兵庫・養父市の農地取引の特例認定 事業開始
政府は9月9日、国家戦略特区諮問会議で兵庫県養父市が求めた特例措置を認定した。市内の農地の権利移転の許可権限を市農業委員会から市長に移す。市は農村振興課を窓口に、農地の賃貸借や売買に関する申請を随時受け付ける。戦略特区の事業計画認定は全国初。市内農地の1割、230㌶を占める耕作放棄地の削減に向け特区事業がスタートする。
インドネシア・バンダアチェ職員が東松島市で研修
宮城県東松島市で、インドネシアアチェ州の州都バンダアチェ市から派遣された市職員2人が研修に励んでいる。津波で大きな被害を受けた自治体同士、経験やノウハウなどを共有し「相互復興」に生かすのが狙い。研修しているのはバンダアチェ市文化観光部プロモーション協力室長のムハマド・イクバルさん(31)と、同市海洋水産農学部総務課長ズルファドリィさん(38)。2人は11月末までの3カ月間滞在する。
2人は期間中、市内外の企業らでつくる産学官民連携組織「東松島みらいとし機構」に所属。同機構が取り組んでいるメガソーラーやバイオマス発電所建設を見学するほか、集団移転先の住宅造成工事、防潮堤整備の現場を視察したり、漁業施設や水産加工場などを見て回る。
「住民のニーズに応じ、長期的な視点で計画が実行されている点に感心した。帰国したらすぐに取り入れたい」と話している。帰国するまでの3カ月間に2人は、バンダアチェ市で実践すべき具体的な課題やテーマをどれだけ見つけることができるだろうか。
中国産ソバ大幅減産見込みで価格上昇 卸値2割高
中国産ソバの価格が上昇している。収穫が本格化している2014年産の作付面積が前年よりも大幅に減少し、減産見通しが強まっている。国産ソバも主力の北海道産の作柄が悪化しているとの観測が出ている。また、中国産から国産に需要シフトするとの見方もあり、先高観につながっている。
中国産ソバの製粉会社の卸価格は現在流通している13年産で45㌔当たり5250円(中心値)となっている。12年産と比べ2割高い。13年産の生産量が少なかったためだ。14年産の生産量は大幅に減少するとの見方が強い。中国の輸出業者によると、主産地の作付面積は前年比46%減少した。ソバより先に種をまくとうもろこしの作付が順調だったことや、アワなど他の作物への転作が進んだ。現地でソバより高値で売れるためだ。
国産ソバも先高観が強い。生産量の5割近くを占める北海道産に、8月の大雨の影響で冠水による生産減の観測があるためだ。また、今年から農家への補助金が減ったため、作付面積も増えていないとみられていることもその背景にある。
ジャカルタ富裕層の間で着実に高まるSAKE人気
世界的な和食ブームを背景に、日本酒(SAKE)人気が高まりをみせ、その波がムスリムの国、インドネシア・ジャカルタへ寄せ始めている。南ジャカルタ・スノパティ通りで9月3日、インドネシアで初めてと思われる日本酒をメインにしたバー「sake+」がオープンしたのだ。
その店は「日本や他の東南アジア諸国でも見たことがない」と大手酒造メーカーの担当者が語るほど、日本酒を前面に打ち出した、”和テイスト”あふれる店だったという。入り口を抜けると日本酒、焼酎、梅酒などの棚がずらりと並んでいた。ここまでこだわった背景には、ジャカルタ富裕層の間での日本酒に対する人気の高まりがあるからだ。
ムスリムの国で、時間がかかる認可手続き、高い関税など容易に克服できないほどのハードルに直面しているが、着実に日本酒の需要が広がりをみせていることは確かだ。
宮城・石巻産 復興特区カキ全国販売へ ブランド化目指す
宮城県の水産業復興特区で操業する「桃浦カキ生産者合同会社」(宮城県石巻市)が養殖カキの全国販売に乗り出す。インターネットを使った通信販売の準備が整ったのに加え、10月以降の新シーズンの収穫量が約90㌧と前シーズンの3倍を見込むなど事業が軌道に乗ってきた。新商品の開発も急ピッチで進めており、「桃浦カキ」を全国ブランドに育てる態勢づくりを急ぐ。
自社ホームページで注文を受け付ける。これまで収穫したカキの一部は和食チェーン「大戸屋」など首都圏の外食チェーンにも販売してきたが、大部分は宮城県内のスーパーに卸していた。全国向け商品の第1弾として、昨秋から5月ごろまでに収穫した、カキを蒸した「蒸しガキ」を販売する。価格は120㌘のパック詰め2袋入りで税込み2800円。