漢方”産業”化に植物工場活用の期待 潜在能力大

 

漢方”産業”化に植物工場活用の期待  潜在能力大

漢方の原料となる生薬の国産化に取り組む動きが活発化している。この取り組みの一つとして期待されているのが、いま急速に拡大しつつある植物工場の活用だ。薬草や薬木など漢方原料の生薬は、国内使用量の8割を中国からの輸入に依存しているのが現状だ。このため、環境が整えば国産生薬の今後の”伸びしろ”は十分にある。そして、国内には具現化する漢方”産業”化の即効になる技術・製品を持つ企業も多い。

そうした中、いま漢方産業化に向け、大きな注目を集めているのが植物工場を活用した、付加価値の高い生薬の安定的・計画的生産だ。植物工場ビジネスは異業種からの相次ぐ参入で、話題性が高い割には収益面では妙味に乏しいのが実情。というのも、生産性を一定レベルまで引き上げなければ、生産コストが露地物よりも高くなりがちだからだ。そのため、植物工場の課題はいかに付加価値の高い植物・野菜を生産するか、という点にある。

その意味では、一般的な野菜などより高価な生薬は、植物工場ビジネスで有力な生産品目になる。また、年間を通じて品質確保と安定供給が求められる面でも、植物工場との相性はいい。自治体などの動きも見逃せない。全国で現在40万㌶に達している農地の耕作放棄地の拡大に歯止めをかけるため、全国の各自治体が企業連携により推進している地域産業の創出と、地域活性化のカンフル剤としても期待される。