラウドで管理。どんな農薬・肥料を使ったか、イネの丈や茎の数どれくらいあるか、さらに温湿度や工場の水分などを圃場のセンサーでデータ取得し、蓄積。これを生産者間で共有する。

 こうしたデータ活用により、現在全国で30万俵の山田錦の生産量を、将来的に倍増を目指す。

吉本興業 台湾で47都道府県の名産品集め物産店開設

吉本興業台湾で47都道府県の名産品集め物産店開設

 吉本興業は中国大陸に隣接する台湾の金門島に日本をテーマにした常設の物産店「よしもと47ご当地市場」を開設した。47都道府県の各地の名産とされる食品や工芸品を扱っている。吉本興業がこうした物産店を海外で開くのは初めて。中国や台湾からの集客が見込める場所で日本の魅力やブランドを発信し、アジア市場を開拓する。 

レタス、キュウリの卸値上昇、ナスは2.3倍

レタス、キュウリの卸値上昇、ナスは2.3倍

 ナスやキュウリなど一部の野菜で卸価格が高くなっている。東京・大田市場のナスの卸値(相対取引、中値)は8月29、5㌔当たり1900円強と前年同期比2.3倍となっている。キュウリは8割、レタスも5割高い。台風11号の影響が長引き出荷量が減っており、店頭価格も上昇している。晴天続きで生育が進み、安値が続いた8月上旬までとは一転、高値となっている。

 

関空のお盆の出入国者数は5%増の41万人

関空のお盆の出入国者数は5%増の41万人

 大阪入国管理局関西空港支局は8月20日、関西空港の夏季繁忙期(8月8~17日)の出入国者数が前年比約5%増の約41万8070人(速報値)だったと発表した。出入国のピークはいずれも17日だった。渡航先は第1位が韓国の約4万2600人で、次いで中国の約3万9680人、東南アジアの約3万2580人と続いた。

7月の近畿の輸入は1兆3724億円で過去最高

7月の近畿の輸入は1兆3724億円で過去最高

 大阪税関が8月20日発表した近畿2府4県の7月の貿易概況によると、輸入(速報値)が前年同月比0.5%増の1兆3724億円となり、比較可能な1979年以来、7月として過去最高を記録した。米国、ドイツからの医薬品や、火力発電の燃料となる液化天然ガス(LNG)の輸入が全体を押し上げた。

農水省が国際空港近くに農産物の輸出拠点設置構想

農水省が国際空港近くに農産物の輸出拠点設置構想

 農林水産省は8月19日、2015年度予算案の概算要求に盛り込む重点事項をまとめた。20年に農林水産物・食品の輸出額を1兆円に倍増するために、成田空港など国際空港の近くに、野菜や果物、花きなどの輸出拠点を設ける構想を進める。業者が輸出用の野菜などを長い間保存しておける低温貯蔵施設をつくる場合に補助する案も盛り込んだ。

冷凍エビの国際価格上昇 タイ産バナメイ2割高

冷凍エビの国際価格上昇  タイ産バナメイ2割高

 冷凍エビの国際価格が上昇している。指標となるタイ産バナメイの産地価格は6月上旬と比べると2割高い。主産地のタイなどでは伝染病の影響で生産が低下している。6月までの相場を受け、欧米の買いが増えたことも値上がりにつながっている。

 現在タイ産バナメイエビの現地価格は1㌔12㌦程度で、6月上旬に比べ約2.5㌦上昇している。最大の輸出国であるタイの2013年の生産量は25万㌧と12年比で半減した。これに伴い現地の価格は13年秋に過去最高の1㌔15㌦を付けた。年間100万㌧以上を生産する中国が、自主生産だけで国内需要をまかなえず、買い付けを増やしたことも相場上昇につながっている。

7月の外国人旅行客 最高の55万4910人 関空

7月の外国人旅行客 最高の55万4910人 関空

 新関西国際空港会社が8月21日発表した7月の関西空港の運営概況(速報値)によると、国際線の国際線の外国人旅行客数は前年同月比27%増の55万4910人となり、7月として過去最高を記録。単月では60万人を突破した今年4月に次ぐ2番目の水準。

 7月15日に開業した大阪市のテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の「ハリー・ポッター」の新エリアが、アジアを中心に多くの観光客を引き寄せた。

JA全農ブランド強化 売上高2年で18倍目指す

JA全農ブランド強化 売上高2年で18倍目指す

 全国農業協同組合連合会(JA全農)は8月20日、国産原料を多く使った「全農ブランド」の総菜やカット野菜などの売上高を2015年度に13年度比約18倍の100億円に伸ばす計画を発表した。全農ブランド強化のためにラインアップを拡充し、11月までに現在の80商品から163商品に増やす。

伊能忠敬の北海道図に新事実「間宮林蔵が測量」

伊能忠敬の北海道図に新事実「間宮林蔵が測量」

 江戸時代後期に伊能忠敬(1745~1818年)測量隊が作製した蝦夷地(現 北海道)国の完成版が、探検家・間宮林蔵(1780~1844年)が測量したデータを基に作られた可能性が高いことが8月18日、伊能忠敬研究会と関連団体「InoPediaをつくる会」の調査で分かった。

 伊能は1800年に道南の松前から東海岸の厚岸あたりまでを測量、第1次測量図を作製したが、没するまで道内の他地域は未踏だった。このため、北海道全体を詳細に描いた完成版は、伊能の測量と弟子で同地を長期間調査した間宮の測量を合わせて作製したと考えられてきた。

 しかし今回、国立公文書館・内閣文庫の第1次測量図と最終版の北海道図をコンピューターで重ね合わせたところ、双方の測量線がほぼ全域にわたってずれていることが分かった。このため、両会は間宮が、伊能が測量した地域を測量し直して完成版を作製したと結論付けた。