月別アーカイブ: 2014年11月

農研センター 12度前後の高糖度ミカンの栽培技術開発

農研センター  12度前後の高糖度ミカンの栽培技術開発

農研機構近畿中国四国農業研究センターは、高糖度ミカンの精密栽培技術を開発した。中国紙工業(広島県尾道市)が開発した地面に敷く二重構造のマルチシートと簡易土壌水分計、水分ストレス表示シートなどを組み合わせ、ミカンの液肥や水やりを制御して果実糖度を高め、農家の勘に頼っていた水やりの判断も標準化する。愛媛県などの農園栽培では長雨の影響で糖度が8~10度に下がった地域でも安定して12度前後の甘い果実が得られたとして、普及を図る計画だ。

藤原京で最大規模の建物跡発見 公的施設か寺院

藤原京で最大規模の建物跡発見  公的施設か寺院

藤原京で大型の建物跡発見 奈良県立橿原考古学研究所は11月18日、日本最初の本格的都城とされる藤原京(奈良県橿原市、694~710年)で、東西約51㍍、南北約6㍍の大型建物跡(8世紀初め)を見つけたと発表した。藤原宮を除く藤原京では最大規模で、同研究所は公的施設が寺院関連の建物とみている。

発見されたのは近鉄橿原神宮前駅から北東約900㍍の地点。4年にわたる調査で計36の柱穴跡を確認した。建物は直径30センチ前後の柱が東西方向に17本、南北方向に3本並ぶ構造だったとみられる。

 

大坂夏の陣「道明寺合戦」の記念碑が完成 除幕式

大坂夏の陣「道明寺合戦」の記念碑が完成  除幕式

大坂夏の陣(1615年)の皮切りとなった「道明寺合戦」の記念碑が、近鉄道明寺駅(大阪府藤井寺市)前に建てられ11月18日、ゆかりの武将の末裔らが立ち合い、除幕式が行われた。道明寺合戦では徳川軍の伊達政宗、片倉小十郎らと、豊臣軍の真田幸村、後藤又兵衛らが戦った。除幕式には片倉、真田、後藤3氏の末裔が初めて顔を合わせ、碑の前で握手した。

記念碑は道明寺まちづくり協議会が、合戦で散った武士の慰霊と鎮魂を目的に府などの助成金で建てた。碑は高さ2㍍。地元では2015年5月に「大坂の陣400年祭」のイベントを予定している。

外国人観光客増が収益増に寄与 新関空中間決算

外国人観光客増が収益増に寄与  新関空中間決算

新関西国際空港会社が11月18日発表した2014年4~9月期連結決算は、格安航空会社(LCC)の増便などで外国人の利用が好調だったことから、売上高は前年同期比32%増の741億円、営業利益は27%増の217億円で増収増益を確保した。最終(当期)利益は39%増の96億円。関西国際空港の今年9月末の有利子負債残高は9350億円で、3月末に比べて113億円減少した。大阪(伊丹)空港の大阪ターミナルビルを運営する「大阪国際空港ターミナル」(大阪市)を13年12月に完全子会社化したことも売上高の増加に貢献。関西空港は14年4~9月の外国人旅客数が過去最高となり空港の使用料収入や、免税店など商業事業収入が大幅に伸びた。

橋下氏 衆院選への出馬濃厚 公明党の都構想拒否で

橋下氏 衆院選への出馬濃厚 公明党の都構想拒否で

橋下徹・大阪市長(維新の党共同代表)が、市長を辞職して衆院選に立候補する可能性が高まった。看板政策の大阪都構想を巡り、公明党との関係修復が困難になったためで、都構想を国政から進め、状況打開する狙いがあるとみられる。その場合、松井一郎・大阪府知事も知事を辞職して、ともに衆院選に立候補する見通し。橋本氏は大阪3区、松井氏は大阪16区から立候補する予定で、公明党の幹部の現職と対決する。

老舗ベーカリー浅野屋 海外初シンガポールに出店

老舗ベーカリー浅野屋  海外初シンガポールに出店

東京・自由が丘や軽井沢などで店舗を展開する老舗ベーカリー、浅野屋は11月15日、シンガポールの中心部に海外初となる店舗「ブランジェ浅野屋」を開業した。店舗の広さは420平方㍍。店内で調理した約60種類のパンを提供する。80席のイートインコーナーも設け、コーヒーなど飲み物のほかスープやサラダなどの軽食も提供する。同国の自動車ディーラー大手、タンチョン・インターナショナルと設立した合弁会社が運営する。週末など繁忙期には1日1000人程度の集客を目指す。

中国産ウナギ前年の半値に下落 供給過剰と需要減で

中国産ウナギ前年の半値に下落  供給過剰と需要減で

中国産活ウナギが前年の半値に下落している。昨年冬から今年春にかけて養殖に使う稚魚(シラスウナギ)が豊漁だった半面、過去数年の高値でウナギの需要が減り、供給過剰になっているためだ。中国産の活ウナギは専門店向けが多く、流通漁の2~3割を占めるとみられる。現在の卸価格は1㌔当たり3000円弱。円安の進行を受けて、直近は小幅に上昇したが、1年前のほぼ半値の水準だ。今夏の需要期と比べると、3割ほど安い。

南極海の調査捕鯨3分の1に減らす 国際判決受け

南極海の調査捕鯨3分の1に減らす  国際判決受け

政府は11月18日、捕獲する鯨種をクロミンククジラ1種に絞り、目標の捕鯨頭数をこれまでの935頭から333頭に減らす内容の新たな計画を国際捕鯨委員会(IWC)の科学委員会に提出した。国際司法裁判所(ICJ)が3月に日本の南極海での調査捕鯨を中止するよう求める判決を出したことへの対応。新計画によると、調査期間は2015年度から12年間。

「ゴマ」6次産業化を推進する 近畿大・吉田教授

「ゴマ」6次産業化を推進する  近畿大・吉田教授

古来、健康に良い食品として知られる「日本ゴマ科学会」の第29回大会が、東大阪市の近畿大東大阪キャンパスで開かれた。同大会でホスト役の実行委員長を務めた近畿大農学部教授の吉田元信さんは、やせた土地でも栽培しやすく、商品作物としても高く売れるゴマは「農業の付加価値を高める有望な作物の一つ」と指摘する。そして、生産から加工、販売まで手掛ける6次産業化を進め、「問題が山積する日本の農業を変えたい」と話す。同大会でも、ゴマの摂取による血圧低下健康効果、国内外でのゴマ増産の取り組み、枚方市の農家レストランのゴマ料理紹介、高野山(和歌山県)の宿坊で振る舞われるゴマ豆腐作りの開設など、生産から加工まで幅広く、かつ分かりやすく来場者にアピールした。

専門分野は分子育種学。ゴマやサツマイモなどを材料に、遺伝子レベルで高品質な作物を生み出そうと模索している。研究の傍ら、ゴマ栽培を再び普及させようと、府内や奈良県内などの休耕田を活用し、効率よくゴマを育てる実験農場づくりを、学生とともに進めている。「学生に幅広い知識を身につけさせ、6次産業化を実践する人材を育てたい」と熱い。

太平洋クロマグロを絶滅危惧種に指定 IUCN

太平洋クロマグロを絶滅危惧種に指定 IUCN

すしネタや刺し身に使われ、日本が最大の消費国である太平洋クロマグロが11月17日、国際自然保護連合(IUCN)が公表した最新のレッドリストで絶滅危惧種に指定された。指定には漁獲禁止などの法的拘束力はないが、クロマグロの保護強化を求める国際的な圧力が一層強まる可能性がある。日本はすでに他国と漁獲規制などに乗り出しており、自主的な資源保護の取り組みで国際批判を回避したい意向だ。