月別アーカイブ: 2016年4月

東大寺・東塔跡で「七重塔」示す瓦が大量出土

東大寺・東塔跡で「七重塔」示す瓦が大量出土

東大寺、奈良文化財研究所、奈良県立橿原考古学研究所は4月22日、奈良時代に創建され、高さ70~100㍍の七重塔だったとされる東大寺(奈良市)東塔跡から、「七」の文字が刻まれた鎌倉時代の瓦がまとまって出土したと発表した。
「七」は七重塔を意味するといい、鎌倉時代の東塔再建に使われたとみられる。瓦は昨年度の調査で出土した鎌倉時代の基壇周辺から計30点以上出土。「七」が中央に入った直径15㌢の軒丸瓦と、左右反転した軒平瓦の2種類あった。過去にも同様の瓦は見つかっていたが、どの建物に使われたかは分かっておらず、今回基壇周辺でまとまって出土したことで東塔に使われたと分かった。
東大寺は創建当初、大仏殿を挟んで東西に塔が並んでいたが、東塔は平安時代、隆盛を誇った平家の”南都焼き討ち”で焼失。鎌倉時代に再建されたが落雷で再び焼失し、基壇だけが残っている。瓦などは4月29~5月13日、東大寺ミュージアム(奈良市)で公開される。

司馬さんの壮年期の作品世界を紹介 没後20年記念企画展

司馬さんの壮年期の作品世界を紹介 没後20年記念企画展

没後20年を迎えた作家、司馬遼太郎さんの壮年期の作品世界を紹介する企画展「司馬遼太郎の軌跡2『竜馬がゆく』~『坂の上の雲』『花神』」が4月19日から大阪府東大阪市下小阪の司馬遼太郎記念館で開かれている。
後にベストセラー作品となる数本の骨太の連載小説を同時に抱え、精力的な仕事ぶりがクローズアップされている。企画展では『竜馬がゆく』の連載を開始した昭和37年から『坂の上の雲』『花神』の連載が終わるころまでの約10年間に焦点を当てている。
この時期には既述の作品のほかに『新選組血風録』(37~38年)、『燃えよ剣』(37~39年)、『国盗り物語』(38~41年)など、複数の連載小説をほぼ同時平行で執筆。また、短編小説、エッセー、対談などもこなし、驚くべき仕事量だったことがうかがえる。

土方歳三の愛刀 4/29から京都・霊山歴史館で公開

土方歳三の愛刀 4/29から京都・霊山歴史館で公開

京都の霊山歴史館(京都市東山区)は4月21日、新選組の副長、土方歳三が愛用したとされる刀「大和守源秀國(やまとのかみみなもとのひでくに)」が、新たに収蔵品に加わったと発表した。29日から同館で一般公開する。
刀は1866(慶應2)年8月の制作。長さ約69㌢で「大和守源秀國 秋月種明懇望帯之」と銘打たれ、裏に「幕府侍土方義豊戦刀 慶應二年八月日 秋月君譲請高橋忠守帯之」と土方の名前が入っている。鞘(さや)にはきらめく螺鈿(らでん)が施されていた。
同館によると、刀は戊辰戦争で土方が宇都宮、会津などへ転戦する中、共に戦った会津藩士、秋月種明に贈られたもの。会津藩に従って入洛した刀工・秀國にオーダーメードした可能性が高いという。今回、同館が東京都の所有者から購入した。しゃれた細工ながら、実践を重んじた土方の性格を感じさせる刀だ。

東大阪市・布施の映画館で落語会月亭方正さんら高座へ

東大阪市・布施の映画館で落語会 月亭方正さんら高座へ

映画以外のイベントでも布施を盛り上げたいと、近鉄・布施駅近くの映画館「布施ラインシネマ」(東大阪市足代新町)で4月24日、落語会「方正・三幸・あおば三人会」が開かれる。同館で落語会を開くのは今回が初めて。
月亭八方さんに弟子入りし、改名して3年目を迎える月亭方正さん、桂三枝(現・六代目文枝)さんに弟子入りする前にM-1に出場したこともある桂三幸さん、桂ざこばさんの弟子、桂あおばさんの三人が出演する。午後6時30分開場、同7時開演。チケットは前売り2000円、当日2500円。

近代造船技術の礎「ヘダ号」再建プロジェクト立ち上げ

近代造船技術の礎「ヘダ号」再建プロジェクト立ち上げ

静岡県東部の経営者や学識経験者らが、江戸時代末期、駿河湾で沈没したロシア艦「ディアナ号」の代替船として現在の沼津市戸田(へだ)地区で建造され、ロシア人乗組員を母国に送り届けた「ヘダ号」を復元する「ヘダ号再建プロジェクト会」を立ち上げる。4月23日に同市内で発足式を開く。
海を生かしたまちづくりを推進する民間団体「セイルタウンNUMAZUクラブ」が同会の中核となる。日本の近代造船技術の礎であるヘダ号を再建することで、史実を伝える地域の象徴的存在とし、これをまちづくりに活用しようというもの。
復元する船は50人乗りを予定。構造は原型に倣うが、安全性を考慮して材料はFRP(繊維強化プラスチック)を用いる。エンジンを装備し、機動性を高める。

井山さん、囲碁で史上初 七冠の偉業達成

井山さん、囲碁で史上初 七冠の偉業達成

囲碁の七大タイトルのうち6つのタイトルを保持していた東大阪市出身の井山裕太六冠(26)が4月20日、東京で行われた対局に勝ち、「十段」のタイトルを獲得し、囲碁では史上初めてとなる七冠を達成した。
「十段」のタイトルを懸けた十段戦五番勝負の第4局が20日、東京・千代田区の日本棋院で行われ、井山さんはタイトル保持者の伊田篤史十段(22)に挑んだ。対局は午前10時から始まり一進一退の後、終盤、優位に展開を進めた井山さんが午後5時21分勝利を収めた。
この結果、井山さんが3勝1敗で十段のタイトルを獲得し、「棋聖」「名人」「本因坊」「天元」「王座」「碁聖」と合わせ、七大タイトルすべてを独占する前人未到の偉業を成し遂げた。

大阪府営住宅 熊本地震被災者に無償提供 大阪市も

大阪府営住宅 熊本地震被災者に無償提供 大阪市も

大阪府の松井知事は4月20日、地震で自宅が大きな被害を受けた熊本県などの被災者を対象にした府営住宅を無償で提供することを明らかにした。
府が提供するのは堺市や高槻市など13の市にある府営住宅。4月28日から90戸が入居可能で、府は最終的に300個を用意したいとしている。入居できる期間は原則1年いないで、延長も可能だという。府では20日から入居に関する相談を受け付けている。電話番号は06-6210-9779。
また、大阪市も市営住宅50戸を1年間無償で提供する。市の住宅部管理課で20日から申し込みを受け付けている。

大阪府・大阪市共同で新大学設置方針決まる

大阪府・大阪市共同で新大学設置方針決まる

大阪府立大学と市立大学の統合問題で、新大学は府と市で共同設置する方針が決まった。
4月19日開かれた副首都推進本部会議で大阪府の松井一郎知事は、財源の面からこれまで市立大学が主張してきた、府立大を吸収する形での単独設置に反対。市立大学側に共同設置を迫った。
これを受け、市立大の荒川哲男学長はこれまでの方針を一転、「設置団体は我々が決めることではないので、共同設置で結構」と応じ、共同設置することが決まった。この結果、6年後の新大学発足に向けてにわかに動き始めた。

地産地消の担い手求む! 大阪府が就農支援相談会

地産地消の担い手農家求む! 大阪府が就農支援相談会

大阪府内で就農を目指す人たちを支援する「大阪府就農ガイダンス・相談会」が4月16日、大阪市中央区のハローワークプラザ難波で開かれ、熱心な参加者たちが新人農家の体験談に耳を傾けたり、個別相談会で情報を集めて、就農実現のチャンスを探った。
地産地消志向や自然と親しむライフスタイルに関心が高まる中、都市近郊で農業を目指す人たちが増えている。
府環境農村水産部農政室推進課が主催。同課では原則毎週木曜日に就農相談に応じているが、仕事に就いている人も相談しやすいように、就農支援に直結する情報提供や、個別相談などを連動したセミナーを週末に開催することを決めた。
ガイダンスでは同課担当者が大阪農業の現状や就農の基本知識などを説明。大阪の農業産出額は近年、やや減少傾向にある半面、直売所の売上額が8年間で3.3倍に増加。府民が地元産の農産物を信頼して買い求める地産地消志向の高まりを物語っている。

大阪などで本を通じた交流「ブックフェスタ」開幕

大阪などで本を通じた交流「ブックフェスタ」開幕

カフェ、病院、寺などにメッセージを添えたお気に入りの本を持ち寄り、ホンの貸し借りを通じて交流を楽しむ私設図書館「まちライブラリー」のイベント「ブックフェスタ in 関西」が4月16日、大阪など近畿2府4県で始まった。
まちライブラリーと公共図書館、書店などが協力して展開する”本の祭典”で、5月15日までの会期中、大阪府内でも絵本の読み聞かせやワークショップなどが予定されている。
まちライブラリーは、大阪府立大客員研究員の礒井純充(いそい・よしみつ)氏らが提唱し、平成23年に大阪で始まった。本には寄贈者のメッセージカードが付けられ、読んだ人はカードに感想を書き込むのが特徴で、見知らぬ人同士が交流できるのが魅力だ。大阪市内では初日の16日に12のイベントが行われた。