「産地の動向」カテゴリーアーカイブ

雪印メグミルク 北海道の酪農「TACSしべちゃ」支援

雪印メグミルク 北海道の酪農「TACSしべちゃ」支援

雪印メグミルクは子会社の雪印種苗(札幌市厚別区)を通じて北海道の酪農を支援する。雪印種苗と北海道標茶町、標茶町農業協同組合の3者が出資した農業法人「TACSしべちゃ」が同町に大規模モデル農場を2015年4月にオープンする。モデル農場の牧草地面積は約200㌶。乳牛の飼育頭数は約300頭と北海道の一般農場の3倍以上。出荷乳量は年間で約2400㌧を見込む。「TACSしべちゃ」は、農林水産省の「強い農業づくり交付金」の支援も受けている。資本金は9500万円で雪印種苗の出資比率は38.95%。

北越銀行が「6次産業化応援」農業ファンド

北越銀行が「6次産業化応援」農業ファンド

北越銀行が農業ファンド「ほくえつ6次産業化応援ファンド」を設立した。同行と北越リース、官民ファンドの農林漁業成長産業化支援機構が総額5億円を出資する。農産物の生産から化工、販売まで手掛ける6次産業化の取り組む事業者に出資する。農業法人の設立にかかる資金を提供したり、販路開拓などのビジネス提携を手助けしたりする。創業時の事業計画の策定支援なども実施する予定だ。

みなと銀行がファンド 農林漁業の有望事業を支援

みなと銀行がファンド  農林漁業の有望事業を支援

みなと銀行は個別の農林漁業者や関連する事業者への出資を想定した「みなとAファンドを設立した。ファンド総額は5億円。同銀が98%、ファンドを運営する子会社のみなとキャピタル(神戸市兵庫区)が2%出資した。運営期間は15年。同行では、従来のファンドでカバーできなかった幅広い事業者に出資し、兵庫県に農林漁業振興や経済活性化につなげたい-としている。

国家戦略特区 計画策定進む 新潟市「区域会議」決める

国家戦略特区 計画策定進む 新潟市「区域会議」決める

安倍政権の成長戦略の目玉である国家戦略特区の計画が固まってきた。政府は12月3日、新潟市で国家戦略特区の「区域会議」で計画を決めた。農業生産法人の設立要件を緩めて、役員に農業従事者が1人でもいれば設立できるようにし、ローソンなどが農産物を生産する。農業委員会の権限の一部を市に移し、企業の農業参入を容易にする。9日には東京圏でも「区域会議」を開き計画を決める。

3日に決めた新潟市の区域計画のテーマは大規模農業の推進だ。農家が農業関連ビジネスで中小企業向けの信用保証を利用して融資を受けられる仕組みも入れた。国家戦略特区は9月の時点で兵庫県養父市、福岡市、関西圏で区域計画の認定を終えており、あとは沖縄を残すのみとなった。

農研機構らが装置開発 水稲種子を過熱蒸気で消毒

農研機構らが装置開発  水稲種子を過熱蒸気で消毒

農研機構生研センターは山本製作所(山形県天童市)と共同で、過熱水蒸気を用いた水稲種子消毒装置を開発した。高温・高湿度の空気で連続的に水稲種子を処理する装置で、約5%の過熱と温湯消毒と同等以上の消毒効果を発揮するという。今後の実際の栽培規模で効果の検証を行い、実用化を目指す。12月17日に現地検討会も開催する予定。今回の装置導入で、種子消毒の作業体系の変化が期待できるとしている。

つくば市で12/10「ロボット農業シンポジウム」

つくば市で12/10「ロボット農業シンポジウム」

農業・食品産業技術総合研究機構は12月10日、午前10時から茨城県つくば市の農研機構中央農業総合研究センターで、「ロボット農業シンポジウム」を開催する。低コスト・省力化や軽労化を狙いに農研機構などが開発したロボットトラクター、ロボット田植機、ロボットコンバインについて開発者が概要を説明した後、午後2時20分から実演デモを行う。ロボットの安全性やロボット作業体系と経営で、担当者が講演する。

九条ねぎ、聖護院大根など京野菜の出来栄え競う

九条ねぎ、聖護院大根など京野菜の出来栄え競う

農家が野菜の出来栄えを競う農産物品評会が12月2日、京都市伏見区の京都中央農協淀支店で開かれた。会場では丹精込めて育てた30品種・205点が一堂に並んだ。京野菜を生産する農家の技術交流や、品質向上を目的に同農協などが開催。今年は地元の70農家が出品した。最優秀の府知事賞は、岡本和也さんの九条ねぎが受賞した。

農業に特化した気象予報システム開発 えひめ産振財団

農業に特化した気象予報システム開発 えひめ産振財団

えひめ産業振興財団、愛媛県内のIT企業・農家などで構成する「坂の上のクラウドコンソーシアム」は、農業向けに特化した気象予報システムを開発した。気象庁から配信される気象データを再計算し、1㌔㍍四方単位で最大72時間先までの降水量や気温、湿度といった情報を30分間隔で更新できる。事前に畑の位置情報を設定すれば標高や日当たりなど環境が異なるはたけごとの気象情報の取得が可能だという。

サクラみそ食品 麹事業立ち上げ 来春から栄養ドリンク

サクラみそ食品  麹事業立ち上げ 来春から栄養ドリンク

サクラみそ食品(福岡県久留米市)は、こうじ(麹)製品事業を立ち上げる。約2000万円を投じて、こうじを用いたスポーツ栄養ドリンクを開発した。2015年春に発売する。すでに発売中の「みそ麹」や「塩麴」と合わせて事業化し、主力のみそ事業、天ぷら事業に続く3本目の柱を築く。全体で5年後に売上高を現在の1.5倍に引き上げる。

養殖トラフグの消費拡大に向け知恵絞る産地関係者

養殖トラフグの消費拡大に向け知恵絞る産地関係者

養殖トラフグの出荷の伸び悩みによる卸値の低迷が続いているが、こうした状況を打開するため、山口県下関市などの生産地の関係者は、消費拡大に向け知恵を絞り出した。一つは本格的な輸出への取り組みであり、いま一つは需要期にとらわれない年間平準化への試みだ。

養殖トラフグの輸出はこれまでは米国向けの年間1㌧程度だったが、日本の水産物への関心が高まっている東南アジアで市場開拓することにした。10月から下関の仲卸がシンガポールへの本格的な輸出を始めた。また、マレーシアにも11月から輸出を始めている。下関にも多くの外国人観光客が訪れるようになり、こうした人たちへの需要も出てきている。

トラフグは出荷量の4分の1が12月に集中しているように、冬場に突出している。これを年間に平準化しようと、産地では夏場の売り込みにも力を入れているという。関西では、フグは年中食べられている。ただ、他はそうではない。そこで、フグをメインにする東京の外食店への売り込みに懸命だ。こうした努力もあって、東京の外食店「とらふぐ亭」を運営する東京一番フーズ(東京都新宿区)は5~11月に限定のふぐの食事プランを用意し、7~8月の売り上げが伸びているという。