「アジア-国際交流」カテゴリーアーカイブ

100年迎えたジャカルタの日本人会 231人から8659人に

100年迎えたジャカルタの日本人会 231人から8659人に
 ジャカルタの日本人会は10月、設立から節目の100年を迎えた。1913年(大正2年)10月、日本人商店「トコジュパン」の店主、商社員らが中心になってバタビヤ日本人会が設立された。この時の会員数は231人。その後、拡大し続けた組織・会員数も、周知の太平洋戦争勃発で一度途絶える。こうした苦難、曲折を経て、現在のジャカルタの日本人会は8659人(2012年10月、在留届けベース)に達している。100年で40倍近くに増えたわけだ。
 ただ、日本とインドネシア(蘭領東インド時代~)の関わりはもっと遡る。初めての日本人会は1897年(明治30年)、北スマトラ州のメダンで産声を上げている。そして1905年設立のマルク州のドボ日本人会、1913年7月設立の西ジャワ州のバンドン日本人会、同10月のバタビヤ日本人会へと続いたのだ。

 

日イ初の合作ドラマ「愛してる」年末年始 両国で放映

日イ初の合作ドラマ「愛してる」年末年始 両国で放映
 インドネシア日本友好協会(PPIJ)は10月24日、日本・インドネシア国交樹立55周年を記念し、初の両国合作ドラマ「愛してる」を制作、年末年始にかけ両国で放映すると発表した。インドネシアのDNAプロダクションと日本のフジテレビが企画から撮影まで手掛ける。
 両国の人気俳優が出演し、1945年の終戦後、インドネシアに残留した祖父の足跡をたどりながら、両国の新世代同士が交流を深める友好ドラマになるとみられる。主演は南圭介さん、インドネシアの新進女優プリシア・ナスティオンさん。主人公は太平洋戦争当時、従軍記者として活動した後、インドネシアで行方不明となった祖父の足跡をたどるため、インドネシアへ取材にやってきたテレビ局記者の日本人。その主人公と、テレビ局の研修生で、日本語を学んでいるインドネシア人女子学生との交流をドラマの中心に据えている。すでにジャカルタや西ジャワ州ボゴールのプンチャックで撮影に入っているおり、11月初に東京と富士山で撮影が行われる予定。
 インドネシアでは民法コンパスTVで12月22日、日本ではフジテレビで2014年1月に放映する予定。 

12月の大会に先駆けインドネシアでコマ大戦・模擬大会

12月の大会に先駆けインドネシアでコマ大戦・模擬大会
 じゃかるた新聞によると、全日本製造業コマ大戦協会は12月21日ジャカルタで開催される、海外初となる日本・インドネシア企業による本大会に先駆け、10月23日インドネシアで「模擬大会」を開いた。これは、インドネシア金型工業会(IMDIA)が会員企業のインドネシア人技術者に、試行錯誤して良いものを作る姿勢を学んでほしいと協会に働きかけて実現した。コマ協会の緑川賢司会長がインドネシアを訪れ、東ジャカルタのダルマ・プルサダ大学の学生や会員企業から12人が参加して行われた。集まった約50人が見守る中、静かな”激戦”を制したのは、自動車部品インドカルロ・プルカサのリスキーさん。
 円錐形の台の上で直径2㌢以下の2つの回転するコマが対戦、当然先に止まった方が負け。コマは参加企業が自社の威信を懸けて製作したものだ。したがって、このコマ大会は自慢の自社技術をコマに盛り込み、アピールする”見本市”にもなっているというわけだ。この盤上の戦いでは、単に良いコマを作れば勝てるわけではない。投げ手の回す力はもちろん、相手コマとの重量関係によって回す方向を変えるなど駆け引きも重要なる。日本ではすでに2回、全国大会を開催。大手メディアがこぞって取り上げるほど盛り上がりをみせているという。

 

日本大使公邸で壮行会 プサントレン教師招へい事業

日本大使公邸で壮行会 プサントレン教師招へい事業
 在インドネシア日本大使館は10月19日、日本に派遣されるインドネシア人教師12人の壮行会を鹿取克章インドネシア日本大使公邸で開いた。これは、日本政府が毎年実施しているイスラム寄宿学校(プサントレン)の教師招へい事業。同視察団は20日に出発し来日、31日まで日本に滞在する。この間、ホームステイなども交えながら、日本の教育現場を視察し、日本人教師との意見交換会などが予定されている。

島根の神楽フェスに向け練習に熱こもるバリ舞踊家ら

島根の神楽フェスに向け練習に熱こもるバリ舞踊家ら
 島根県益田市の島根芸術文化センター主催で11月2~4日開催される「ワールド神楽フェスティバル」に出演する6人のインドネシア人と日本人のバリ舞踊家らが公演に向けて熱のこもった練習を重ねている。フェスティバルでは世界の神楽を紹介。日本、インドネシア・バリ、韓国、ブラジルから奉納の伝統芸能が披露される。
 バリからはインドネシア国立芸術大学の教授や、地元の舞踊家、芸術大に留学し舞踊を続ける日本人女性が参加する。演目は寺の一番奥で行う奉納の舞で、一般的に観光客が目にする機会がないものだという。例えば、初潮を迎える前の少女2人が、目をつぶり憑依(ひょうい)状態になって踊る演目だ。彼女たち自身が奉納物となる舞を、今回は芸術大のパルティニ教授らが踊る予定だ。

日イ共同でインドネシアの希少コーヒーの識別法発見

日イ共同でインドネシアの希少コーヒーの識別法発見
 日本とインドネシアの研究チームが10月7日までに、世界で最も高価なコーヒーの一つとされ、まがい物が横行しているインドネシア産の希商品「ルアック・コーヒー」について、成分分析によって「本物」と識別する方法を見つけ、米専門誌に発表した。チームによると、信頼性の高い識別法が考え出されたのは初めて。チームは国立インドネシア・コーヒーカカオ研究所が提供したコーヒー21種類のサンプルを分析。各サンプルを特殊な方法で気化させ、アミノ酸や糖などの含有率を調べ、ルアック・コーヒーに特徴的な成分比を発見した。
 ルアック・コーヒーは、インドネシアに生息しコーヒーの果実を食べるジャコウネコ(インドネシア語でルアック)の排せつ物から、消化されずに残ったコーヒーの種子(豆)を取り出し、洗浄、乾燥後に焙煎してつくる。インドネシア輸出業者団体によると、主にスマトラ島、ジャワ島、バリ島で生産される。年間生産量は推計20~30㌧と希少品のため、東京では1杯数千円で提供している店もあるという。だが、愛好家に人気があることから、まがい物も横行。ルアック・コーヒーに普通の安いコーヒー豆をブレンドなどし、本物と偽って販売する不正業者が後を絶たないといわれる。現在は熟練した検査員が味や香りを頼りに判別しているが、人手に限りがあり、信頼性のある科学的な識別法が待たれていた。

バタビア・アイヌの交流軸の新作取材で津島佑子さん初訪問

バタビア・アイヌの交流軸の新作取材で津島佑子さん初訪問
 作家の津島佑子さん(66)がこのほど、新作の取材で初めてインドネシアを訪れた。それは、17世紀、アジア広域で交易を展開したオランダの東インド会社の測量船が、バタビア(ジャカルタ)を出発し、日本の北方でアイヌ人と交流していた。そんな史実に基づく、日本の鎖国時代、バタビア、長崎、北方のアイヌの人々などを絡めた壮大なスケールで描く小説になるはずだ。そのため、小説の舞台となるオランダ植民地時代の面影が残る旧市街コタ周辺などを巡り、東インド会社の痕跡を丹念にたどった。
 オランダの東インド会社は1602年、バタビアで設立された世界初の株式会社とされる。植民地経営や外国との条約締結、自衛戦争遂行など準国家的な権限を持ち、バタビアを拠点に香料貿易を独占、コーヒーの強制栽培にも乗り出していた。
 小説の核に想定されているのは、江戸幕府の鎖国時代に日本の北方ルートを探索した東インド会社の測量隊だ。カストリカム号とプレスケンス号の2隻は1643年、バタビアを出発。国後島と択捉島の間の海峡を通り、サハリンまで行き、根室の海岸では2週間ほど停泊、船舶修理や食料補給などをした。人なつっこいアイヌの人々と鮭や木材などの物々交換も行われたという。
 津島さんは滞在中、インドネシア大学で開かれた講演会で震災以降、日本の作家が直面する困難な状況や早死にした文豪・太宰治に次女として母子家庭で育った女性の家族観などについて語った。

 

域内に活動拡大を 秋野政務官がスラバヤごみ処理施設視察

域内に活動拡大を 秋野政務官がスラバヤごみ処理施設視察
 環境省の秋野公造政務官は9月26日、日本の福岡県北九州市と東ジャワ州スラバヤ市の協力で建設された廃棄物の中間処理施設を視察した。ベトナム、マレーシアの高官も参加した。同施設は北九州市の西原商事がごみの分別工場と堆肥化処理施設を建設した。秋野政務官は、施設を拡大しスラバヤ市のごみ問題の解決に貢献することを目指し、ASEANの他の都市にもこのような取り組みを拡大していきたい-と話した。スラバヤ市のリスマ市長は、開かれた日・ASEAN閣僚級対話で同市の環境都市の取り組みを紹介したほか、10月下旬に北九州市で日本政府と経済協力開発機構(OECD)が開く国際会議に出席し、同市の活動を発表する。

2年目のインドネシア派遣開始 経産省のインターン制度

2年目のインドネシア派遣開始 経産省のインターン制度
 経済産業省の若手社会人・学生派遣事業「国際即戦力育成インターンシップ事業」で、2年目のインドネシア向け派遣が始まった。同事業は年々重要性が高まる人材のグローバル化を後押しする試みの一つ。インドネシアに派遣が決まったのは19人。9月27日には25日までに派遣された15人の懇親会が南じゃかるた・スミットマスの日本食料理店「バサラ」で開かれ、経産省の赤羽一嘉副大臣が訪れ激励した。
 今年度の事業は海外産業人材育成協会(HIDA)と日本貿易振興機構(ジェトロ)が実施。アジアを中心とする開発途上国へ20~35歳の学生や社会人を派遣し、インフラ輸出を支える人材の育成や両国の関係強化を図る。予算は昨年の2倍の7億5000万円まで拡大し、1人当たりの滞在費補助は月13万円。派遣者数も昨年の86人から今年は200人まで引き上げる計画だ。一次募集で104人が決定、現在二次募集している。

「日・イは運命共同体、友好を深めたい」次期駐日大使

「日・イは運命共同体、友好を深めたい」次期駐日大使
 次期駐日インドネシア大使に決まったユスロン・イフサ・マヘンドラ氏(55)はこのほど、今後の日本・インドネシアの関係について所信を披瀝した。じゃかるた新聞によると、同氏は日・イの政治や経済、社会など多岐にわたる分野について、流暢な日本語で説明。今後の両国関係について「日・イは運命共同体として互恵関係を構築し、さらに友好関係を深めていく必要がある」と強調した。
 同氏はインドネシア大学政治社会学部卒業後、1990年、筑波大に留学。同大で法学修士号、国際政治経済学博士号取得。日大国際関係学部講師、日刊紙コンパスの東京支局長を務めるなど計13年間にわたる日本滞在経験を持つ知日家。
2003年の帰国後、メガワティ政権で工業商業相補佐官。04年、月星党(PBB)から出馬し、国会議員に初当選。国会第1委員会副委員長として防衛を担当した。同氏は10~11月に着任の予定。