空き家の福祉施設転用 規制緩和で後押し 国交省
国土交通省は、全国で増え続ける空き家を福祉施設などニーズが高い施設として民間の事業者などが活用しやすくするため、建築基準法を改める方針を決めた。
耐火基準や用途変更の手続きの規制を緩和し、転用を後押しする。通常国会に改正法案を提出する。
全国で空き家は増え、2013年時点で約820万戸に上る。この20年で約1.8倍に増えている。近年も地方はもとより都市部でも増え続け、ごみの不法投棄や火災など防犯・防災面での悪影響が社会問題となっている。
東京都練馬区が高齢者対象の「在宅生活あんしん事業」
東京都練馬区は4月から、高齢者を対象に配食や緊急時の自宅への駆け付けなどのサービスを一括して提供する新事業「高齢者在宅生活あんしん事業」を始める。
単身や夫婦のみの高齢者1500世帯を、希望者から申し込みを受け付け、支援する。従来、これらは個別に実施していたが、今回サービスをまとめることで利用者の利便性を高める。配食は週3回で、この業務を受託した事業者が宅配の際、利用高齢者の異変を察知した場合には、緊急通報する。
また、練馬区は4月から、認知症患者を中心に高齢世帯への戸別訪問も始める。社会福祉士などの資格を持つ訪問支援員50人を確保している。
アルツハイマー病を発症前に血液検査で早期診断
国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)と島津製作所などの研究グループは、発症前の早い時期に、アルツハイマー病の原因物質とされる脳における「アミロイドベータ」の蓄積状況を、簡単な血液検査で診断する方法を開発したと発表した。この論文は2月1日付の英科学誌ネイチャー電子版に掲載された。
研究グループはアミロイドベータに関連し、脳から血液中にわずかに漏れ出した3種類の物質を調べ、異常な蓄積の有無を判断する方法を確立した。この方法で日本とオーストラリアの計232人を調べたところ、通常アミロイドベータの蓄積を検出する際、用いられる高額な装置、陽電子放射断層撮影(PET)の結果と9割が一致した。
同グループは、今回の検査方法で早期の患者を多く見つけ、臨床試験(治験)に参加してもらうことで、アルツハイマー病の治療薬の開発に貢献できるとしている。
生活保護受給者 原則ジェネリック使用を明記へ 厚労省
厚生労働省は生活保護受給者について、医師が問題ないと判断すれば、先発医薬品より安い後発医薬品(ジェネリック)を原則使用することを生活保護法に明記する方針を固めた。受給者の高齢化に伴い増え続ける医療費(医療扶助)の抑制が狙い。今国会に同法改正案を提出、2018年10月の施行を目指す。
現行法は受給者の後発薬使用を「可能な限り」としており、あくまでも努力義務の扱いとなっている。医療扶助は全額が公費負担。2015年度の場合生活保護費約3兆7000億円のうち、約1兆8000億円と最も多い。
後発薬の使用割合は2016年で69.3%だが、厚労省は2018年度中に80%以上にする目標を設定している。
高齢者の自立支援に力点 4月からの介護報酬決まる
4月からの介護サービスごとの具体的な内容と料金が1月26日、決まった。施設・在宅サービスともに大半の基本料は上がり、原則1~2割の利用者負担も増える。
今回の大きな特徴は、介護費の膨張を抑制するため、高齢者の自立支援を促す仕組みが随所に入り、取り組む事業者への報酬を手厚くしてことだ。「成功報酬」制度も新たに設けられた。
デイサービス(通所介護)では、身体機能の回復を目指す訓練に取り組み、6カ月間で改善した利用者が、悪化した利用者より多ければ、報酬を加算する。リハビリ目的ではなく、介護自体が目的のサービスで、回復実績に応じて支払われる「成功報酬」は初めてという。