「歴史くらぶ」カテゴリーアーカイブ

畑で偶然見つけた石は46億年前の「鉄隕石」と判明 岐阜市

畑で偶然見つけた石は46億年前の「鉄隕石」と判明 岐阜市

東京大学や国立極地研究所などの分析によると、岐阜市の住宅街の畑で70代の男性が偶然見つけた石が、およそ46億年前、太陽系が形づくられる過程でできたとされる「鉄隕石」と呼ばれる隕石だったことが分かった。
重さおよそ6.5㌔㌘のこの石は鉄分が93%を占める鉄隕石という隕石で、ニッケルの割合が比較的低い、日本で初めて確認されたタイプのものだという。
この隕石は発見場所の地名にちなみ「長良隕石」と名付けられ、正式に国際隕石学会に登録された。日本で隕石が発見されるのは15年ぶり。

奈良・斑鳩町の春日古墳内部に石室 素粒子で透視

奈良・斑鳩町の春日古墳内部に石室 素粒子で透視

奈良県立橿原考古学研究所などは2月27日、「ミューオン」と呼ばれる素粒子を使って内部を透視する最新の調査によって、奈良県斑鳩町の春日古墳の中心部に石室とみられる空洞があることが初めて確認できたと発表した。
データの解析から空洞の大きさは幅およそ1.8㍍、高さおよそ2㍍、長さおよそ6.1㍍ほどと推定され、要人を埋葬した石室とみられるという。
春日古墳は形状などから「古墳」とされてきたが、発掘調査が行われたことはなく、内部の構造については分かっていなかった。また同古墳は、豪華な副葬品が発掘され、大きな話題となった藤ノ木古墳の近くにあり、過去に盗掘に遭った形跡がみられないことから、埋葬された当時の状態が残されている可能性があるとして注目されている。

グアテマラ密林の下に古代マヤ文明の巨大都市の遺跡発見

グアテマラ密林の下に古代マヤ文明の巨大都市の遺跡発見

グアテマラ北部の密林で、古代マヤ文明の建造物6万個以上に上る巨大都市の遺構が見つかった。科学誌「ナショナル・ジオグラフィック」が報じた。これは調査チームが最先端の機材を使って遺跡探索に成功したもの。
使われたのは遺跡探索に大きな威力を発揮する革新的な技術、レーダーによる光学走査技術「LiDAR」。これにより、デジタルフォーマットの写真から森林群を取り除き、空からの撮影で鬱蒼とした密林下にある物体を検知することが可能になったという。その結果、同チームは実際には密林下にある宮殿、家屋、道路、テラス、さらには複雑な灌漑システムなどを含む巨大な古代都市遺跡を発見した。
今回の発見でマヤの人口は、これまで考えられていた500万人よりははるかに多い1000万~1500万人だったと想定されるという。

唐招提寺 奈良時代の瓦の窯跡と判明

唐招提寺 奈良時代の瓦の窯跡と判明

奈良県立橿原考古学研究所によると、奈良市の世界遺産、唐招提寺で50年以上前に発見された窯の跡を再調査した結果、奈良時代の終わりごろの瓦を焼くための窯と分かった。
窯は高さが1㍍以上、幅およそ2.2㍍、奥行きおよそ4.2㍍の「有畦式平窯」と呼ばれる瓦を焼くための窯であることが判明した。一緒に出土した瓦などから奈良時代末期から平安時代初めにかけて使われたことが分かった。
この窯で唐招提寺の主要な建物の瓦をつくっていた可能性があるという。

奈良・橿原市の綏靖天皇陵を研究者に初公開 宮内庁

奈良・橿原市の綏靖天皇陵を研究者に初公開 宮内庁

宮内庁は2月23日、「日本書紀」などに登場する第2代天皇の「綏靖(しぜい)天皇」が埋葬された陵墓として同庁が管理している奈良県橿原市の古墳を、研究者らに初めて公開した。
公開されたのは「四条塚古墳」で、直径約30㍍の円墳で、天皇や皇族を埋葬した陵墓は、一般の立ち入りが制限され、これまでは本格的な発掘調査などは行われていない。今回初めて日本考古学協会の会員など16人の研究者が、宮内庁の職員に案内されて敷地に入った。

難波-飛鳥を結ぶ「竹内街道・横大路」バスで巡る

難波-飛鳥を結ぶ「竹内街道・横大路」バスで巡る

文化庁の「日本遺産」に認定された大阪と奈良を結ぶ「竹内街道・横大路」に関係する自治体でつくる実行委員会は2月18日、街道沿いの大阪府羽曳野市と奈良県桜井市の間のおよそ30㌔㍍を循環するバスを運行した。各地のバス停の周囲では生鮮野菜市や体験教室など様々なイベントが開かれ、多くの人でにぎわった。1日限りのこの循環バスは、3月18日にも運行される予定。
竹内街道・横大路は、7世紀に古代の難波(なにわ)と飛鳥を東西に結んで整備された街道で、2017年4月、日本遺産に認定された。

岡山・西大寺で裸祭り 1万人の男たちが福求め争奪戦

岡山・西大寺で裸祭り 1万人の男たちが福求め争奪戦

岡山・西大寺の奇祭、裸祭りが2月17日あった。まわし姿の男たちが、福を呼ぶとされる「宝木(しんぎ)」を奪い合う裸祭り「西大寺会陽(さいだいじえよう)」は室町時代に始まったとされ、今年で509回目を数える。
午後10時、金陵山 西大寺(岡山市東区)境内の明かりが一斉に消されると漆黒の闇の中、住職が高さ約4㍍の本堂の御福窓(ごふくまど)から2本の宝木を投げ込む。すると、本堂にひしめく約1万人のまわし姿の男たちが、この争奪戦を繰り広げる。しばらくすると、裸の渦からは熱気で湯気が舞い上がり、荒い息遣いとともに汗のにおいが立ち込め、一瞬寒さを忘れるほど。
宝木を手に境内を出た男性が今年の「福男」になる。

山口・美祢市で植物食動物ディキノドン類の化石発見 国内初

山口・美祢市で植物食動物ディキノドン類の化石発見 国内初

山口県美祢(みね)市は、2010年に同市で発見された化石が、2億~3億年ほど前に世界各地で生息していた植物食動物ディキノドン類のものだったと発表した。国内では初めて。
調査にあたった愛媛大学によると、ディキノドン類は哺乳類の遠い親戚で、上あごから突出した2本の牙が特徴。中生代三畳紀後期(2億3700万年前~2億100万年前)にほぼ絶滅したと考えられている。化石は長さ約12㌢と約7㌢の上あごの一部で、牙と周囲の形態からディキノドン類と特定した。

平安京の公設市場に厨房?緑釉陶器の皿底に「厨」の文字

平安京の公設市場に厨房?緑釉陶器の皿底に「厨」の文字

龍谷大学大宮キャンパスの(京都市下京区)の発掘調査によると、緑釉陶器の皿底の一部に調理場を意味する「厨(くりや)」の文字が刻まれたものが見つかった。この結果、平安京の公設市場「東市」に役人の食事を担う厨房があったことが分かった。東市を管理した役所「市司(いちのつかさ)」の調理場に関する皿とみられ、施設の配置など不明な点が多い市場内を知るうえで貴重な発見という。
今回見つかったのは、京都市近郊産とみられる緑釉陶器の直径約10㌢の皿底で、とがった工具で「厨」と刻まれていた。9世紀後半の1.6㍍四方の方形木組み井戸跡から、瓦や土師(はじ)器と一緒に出土した。

戦艦「大和」と沈んだ駆逐艦「磯風」発見か 鹿児島県沖で

戦艦「大和」と沈んだ駆逐艦「磯風」発見か 鹿児島県沖で

広島県呉市とともに、戦艦「大和」について潜水調査を行った大阪市の海洋調査会社によると、2016年5月の調査で、太平洋戦争末期、鹿児島県沖で戦艦「大和」が沈んだ場所から北東に9.5㌔㍍、深さ450㍍の海底で、戦艦1隻が沈んでいるのが見つかった。
撮影された映像や戦闘の記録などから専門家は、これは旧日本海軍の駆逐艦「磯風」の可能性が高いとしている。映像には4つの砲身を持つ魚雷発射管のほか、爆発でめくれ上がった船尾や横倒しになった主砲も映し出されていて、当時の戦闘のすさまじさや激しさがうかがえる。
磯風は長崎県佐世保市の旧海軍工廠で建造され、昭和15年に就役した。全長はおよそ120㍍、基準排水量は2000㌧余。