農業ビニールハウスを「植物工場」に 費用は1/4 東大

農業ビニールハウスを「植物工場」に 費用は1/4 東大

東京大学の河鰭(かわばた)実之教授らは、農業ビニールハウス内に人工の光で野菜を生産する植物工場と同じ環境を、簡単に作れる手法を開発した。ビニールハウス内を産業用の遮熱シートで密閉し、明るさや温度・湿度などを管理する。一般的な植物工場に比べ同じ規模で建設費を最大で4分の1に抑えられるという。天候不順に強く、安定して野菜を生産できる。ビニールハウスと植物工場の利点を併せ持つシステムとして、今後普及を目指す。
新手法は、植物工場の技術開発ベンチャーのプランツラボラトリー(東京都港区)と組み、技術を確立した。ビニールハウスの内部に太陽光や外気の侵入を防ぐアルミ製の遮熱シートで囲った空間を設けた。遮熱シートは植物工場で使われている断熱材よりも性能が高いという。遮熱シートの厚みは0.2㍉で工場の屋根などに使われる産業向けを活用した。