ハイテク養殖でブリの「旬」を変える-日水G・黒瀬水産

ハイテク養殖でブリの「旬」を変える –日水G・黒瀬水産

ハイテクを駆使し新たな養殖に挑戦する企業が増えている。日本水産グループで、ブリの養殖を手掛ける黒瀬水産(宮崎県串間市)は、志布志湾の沖合いにイケスを沈め、ハイテクでこのイケス内の「光」と「水温」を徹底して制御・管理することで、ブリの「旬=寒ブリ」の時期を変えることに成功した。この結果、天然ものに加え、小売店頭では養殖による、おいしい「旬」のブリの時期を広げられるという。

通常養殖といえば、湾内の海辺で手掛けるケースが圧倒的に多い。しかし、いったん海が荒れると、湾内でも大きな波が発生する。また、湾内の海辺の場合赤潮が発生しやすく、この被害に遭うと養殖事業全体に大きなダメージとなることが多い。その点、予想外にこれらの影響を受けにくいのが沖合いでの養殖事業だという。荒れた天候で海水面から浅い水中では波のうねりが大きいのだが、これにひきかえ沖合いの海底は意外なほど穏やかで、沈められているイケス中のブリには、安定してプランに沿った、光と水温のコントロール・管理ができるという。