月別アーカイブ: 2015年9月

オーミケンシ 木材から食品素材 低カロリーが特徴

オーミケンシ 木材から食品素材 低カロリーが特徴

紡績大手のオーミケンシは木材から低カロリーの食品素材を製造する技術を開発した。パルプを分解してできるセルロースを溶かしてコンニャク粉などを混ぜて麺などに加工する。低カロリーで満腹感を得られるため、ダイエット食品や医療食に使える。2016年にも量産を始めて食品メーカーに供給し、新たな収益事業に育てる。
今回開発した食品素材は「可食セルロース」で、カロリーがゼロ。コンニャクと混ぜても100㌘当たり7㌔㌍とごはんの約20分の1という。セルロースはジャムやアイスクリームの粘り気を出す添加物などに使う。ただ苦みが強く、単体では食品素材に向かなかったため、低温で溶解して苦みを弱めた。
食品メーカーや飲食店と共同で今後、可食セルロースを使う商品の開発を進める。加古川工場(兵庫県加古川市)で生産設備を導入する。

ゆず加工品でアジア市場開拓 栃木の万葉柚子協議会

ゆず加工品でアジア市場開拓 栃木の万葉柚子協議会

農業生産者や食品メーカーなどでつくる万葉柚子(ゆず)協議会は、栃木県産のゆずを原料とした加工食品の輸出を始めた。8月からゆずタルトやゆずコショウなど4品目を香港に出荷し始めており、年内にもシンガポールやタイに輸出する。ゆずは栃木県の特産品で、輸出を通じて「万葉柚子」のブランドを高め、販路を拡大する。
万葉柚子協議会は栃木県内のゆずの生産農家や東京フード(佐野市)、青源味噌(宇都宮市)といった中小食品メーカーなど計43会員で構成している。県内の樹齢30年以上の完熟した木から収穫したゆずだけを「万葉柚子」と名付けてブランド化し、万葉柚子を使った加工食品の開発も手掛ける。これまでにギョーザやゼリーなど22品目を商品化している。

大商が創薬ベンチャー「ピオニエ」設立

大商が創薬ベンチャー「ピオニエ」設立

大阪商工会議所は、創薬ベンチャー企業であるピオニエ(大阪市中央区)を設立した。塩野義製薬のシーズを活用し、強い鎮痛効果を維持しつつ、副作用を抑えた次世代オピオイド系鎮痛薬の創薬過程の出発点となる、リード化合物を今後2年間で創出する。開発後は塩野義製薬を含む外部機関による同社のM&Aを目指す。大商が設立出資金50万円を出資し、大阪府や地元製薬企業など23社・機関が出資する。大阪バイオファンドや日本ベンチャーキャピタルなどが2億5000万円の第三者割当増資を引き受けた。
今回の創薬ベンチャー設立は、大商が2010年から進める医薬品の開発促進に向けて産業連携を支援する事業「DSANJ(創薬シーズ・基盤技術アライアンスネットワーク)」の一環。

A級戦犯7人の絶筆公開「全く相済まぬ」東条の遺書も

A級戦犯7人の絶筆公開「全く相済まぬ」東条の遺書も

終戦直後、巣鴨拘置所の教誨(きょうかい)師として日本人で唯一、東条英機らA級戦犯7人の最後を見届けた仏教学者、花山信勝(しんしょう)氏(故人)の生家の宗林寺(金沢市)で、A級戦犯の絶筆や遺書など二十数点が一般公開されている。戦後、同寺で厳重に保管され、戦後70年を機に「平和の大切さを再認識するきっかけにしてほしい」と初めて公開に踏み切った。
A級戦犯の絶筆は、開戦時の首相の東条、元奉天特務機関長、土肥原賢二、元中支那方面軍司令官、松井岩根(いわね)、元陸軍軍務局長、武藤章、元陸相、板垣征四郎、元首相、広田弘毅(こうき)、元陸軍次官、木村兵太郎-の7人が1948年12月23日未明の絞首刑直前、両手に手錠をかけられた状態で1枚の紙に名前を連署した。
東条の遺書は同年11月17日、花山氏に宛てて書かれ、5日前に軍事法廷で下された死刑判決への受け止めや国家、国民への思いがわら紙原稿用紙に鉛筆でびっしり綴られている。「一応の責任を果たしホット一安心」とする一方、「同胞のことを思う時、私の死刑によっても責任は果たされない。全く相済まぬことと思っている」と心情を吐露している。

ニコニコのり「握らない おにぎり」専用海苔を増産

ニコニコのり「にぎらない おにぎり」専用海苔を増産

海苔(のり)大手のニコニコのり(大阪市)は握らないおにぎり「おにぎらず」専用海苔の増産を始めた。調味液を含ませた味付け海苔で、3月に家庭用を発売し、計画の10倍売れているという。スーパーから総菜用の引き合いが相次いだことから、業務用の供給も始めた。九州工場(福岡県みやま市)稼働時間を伸ばすことなどで対応、増産に取り組んでいる。おにぎらずの家庭用のりの年間売上高は3億円を超える見込み。

10/1から調味料に「まろやか塩レモン」天塩

10/1から調味料に「まろやか塩レモン」天塩

食塩販売の天塩(東京都新宿区)は10月1日から、調味料「天塩 まろやか塩レモン」を発売する。酸味の効いたレモンの香りが楽しめる調味料として売り出す。ペースト状で豆腐など食材にそのままかけたり、炒め料理や和え物に組み合わせたりできる。

経済・教育の整備重視 市長選出馬の柳本氏が会見

経済・教育の整備重視 市長選出馬の柳本氏が会見

11月22日投開票の大阪市長選で、立候補を表明した自民党の柳本顕大阪市議は9月20日、大阪市内で記者会見し、市長選に向けた論点や意欲について語った。
骨子は①「都構想」を掲げる橋下市政で、政令市として国と連携した経済政策などは停滞している。真っ当な大阪市政を取り戻すため、市長選に勝つことが私の使命だ②地域の雇用創出などを具体的に提示した経済政策や、教育環境の整備を公約の柱としたい。総合区を中心とした市内の都市内分権、府市の課題解決方法なども主軸になる③大阪市を残す前提で市政改革をどう進めるかで議論を深めたい。ただ、維新とは「都構想」の訴えを降ろさない限り協調できない-など。

リチウムイオンの輸送性能7倍に 北陸先端大が開発

<新技術・新開発>

リチウムイオンの輸送性能7倍に 北陸先端大が開発

北陸先端科学技術大学院大学マテリアルサイエンス研究科の松見紀佳教授らは、リチウムイオンの輸出性能に優れる有機系固体電解質材料を開発した。有機ホウ素結晶とリチウム塩の固体を混合した材料で、溶解後に混合する従来法に比べ、イオン輸送性能が最大で7倍に広がることを突き止めた。自動車用リチウムイオン二次電池や高容量定置電源の性能向上につながる可能性がある。
松見教授らは材料の安定性を高めるためるため、針状結晶物が環状に連なったホウ素化合物を合成。さらにホウ素化合物とリチウム塩を固体のまま粉砕して混合、ペレット状にした。

ALSOK 9月中に急速充電器設置サービス

<産業・社会の動き>

ALSOK 9月中にEV急速充電器設置サービス

警備大手の綜合警備保障(ALSOK)は、商業施設などに電気自動車(EV)の急速充電器を販売・設置するサービスを9月中に始める。導入費用に対する政府の助成制度への申請も代行する。防犯カメラの設置など警備サービスも一緒に提案する。遅れている急速充電器の普及を後押しする。
ビルメンテナンスなどを手掛ける子会社のALSOK双栄(横浜市)と共同で展開する。首都圏や中部・近畿を中心に営業する。充電器本体と工事の費用は370万~540万円が目安。

常総市役所停電で蓄電池活用 エリーパワー

<産業・社会の動き>

常総市役所停電で蓄電池活用 エリーパワー

エリーパワー(東京都品川区)は、台風18号の影響による豪雨で停電した茨城県常総市役所石下庁舎で、同社の蓄電池が活用されたことを明らかにした。同庁舎では9月10日午後1時40分ごろに停電、同時に蓄電池から電源が供給され、フロアの照明や携帯電話の充電などに使われた。同市は今年3月、エリーパワー製の15㌔㍗時の蓄電池を導入していた