食肉卸値が一段高 鍋物需要で鶏・豚、牛も
食肉の卸値が一段と上昇している。12月に入って寒さが増し、鍋物向けの引き合いが強まっているほか、年末商戦に向けて調達を増やす動きもある。今年は食肉全般が高く、小売店は利幅を削っての商戦になりそうだ。鍋物に使う鶏もも肉は12月に入って5%上昇している。気温が高かった11月は前年同期より安かったが、寒さの到来で徐々に上がってきた。クリスマスに向けて骨付きもも肉の在庫を積み増す業者もおり、さらに値上がりする可能性もある。
豚肉は春に発生した豚流行性下痢(PED)の影響が続いている。出荷時期の豚が例年より少ない。農林水産省の調べでは12月の屠畜頭数は前年比8%減る見込み。このため、卸値は前月比で1割、前年比では2割上昇している。
豚肉高値の余波を受けているのが鶏むね肉。あっさりとした味わいで例年、冬は需要が落ちるが、今年は前年比2割高い。生産者の廃業で飼育頭数が減り、高値が続いている和牛も小幅に上昇している。お歳暮など贈答用に使われる高価な「A5」等級の牛肉は、12月11日時点で前月比6%高い1㌔当たり2505円を付けている。