月別アーカイブ: 2015年6月

バス事業悪化で国に健全化計画提出へ 大阪市交通局

バス事業悪化で国に健全化計画提出へ 大阪市交通局

大阪市交通局は6月17日、2014年度のバス事業会計の決算見込みを発表した。土地信託事業ビル「オスカードリーム」(大阪市住之江区)の失敗により、銀行に支払う和解金273億円を特別損失に計上したため、経営状態が悪化。資金不足比率が法定基準(20%)を大幅に上回る141%になり、経営健全化計画を今年度末に国に提出することになった。
橋下徹市長の意向を受け、市交通局は民営化を前提とした健全化計画を作る予定。民営化しない場合はバス路線が大幅に廃止される可能性があり、計画を承認する議会が紛糾することも予想される。

14年外食市場24兆3686億円で3年連続増

14年外食市場24兆3686億円で3年連続増

日本フードサービス協会(JF)が6月15日に発表した2014年の外食産業の市場規模の推計額は前年比1.5%増の24兆3686億円だった。3年連続で増加した。消費増税や夏場の天候不順による伸び悩みはあったが、1人当たりの外食支出額や訪日外国人、法人交際費の増加などが寄与した。
飲食店の市場規模は前年比1.6%増の13兆1213億円だった。「食堂・レストラン」は同2.7%増、「そば・うどん店」は同1.2%増、「すし店」は同1.2%増だった。ファストフードのハンバーガー店ナドを含む「その他の飲食店」は、日本マクドナルドの使用期限切れ鶏肉問題発覚の影響を受け、同4.9%減と落ち込んだ。

大阪湾5カ所でアカガイ稚貝放流 水揚げ増目指す

大阪湾5カ所でアカガイ稚貝放流   水揚げ増目指す

大阪府は国産アカガイの水揚げ増加を目指して6月16日、18年ぶりに稚貝を大阪湾に放流した。順調に育てば、1年後には食卓に届くほどの大きさに成長するという。放流したのは長さ3㌢、重さ8㌘ほどの稚貝約5万個。大阪市沖から泉州沖の5カ所に放流した。アカガイはすしネタとして好まれている。

機能性表示食品制度活用でキリンがノンアル飲料

機能性表示食品制度活用でキリンが初のノンアル飲料

キリンビールは6月16日、健康や体への効果をパッケージに表示しやすくなる「機能性表示食品制度」に基づいたノンアルコールビールを発表した。同制度を活用した飲料商品は初めて。脂肪や糖の吸収を抑えるなどといった効果をうたっており、健康志向の高い消費者に売り込む。すっきりとした苦みとキレのある味わいが特徴という「パーフェクトフリー」を売り出した。
アサヒビールも23日にノンアルコールビールやサワー系のノンアルコール飲料を売り出す予定。

野菜 ようやく高値が一服 葉物やキュウリ値下がり

野菜 ようやく高値が一服 葉物やキュウリ値下がり

野菜の高値にようやく一服感が出てきた。農林水産省が6月16日発表した野菜小売価格緊急調査(8~12日)で、調査対象の4品目すべてが前週の価格を下回った。野菜は4~5月の天候不順で高値が続いていた。天候回復や産地の切り替わりで、影響が和らいでいる。
キャベツは4週連続値下がりし、1㌔183円、レタスは同376円だった。トマトとキュウリは6週連続値下がりした。この結果、平年比ではキュウリを除きまだ高いが、5月に比べると落ち着いてきている。
これらの野菜にひきかえ、いぜんとして高値が続いているのがジャガイモだ。東京都中央卸売市場の6月上旬の平均卸価格は前年同期に比べ6割以上高い。

復活した「天満天神の名水」に光再び だし文化支える

復活した「天満天神の名水」に光再び だし文化支える

大阪天満宮(大阪市北区)の境内で、かつて名水といわれた地下水「天満天神の水」が2014年復活し、老舗のすし店などで使われ、大阪の「だし文化」を支えた名水が再び注目を集めている。
大阪天満宮によると、境内の井戸水は江戸時代から付近の造り酒屋などで使われていた。参勤交代で訪れた大名に供された記録もある。近年の都市開発の影響などで井戸水は枯渇したが、地元の天神橋筋商店連合会や関西大学(大阪府吹田市)の協力により、境内の別の場所で新たな井戸が掘られ14年7月、地下約70㍍から地下水のくみ上げに成功した。この復活した新しい「天満天神の水」、天満宮参拝者にも「まろやかな口当たりで、おいしい」と好評だ。
この復活した名水、伝統の大阪の味づくりに一役買っている。箱寿司をつくり続ける1841年(天保12年)創業の老舗、吉野寿司(大阪市中央区)は5月からこの水を料理に使い始めた。創業当時使っていたが、40年ほど前に地盤沈下などを考慮し利用をやめた同社。再び今、1日40㍑の水で昆布のだしを取り、すし飯を炊くなどしている。また、近くの老舗料亭などでも、この水が使われ始めている。

「余市」9月に再発売 別の原酒で補う

「余市」9月に再発売   別の原酒で補う

アサヒビールは6月15日、傘下のニッカウヰスキーが、「マッサン」人気で売れた結果、原酒不足のため8月末の出荷分で販売を終えるウイスキー「余市」と「宮城峡」を、9月1日に再発売すると発表した。それぞれニッカの余市蒸留所(北海道余市町)と宮城峡蒸留所(仙台市)でつくられた原酒のみを使うシングルモルトウイスキー。いずれも参考小売価格は500㍉㍑入りで3326円。不足した原酒を同じ蒸留所の別の原酒で補う。

5月近畿マンション発売戸数2割増 2カ月ぶりプラス

5月近畿マンション発売戸数2割増 2カ月ぶりプラス

不動産経済研究所が6月16日発表した近畿2府4県の5月のマンション発売戸数は、前年同月比で20.9%増の1920戸で、2カ月ぶりに前年実績を上回った。大阪市、京都市など都市部が伸びをけん引した。契約率は75.2%で3カ月連続で70%を超えた。

栃木県の酒造17社がイタリアで7月に共同販促

栃木県の酒造17社がイタリアで7月に共同販促

栃木県の酒造17社が7月、共同でイタリアで販売促進に取り組む。レストランの格付けなどを手掛ける有力メディアの伊ガンベロロッソ(ローマ市)と組み、現地で試飲会を3日間開く。栃木県も協力する。
イタリアでは食がテーマのミラノ万博が今秋まで開かれており、世界から食品流通や飲食業の関係者が集まっている。7月16、17日はローマで、18日はナポリでそれぞれ、食品・酒類の業界専門者を対象に試飲会を開き、栃木県の酒を世界にアピールし、輸出につなげる。欧州市場などに影響力を持つ商社や販売代理店、専門誌記者らを招く。各日300人、計900人の集客を見込む。
出展する17社は宇都宮酒造(宇都宮市)、惣誉酒造(市貝町)、天鷹酒造(大田原市)、北関酒造(栃木市)など。栃木商工会議所が窓口となり、栃木県酒造組合が協賛する。

釣り場の水利用しマイクロ水力発電 千早赤阪村

釣り場の水利用しマイクロ水力発電 千早赤阪村

自然エネルギーの普及を目指す市民団体「金剛・葛城自然エネルギーの会」が5月から、千早赤阪村の「千早川マス釣り場」でマイクロ水力発電の実験を始めた。
千早川にはかつて発電所が2カ所あり、付近の家庭に電力を供給していたが、約50年前に施設の老朽化とともに姿を消していた。6月10日の公開実験では88㍗の電力が得られた。LED電球を点灯させ、見学者から歓声が上がっていた。
マイクロ水力発電は一般的に、出力が100㌔㍗以下と定義されている。ダムなど大規模な設備を必要とせず、電力消費地の近くでつくれる「地産地消型」エネルギーだ。
10日の実験では、上流側の釣り場の水を下流側の釣り場にホース(直径5㌢)を通して落とした。高低差は18㍍。ホースの先端には発電用タービンが取り付けられており、1秒当たり2.2㍑の水を通すと、タービンが勢いよく回転した。
発電用タービンを製作した関西外国語大学(枚方市)青木豊明教授は「取水口とタービンの落差を大きくすれば、より多くの電力を得ることができる」と説明し、今回の実験が千早川での水力発電復活のきっかけになればと期待している。