月別アーカイブ: 2015年9月

経産省 コスト高の太陽光買い取り制度見直し着手

<エネルギー政策>

経産省  コスト高の太陽光買い取り制度見直し着手

経済産業省は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の見直しについての議論を始めた。太陽光発電の急増で、国民の負担が高まっており、コストを抑えながら再生エネルギーの普及を目指す仕組みを議論し、2016年の通常国会に再生可能エネルギー特別措置法の改正案を提出する方針だ。
太陽光の普及で2015年度の標準家庭の負担額は、月474円と12年度の7倍に上る。経産省は太陽光の買い取り総額に上限を設け、超えそうな場合は新たな買い取りを打ち切ることを検討する。

宇部興産 LIB向けセパレーターを17年に4割増産

<産業・社会の動き>

宇部興産 LIB向けセパレーターを17年に4割増産

宇部興産は9月15日、リチウムイオン二次電池(LIB)向けの主要4部材の一つであるセパレーター(絶縁材)の年産能力を2017年に現状比4割増の2億平方㍍に増やすと発表した。ハイブリッド車(HV)や電池自動車(EV)などに搭載する大容量LIBの需要増に対応する。
16年7月に宇部ケミカル工場(山口県宇部市)の既存設備を再構築して生産能力を増やし、17年6月に堺工場(大阪府堺市西区)で新規設備を設置する。20年をめどに生産能力を現状比倍増の3億平方㍍規模に段階的に増やす。

営農発電 首都圏で1年で6.5倍の78件に拡大

<産業・社会の動き>

営農発電 首都圏で1年で6.5倍の78件に拡大

農地の上に太陽光パネルを設置し発電する営農発電(ソーラーシェアリング)が首都圏でも広がり始めている。3月末の設置件数は1都3県で78件、1年前の12件から6.5倍と大幅に伸びた。農家に「売電による収入拡大が見込めるとのPR作戦が奏功し、参入する事業者が増えた。
一方で、太陽光発電施設の拡大に伴い、発電した電気の買い取り価格の下落リスクにも関心が集まっている。

東レ LG化学の工場買収 エコカー向け電池材料増産

<産業・社会の動き>

東レ LG化学の工場買収 エコカー向け電池材料増産

東レは2015年中に韓国LG化学からリチウム電池の主要材料であるセパレーター(絶縁材)の工場を買い取る。LGは完成品のリチウムイオン電池で高シェアを握る。ただ不安定なウォン相場など経営環境が変化する中、材料であるセパレーターでは日本メーカーからの購入を増やし、分業するのが高効率だと判断した。これを受け、東レはセパレーターの生産を増強し、世界シェア首位の旭化成を追う体制を整える。
東レはLG化学が持つ韓国中部の梧倉(オチャン)の工場設備を買い入れる。取得額は30億円とみられる。東レバッテリーセパレータフィルムの100%出資子会社を現地に設立する。東レは韓国中部の亀尾(グミ)と栃木県那須塩原市にセパレーターの工場を持っており、今回の買収で日韓3カ所の生産体制となる。
今回の買収とは別に100億円を投じ、韓国・亀尾の工場で設備の増強を進めており、2016年春にも稼働させる計画。セパレーターの生産能力は買収と亀尾への新規投資で現状の5割増となる。

近畿の基準地価 利便性で明暗 大阪商業地3年連続上昇

近畿の基準地価 利便性で明暗 大阪商業地3年連続上昇

近畿2府4県がまとめた9月16日まとめた基準地価調査(7月1日時点)によると、変動率は大阪・ミナミなど大阪圏の大都市中心部の商業地で大きく上昇する地点があった半面、郊外や過疎地域では下落幅が拡大する地点もみられ、二極化が進んだ。
大阪の基準地価は、商業地が前年比プラス2.5%で3年連続上昇した。大阪や京都、神戸の中心部で、鉄道駅に近いという「利便性」への評価が進み、地価の上昇率に大きく反映された。
大阪圏で地価が最も高かったのは、商業地のJR大阪駅北側の複合ビル群「グランフロント大阪」(大阪市北区大深町)で、1平方㍍当たり同15.8%高の1100万円と、2年連続で最高地点となった。
都道府県別でみると、大阪の商業地が上昇率3.6%で、全国で最も高い伸び率を示した。住宅地は大阪が2年連続で横ばいだった。

豊田通商 沖縄県名護市にクロマグロ養殖の新拠点

豊田通商 沖縄名護市にクロマグロ養殖の新拠点

豊田通商は9月15日、沖縄県名護市でクロマグロの稚魚を養殖業者に出荷できる大きさの幼魚にまで育てる中間養殖事業を始めると発表した。初出荷の2016年に1万尾、20年に5万~6万尾の出荷を目指す。
豊田通商は、完全養殖技術によって育てた「近大マグロ」で知られる近畿大学と提携し、マグロ養殖事業を強化している。今回の沖縄・名護市は長崎県五島市の拠点に次ぐ2カ所目。拠点設置で事業規模を拡大する。9月1日付で事業会社が所属する漁業協同組合が沖縄県から養殖のための漁業権を取得した。
初年度は長崎県五島市の拠点「ツナドリーム五島種苗センター」で育てた稚魚を沖縄県に移送し育成する。約半年かけて体長30㌢㍍、重さ約1㌔㌘の幼魚まで育て、養殖業者に出荷する。

サングリアを女性にアピール ビール大手各社

サングリアを女性にアピール ビール大手各社

大手ビールメーカーがワインに続き、サングリアの販売を強化している。メルシャンが白ワイン系の「ピーチ&マンゴー&オレンジ」を7月に追加販売したほか、サッポロビールも9月8日、ロゼワイン系商品「ロゼワイン&ピーチ」を投入。サントリーワインインターナショナルは主力商品の中身・パッケージをリニューアルした。アサヒビールも9月25日に白ワイン系商品を追加販売する予定。
サングリアはワインにフルーツやスパイス、砂糖などを漬け込んで甘口にしたスペインの飲み物。お酒の初心者にも飲みやすい甘口の味わいで、新規ユーザーの獲得が進んでいるという。

トモニHD・大正銀 経営統合で合意 初の広域地銀誕生

トモニHD・大正銀 経営統合で合意 初の広域地銀誕生

香川銀行と徳島銀行を傘下に持つトモニホールディングス(HD)と、三菱UFJフィナンシャル・グループ系列で大阪が地盤の大正銀行は9月15日、経営統合に合意したと発表した。トモニHDは三菱UFJフィナンシャル・グループが保有する約25%分の大正銀行株すべてをトモニHD株と交換する。
トモニHDは2016年4月に大正銀行を完全子会社に置き、四国と関西にまたがる初の広域地銀として成長を探る。

7~9月期景況感のプラス幅が縮小 大商・関経連調査

7~9月期景況感のプラス幅が縮小 大商・関経連調査

大阪商工会議所と関西経済連合会が9月15日発表した経営・経済動向調査によると、関西企業による7~9月期の国内景気の見方を示す景況判断指数はプラス10.0となった。プラス幅は前期(4~6月期)の21.0から低下、前回調査時の7~9月期予想値(25.4)も下回った。世界同時株安や中国経済の減速が大きく影響したとみられる。先行きの予想値は10~12月期が16.0、2016年1~3月期は13.1とそれぞれプラスを見込む。

三菱重工 ベトナム機械産業支える人材育成協力

三菱重工 ベトナム機械産業支える人材育成協力

三菱重工業は9月16日、ベトナムの教育訓練省(MOET)とベトナムの機械産業を支える人材の育成で協力していくことで合意し、覚書を締結したと発表した。首相官邸で、安倍晋三首相、訪日中のグエン・フー・チョン ベトナム共産党書記長の両首脳が見守る中、同社の大宮英明会長とグエン・グオック・クオン駐日ベトナム大使が覚書を交換した。
これにより、三菱重工業はMOETが推薦したベトナム人学生に対し、日本の大学への留学支援として奨学金を支給する。文系・理系の学生を対象都市としたもので、毎年5名、5年間で25名への支給を予定している。また、留学期間中はインターンシッププログラムを通じて、当社の先端技術を学習する機会を提供する。
同社はこれまでにもベトナムで、6年前からハノイ工科大学(HUST)で、5年前からベトナム電力大学(EPU)で原子力工学や航空工学の講座を設け、同国の将来を担う人材の育成に協力してきた。