首都圏走る日本の中古電車 鉄道網拡充で新たな広告媒体に
東急田園都市線、都営三田線、東京メトロ東西線などを走っていた日本の中古電車がインドネシアへ輸出され、いまジャカルタ首都圏の通勤者の足として活躍している。しかも車内の中吊り広告やドア横広告のスペースがそのまま再利用され、日系企業の広告も掲載されている。首都圏の鉄道網拡充に伴い、これまでインドネシアであまり活用されてこなかった電車が、新たな広告媒体として注目されている。じゃかるた新聞が報じた。
中吊りは1両に8カ所のスペースを設け、ドア横は16カ所、さらに天井パネル、つり革にも当然のことだが広告が貼られている。1車両を丸ごとラッピングした車体広告も登場している。
首都圏の路線を管理・運営するKAIコミューター・ジャボデタベック(KCJ)によると、首都圏沿線の1日の平均利用者は40万人で、2013年7月に実施した料金値下げで利用者が急増。19年までには1日120万人まで増加するとの
試算もある。こうした状況を反映、利用者増と相まって、広告掲載を希望する企業も増えているという。
KCJは09年から日本の中古車両の輸入を開始し、12年までに308両を購入。13年12月末までにJR東日本埼京線を走っていた205系車両など180両が到着、19年までに毎年160両を購入する計画がある。
「アジア-国際交流」カテゴリーアーカイブ
スマトラ沖地震・大津波の被害を伝える画像を保存
スマトラ沖地震・大津波の被害を伝える画像を保存
京都大学の山本博之准教授らは首都大学東京と共同で、2004年12月26日、インドネシアで発生したスマトラ沖地震による大津波の被害を伝える画像を長期保管する「デジタルアーカイブ」をつくり、ウェブサイト(http://ache.mapping.jp/)で公開した。インドネシア政府によると、23万人以上の死者・行方不明者が出た災害の恐ろしさを伝え、防災の備えを呼び掛けるのが狙い。
サイトでは、最大の被害に見舞われた、地震直後の05年1月から11年8月までのインドネシア・アチェ州の1000カ所以上の画像を公開。津波に襲われた街が復興に向かう様子を見ることができる。スマートフォンで使うアプリも今後提供するという。
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歴史文書の保存・修復へ日・イ連携で専門技術者育成
歴史文書の保存・修復へ日・イ連携で専門技術者育成
日本とインドネシアの学術専門家が連携し、大地震や津波などの災害で被災した歴史文書の保存・修復を進めている。この作業を担っているのは東京外国語大学アチェ文化財復興支援室。スマトラ沖地震・津波直後の2005年、アチェ州の歴史文書の被災状況を調査するため創設された。この間、文化庁の事業としてアチェ州で文書修復セミナーを開いたり、アチェ州から日本へ研修生を受け入れたりして、専門技術者を育成してきた。
業務はアチェ州や西スマトラ州などのスマトラ島から、ジャワ島、スラウェシ島など各地のモスクや家屋に眠る古文書・歴史文書の写本を探り出し、保有者の了解を得て修復作業に取り組む。これまでの作業では、インドネシアにおけるイスラム普及など歴史解明につながる文書も多く、文化財としての価値を周知しながら、専門技術者の育成に力を注いでいる。
研修では西スマトラ州の州都パダンの国立アンダラス大学と同州立公文書館の2人を日本へ招聘した。国立公文書館や元興寺文化財研究所、奈良文化財研究所、京大総合博物館などの機関が協力。のりの作り方や資料の乾燥方法、繕い方、裏打ちなど和紙を使った破損資料の補修技術を伝えた。また、研修生は宮城県石巻市を訪れ、東日本大震災の津波被害を受けた際、実際に行った、安価な材料で公文書に付着した泥と塩を除去する方法を学んだ。
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全国各地と日本の「ラグラグ会」が集まりコンサート
全国各地と日本の「ラグラグ会」が集まりコンサート
1977年結成の混声合唱団「ラグラグ会」は12月8日、南ジャカルタのヤマハミュージックセンターで「ラグラグパーティー2013」を開いた。ジャカルタ、地方、そして日本から集まった会員らが日頃の鍛練の成果を発表し合った。
コンサートは数多くの愛国歌を書いた代表的作曲家イスマイル・マルズキの「ハロハロバンドン」「リンドゥルキサン」からスタート。インドネシア在住歴40年を超える梅村正毅さんは「クリスチャが日曜礼拝で歌うので、自ずと歌が盛んになる」と余裕たっぷりに話す。鍋谷正宏さんは歌詞を覚えるのに苦闘。「最後まで覚えられなかった言葉があり、ひやひやしながら歌った」という。
OB会の東京ラグラグ会から訪れた服部洋之さんは、林延行さんとともに、ジャカルタ日本祭でも歌われた「ジャカルタ音頭」を披露。大阪ラグラグ会から下出澄夫さんも4年連続で参加。南スラウェシ州マカッサルからは、当サイト『Weekly Indonesia』に定期的に寄稿してもらう、マカッサルラグラグ会代表の竹内ロビーさんも駆け付けた。数年ぶりに顔を合わせるメンバーもいて、旧交を温め合った。
茨城県鉾田市が北スマトラ州北タパヌリ県で農業支援事業
茨城県鉾田市が北スマトラ州北タパヌリ県で農業支援事業
茨城県鉾田市の鬼沢保平市長は12月2日、インドネシア北スマトラ州北タパヌリ県の農業を支援する「官民連携による市場志向型農業支援プロジェクト」が、国際協力機構(JICA)の「草の根技術協力事業(地域経済活性化枠)」に採択されることが内定したことを明らかにした。日本国内手続きは完了、インドネシア側の承認が得られれば正式採択される。2014年1月にも支援を開始する。同市の棒業者の海外進出や農産物の輸出も視野に入れている。
事業費は6000万円以内で、政府開発援助(ODA)から拠出される。実施機関は16年まで。同事業では堆肥から栽培、生産管理、加工、流通、販売までの全工程で支援する。農業を同県の基幹産業として成長させ、雇用創出の機会の拡大を狙う。茨城大学農学部の研究者も協力する。加工品開発などで成果を上げている鉾田市産地ブランドアップ振興協議会が実施主体となり、同協議会の協力企業、事務局役を務める県中小企業振興公社も同市とともに事業に参加する。加工品開発が進んだ段階で、現地と東南アジア各国での展示即売会なども実施する計画だ。
ハラル・フード・プロジェクト始動 認証取得を支援
ハラル・フード・プロジェクト始動 認証取得を支援
経済産業省のクール・ジャパン戦略推進事業に採択された「ジャパン・ハラール・フード・プロジェクト」が12月4日、日本とジャカルタで始動した。インドネシア進出を検討する日本企業に、NPOの日本アジアハラール協会を通じて、インドネシアの公的認証期間であるイスラム指導者会議(MUI)の認証が取得できるようサポートする。また、現地消費者には日本の食文化に関する情報を発信する。
日本アジアハラール協会によると、同協会は設立から2年間で日本の食品メーカー11社に対してハラル認証を付与。同日、中央ジャカルタのホテルで開かれた会見では、同協会が認証を付与したコメやしょうゆなど食品・食材が紹介された。東京では食品・食材関連メーカーや外食チェーンなどを対象にしたインドネシア市場ハラルセミナーも開催され、定員の200人を上回る280人が出席した。
2014年3月4~5日にはインドネシアから有力バイヤー約20社を招へいし、現地での事業展開を検討する日本企業との商談会を実施する予定だ。現地の消費者向けには日本食のレシピや日本食レストランに関する情報をウェブサイト「クッキング・ジャパン」(www.indonesiacookingjapan.com)を通じて発信。14年2月にはジャカルタの小学校5校で親子が参加する日本食の料理教室を開く。
トヨタが政府と折半出資し南ジャカルタの交差点を改良
トヨタが政府と折半出資し南ジャカルタの交差点を改良
トヨタ自動車グループがトヨタ・アストラ財団を通じて実施した南ジャカルタ・マンパン交差点の改良計画の完成式が11月30日、同交差点で行われた。改良計画は日本政府の草の根・人間の安全保障無償資金協力で769万円を供与。官民連携の枠組みで、インドネシアのトヨタ・グループや部品供給企業23社がほぼ同額を拠出し、総予算約1500万円で約2カ月かけて完成した。高架道下の交差点で安全地帯、中央分離帯、Uターン地点などを設計し直し、左折車線の道路幅も2車線分を確保。交通標識、信号機を移設、舗装や標識設置なども行い、より効率的な運行を図った。
式典には在インドネシア日本大使館の牛尾滋公使、トヨタ・アストラ財団のジョニー・ダルマワン理事長(トヨタ・アストラ・モーター社長)、ジャカルタ特別州のスタント・スホド産業・運輸担当補佐官、トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・インドネシアの野波雅裕社長らが出席した。
首都ジャカルタ市内の交通渋滞は日に日に悪化し、今年は過去最多の120万台の新車販売が見込まれている好調な自動車業界への風当たりが強くなる中、こうした自動車メーカーの渋滞緩和および軽減に向けた取り組みが一層求められそうだ。