復活した「天満天神の名水」に光再び だし文化支える

復活した「天満天神の名水」に光再び だし文化支える

大阪天満宮(大阪市北区)の境内で、かつて名水といわれた地下水「天満天神の水」が2014年復活し、老舗のすし店などで使われ、大阪の「だし文化」を支えた名水が再び注目を集めている。
大阪天満宮によると、境内の井戸水は江戸時代から付近の造り酒屋などで使われていた。参勤交代で訪れた大名に供された記録もある。近年の都市開発の影響などで井戸水は枯渇したが、地元の天神橋筋商店連合会や関西大学(大阪府吹田市)の協力により、境内の別の場所で新たな井戸が掘られ14年7月、地下約70㍍から地下水のくみ上げに成功した。この復活した新しい「天満天神の水」、天満宮参拝者にも「まろやかな口当たりで、おいしい」と好評だ。
この復活した名水、伝統の大阪の味づくりに一役買っている。箱寿司をつくり続ける1841年(天保12年)創業の老舗、吉野寿司(大阪市中央区)は5月からこの水を料理に使い始めた。創業当時使っていたが、40年ほど前に地盤沈下などを考慮し利用をやめた同社。再び今、1日40㍑の水で昆布のだしを取り、すし飯を炊くなどしている。また、近くの老舗料亭などでも、この水が使われ始めている。