アジア富裕層の需要増が果実価格押し上げ

アジア富裕層の需要増が果実価格押し上げ

中国や台湾、東南アジアの4需要層による活発な消費が、バナナ、パイナップル、リンゴ、桃、メロンなど果実の値上がり要因となっている。バナナなどの輸入果実は、日本の商社が買い負ける例が増え、リンゴなど国産果実も輸出が増えている。
アジアでは経済成長を背景に果実需要が伸びており、今後も押し上げ要因になりそうだ。輸入果実の中で最も消費量の多いバナナは、輸入価格が上昇傾向だ。貿易統計を基に計算すると、フィリピン産バナナの平均輸入単価は、2014年に1㌔90円と13年比で1割、12年比で4割弱上昇している。15年1~5月は同94円とさらに上昇している。それでも中国勢の買値がはるかに高く、買い負けているという。
国産果実にもアジアの大消費量の影響が出ている。香港や台湾、東南アジアへの輸出が増え、国内の卸売市場で品薄感が出ている。国産果実の中で最も輸出量が多いリンゴは、14年産の15年4月までの輸出量が2万8980㌧だった。すでに13年産より4割以上多く、過去最高を更新している。
最大産地の青森では出荷量の約7%が輸出に回っている。東京卸売市場での14年のリンゴの卸売価格は前年に比べ1割高かった。香港向けのリンゴ輸出は14年産(15年4月まで)が約4600㌧と13年産比で7割以上伸びている。