世界が食べ始め、広がる日本の抹茶市場

世界が食べ始め、広がる日本の抹茶市場

抹茶人気が高い。テーブルで手軽にできる抹茶教室や簡単に飲める商品が登場。抹茶菓子などをけん引役に市場が広がり、世界も注目する新たな日本ブランドに育ちつつある。
着物や正座が要らないテーブル抹茶教室が首都圏で根づき、日本茶専門店で抹茶類の販売が好調だ。手軽さは、高級でオシャレな抹茶を身近なものにし、需要を着実に増やしている。だが、需要の最大のけん引役は「食べる抹茶」だ。
宇治茶専門店「茶寮都路里」の大丸東京店では抹茶菓子の店頭販売が前年比2割増で推移している。日本茶レストランの「1899 お茶の水」は抹茶ビールに加え、抹茶のポテトサラダや抹茶を片栗粉に混ぜた揚げ出し豆腐のサラダを提供。ふりかけとして出すレストランも登場している。全国茶生産団体連合会によると、抹茶原料のてん茶の生産量は2014年に約1969㌧。10年前より36%増え、過去最高を更新した。茶葉全体が19%減ったのと対照的だ。
抹茶が日本に伝わったのは約800年前。禅僧の栄西が茶の粉末をお湯でかき混ぜる「抹茶法」を伝えたとされる。その後、抹茶は茶道文化の象徴として、長年格式の高いイメージが強かった。
それが20年ほど前、1996年、ハーゲンダッツが抹茶味のアイス、2001年にスターバックスコーヒーが抹茶とクリームの氷飲料をそれぞれ発売し、市場に抹茶の新しい楽しみ方を提起した形となった。