百舌鳥・古市古墳群 無念の落選、来年も再挑戦意向
大阪府の百舌鳥・古市古墳群(堺、羽曳野、藤井寺各市)は、2013年に続く再挑戦で期待が高まっていたが、7月28日の文化審議会で最終選考に漏れた。「世界遺産登録を応援する堺市民の会」がくす玉を用意。約50人が吉報を待ったが、落選の報にため息が漏れ、関係者は一様に落胆の色をにじませた。堺市民の会の前田寛司会長は「来年の候補入りを目指し、機運を盛り上げていきたい」とあいさつ。再挑戦を期した。
世界が食べ始め、広がる日本の抹茶市場
抹茶人気が高い。テーブルで手軽にできる抹茶教室や簡単に飲める商品が登場。抹茶菓子などをけん引役に市場が広がり、世界も注目する新たな日本ブランドに育ちつつある。
着物や正座が要らないテーブル抹茶教室が首都圏で根づき、日本茶専門店で抹茶類の販売が好調だ。手軽さは、高級でオシャレな抹茶を身近なものにし、需要を着実に増やしている。だが、需要の最大のけん引役は「食べる抹茶」だ。
宇治茶専門店「茶寮都路里」の大丸東京店では抹茶菓子の店頭販売が前年比2割増で推移している。日本茶レストランの「1899 お茶の水」は抹茶ビールに加え、抹茶のポテトサラダや抹茶を片栗粉に混ぜた揚げ出し豆腐のサラダを提供。ふりかけとして出すレストランも登場している。全国茶生産団体連合会によると、抹茶原料のてん茶の生産量は2014年に約1969㌧。10年前より36%増え、過去最高を更新した。茶葉全体が19%減ったのと対照的だ。
抹茶が日本に伝わったのは約800年前。禅僧の栄西が茶の粉末をお湯でかき混ぜる「抹茶法」を伝えたとされる。その後、抹茶は茶道文化の象徴として、長年格式の高いイメージが強かった。
それが20年ほど前、1996年、ハーゲンダッツが抹茶味のアイス、2001年にスターバックスコーヒーが抹茶とクリームの氷飲料をそれぞれ発売し、市場に抹茶の新しい楽しみ方を提起した形となった。
大阪の中小企業の4割「円高の方が痛手」シティ信金
大阪シティ信用金庫は7月27日、取引先中小企業に為替変動の影響を聞いた調査の結果を発表した。最近の円安傾向よりも、リーマン・ショック以降の「円高のほうが厳しかった」との回答が41.5%に上った。円安は原材料価格高騰といったマイナス面があるが、輸出増などの利点も大きい–と同信金では結論付けている。
「円安の方が厳しい」としたのは33.2%、「どちらも同様に厳しい」は25.3%だった。「円高が厳しかった」との回答を業種別にみると、建設業の53.2%、運輸業の48.5%、製造業の46.5%の順で多かった。調査は7月上旬、大阪府内の企業1442社を対象に実施、1410社から有効回答を得た。
ベンチャー企業のスマート農業支援機器開発相次ぐ
ベンチャー企業が農作業の効率化を支援するシステムを相次ぎ開発している。センサーを活用して自動で適量の水と肥料を与えたり、土壌の水分量を手軽に計測したりでき、作業を省力化しながら、収穫量を増やせるのが狙いだ。
ネットワーク監視機器を手掛けるルートレック・ネットワークス(神奈川県川崎市)はビニールハウスでのキュウリやトマトなどの栽培向けに「Zero agri(ゼロアグリ)」をつくり上げた。地面にはわせたチューブの穴から作物の根元に肥料を与える「養液土耕」で用いる。センサーで日照や土中の水分、肥料の濃度を測り、10分ごとに本体装置がクラウドシステムにデータを送信する。
sensprout(センスプラウト、東京都港区)は、川原圭博・東京大学准教授が開発した格安センサーを使い、土中の水分を図るシステムを年内に販売する。土壌に複合のセンサーを挿せば水の足りない区画が分かり、効率的な水やりができる。
これらの支援機器を、人手不足や高齢化に悩む中小農家らに導入を促す考えで、IT(情報技術)化が遅れた農業分野に広がれば、ピーク時の7割の8兆5000億円に減少した総産出額伸びることも期待できそうだ。