練り製品値上げ広がる 小売価格にも波及必至

練り製品値上げ広がる  小売価格にも波及必至

練り製品メーカーの値上げ発表が相次いでいる。原料となるすり身の価格や人件費の上昇などがその要因だ。これまで練り製品は国内需要の減少などで、コスト圧迫要因にもめげず、値上げを見送ってきたメーカーが多かった。だが今回は、すでに値上げを発表した紀文食品(東京都中央区)や一正蒲鉾(新潟市)などのほか、中小メーカーにも値上げの動きが広がりつつある。したがって、店頭での小売価格への波及は必至とみられる。

練り製品の原料となり、製造コストの6割を占めるスケソウダラのすり身の価格は年2回、北米の加工会社と日本の商社が交渉する。2014年の秋漁まで3期連続で値上がりしている。韓国やフィーレ(3枚おろし)で流通する欧米などで、需要が高まっているためだ。その結果、北米産すり身の国内卸値は(陸上物2級)は1㌔㌘400~430円と前年同期比3~4割高い。

紀文食品は7年ぶりに3月1日から、ちくわやはんぺんなど魚肉練り製品を約5~15%値上げする。また一正蒲鉾も3月22日からの値上げを発表している。