「歴史くらぶ」カテゴリーアーカイブ

3万年前の航海再現 6月に台湾沖で30㌔テスト航行

3万年前の航海再現 6月に台湾沖で30㌔テスト航行

国立科学博物館と国立台湾史前文化博物館は5月24日、3万年以上前に人類が台湾から沖縄に渡った航海を再現する実験について、6月に台湾沖で約30㌔テスト航海を実施すると発表した。
2019年に台湾~沖縄県与那国島間、最短で約110㌔の航行を予定しており、今回は途中遭遇する黒潮による航行への影響を調べるため、あらかじめ短距離を航行することにした。
テスト航行には、竹を熱して緩いカーブをつけた小舟のようなかたちのいかだを使う。長さ約10㍍、幅1㍍ほどの大きさで5人が乗る。
再現実験は2区間に分けて進められており、2016年7月に沖縄県与那国島~西表島間約70㌔を航行している。

奈良・法輪寺で飛鳥時代の鉄製舎利孔蓋を確認

奈良・法輪寺で飛鳥時代の鉄製舎利孔蓋を確認

奈良県斑鳩町教育員会および奈良文化財研究所の調査によると、斑鳩町の法輪寺で仏舎利(ぶっしゃり=釈迦の遺骨)の壺を納めた穴の蓋「舎利孔鉄蓋(しゃりこうてつぶた)」が確認された。法輪寺が5月23日発表した。
鉄製で、飛鳥時代の7世紀後半のものとみられる。蓋は円盤状で直径約33㌢、厚さ0.5~1㍉、重さ712㌘。仏舎利の入った「銅壺(どうこ)」(国重要文化財、飛鳥時代)を納めるため三重塔の心柱の礎石に開けられた穴を塞ぐ蓋とみられる。もとは直径34㌢ほどで中央につまみがあったとみられるが、錆びて周辺部やつまみは失われていた。
解体修理中の1739(元文4)年に仏舎利などが見つかった時の記録「仏舎利縁起」(国重要文化財)には、仏舎利に関する9つの品の一つとして「金蓋(かなぶた)」が描かれており、大きさや形などの特徴が似ていることから同一品と判断した。
古代寺院での鉄製の舎利孔蓋が確認されたのは初めての事例という。法輪寺は聖徳太子の子、山背大兄皇子の創建と伝わる古刹。

京都・西本願寺 国宝「唐門」34年ぶり1日限りの公開

京都・西本願寺 国宝「唐門」34年ぶり1日限りの公開

世界遺産の京都・西本願寺(浄土真宗本願寺派本山)で5月21日、2018年6月から修復工事が行われるのを前に、宗祖・親鸞聖人の生誕日に合わせ、国宝「唐門(からもん)」が開けられ、1日限りで一般公開された。1983年以来34年ぶり。
唐門は豊臣秀吉治政下、桃山時代の建造物で、高さ約8.7㍍、幅約5.4㍍。唐獅子や虎、孔雀など豪華な彫刻が施されている。
法要参拝のため、唐門をくぐる僧侶らに続いて入る観光客らは、見事な彫刻に見入って、カメラを向け盛んにシャッターを切っていた。

国宝・松本城 耐震工事へ 市が19年度着工めざす

国宝・松本城 耐震工事へ 市が19年度着工めざす

長野県松本市は、国宝・松本城が震度6強から7の地震が起きた場合、天守の一部に倒壊の恐れがあることが分かり、耐震工事や避難誘導の計画を策定することになった。着工は2019年度内を目指し、工期は数年間にわたる見込み。
同市は文化庁の指針に基づいて耐震診断に乗り出し、同市から委託を受けた「文化財建造物保存技術協会」(東京)が実施した。
松本城は築城から400年以上経過しているとされる。16年度は約99万人が訪れ、有力観光スポットの一つとなっている。

古代中国貨幣「貨泉」3枚淡路島で出土 弥生期に伝来

古代中国貨幣「貨泉」3枚淡路島で出土 弥生期に伝来

兵庫県南あわじ市教育委員会は5月18日、紀元14~40年にかけ中国古代国家の「新」「後漢」で鋳造されたとされる貨幣「貨泉」3枚が、同市八木入田稲荷遺跡で見つかったと発表した。
貨泉は、今回を含め国内で179枚見つかっているが、今回のように複数枚が重なった状態で発見されるのは珍しいという。3枚は直径2.27~2.32㌢、重さは1.45~2.53㌘。重さから、後漢初頭に造られた可能性が高いと判断した。
同市教委は、古代中国の貨幣が伝わったのは弥生時代後期に淡路島が海上交易の要衝だったことを示す貴重な史料-と話している。

平城京跡で2棟の大型建物跡 貴族の邸宅か

平城京跡で2棟の大型建築物跡 貴族の邸宅か

奈良市教育委員会の発掘調査によると、奈良市の平城京跡で貴族の邸宅だったとみられる大型の建物跡が見つかった。
場所は平城京の中心地の東側にあたる、奈良市法蓮町のマンション建設予定地。塀に囲まれた全長18㍍と12㍍の、2棟の大型建物の柱の跡が見つかった。
2つの建物は南北に接するように建てられ、北側の建物は外側に庇(ひさし)が張り出していて、南側の建物と床が内部でつながり、一体として使われていたと考えられている。こうした建物の利用のしかたは位の高い貴族の邸宅などでみられるという。

国宝・重文いぜん164件所在不明、7件確認 文化庁

国宝・重文いぜん164件が所在不明、7件確認 文化庁

文化庁は5月17日、国宝や国の重要文化財(重文)指定の美術工芸品約1万件のうち、昨年度末時点でいぜんとして164件(うち国宝2件)が不明のままだと発表した。
一昨年度末時点で不明だった172件のうち7件の所在が確認できたほか、1件について「所在情報」が寄せられた。今回確認された7件は、金襴手花鳥文瓢形大瓶(きんらんてかちょうもんひょうけいたいへい)(東京都)、太刀「銘 景光(かげみつ)」(島根県)、蘆屋霰地真形釜(あしやあられじしんなりかま)(大阪府)、埴輪馬(東京都)などですべて重要文化財。現所有者が所有者変更の届け出などして分かったという。
文化庁は国宝、重文の所在不明のものが多数判明したため2014年以降、継続的に調査結果を発表している。

家光供養の不明の法華経2巻見つかる 徳川美術館

家光供養の不明の法華経2巻見つかる 徳川美術館

徳川美術館(名古屋市東区)は5月17日、三代将軍・徳川家光の17回忌のために作られた法華経33巻のうち、所在不明になっていた2巻が見つかったと発表した。
今回発見されたのは僧侶・俊海筆の「化城喩品(けじょうゆほん)」と、公家・園基福(そのもとよし)筆の「法師功徳本(くどくほん)」で、金を使った豪華な経典。経典は一巻ずつ、当時の一流文化人の手で書かれた。経文は紺色の紙に金泥で書かれ、見返し部分も金泥で釈迦と弟子たちが描かれている。巻物の軸に水晶を使い、先の部分を葵をかたどった金具で飾ってある。
これらは徳川美術館で開催中の特別展「金と銀の国 ジパング」で5月18~28日、一般公開される。

新緑の都大路で「京都・葵祭」華やかに平安絵巻

新緑の都大路で「京都・葵祭」華やかに平安絵巻

京都三大祭の一つ、「葵祭」が5月15日、行われた。雅な平安装束に身を包んだ、祭の主役・斎王代はじめ、およそ500人の行列が新緑の都大路を練り歩いた。沿道には警察発表でおよそ5万人の観光客らが見守り、ひととき華やかな”雅の世界”に浸っていた。
祭のスタートは上京区の京都御所で、下鴨神社を経由して、出発からおよそ5時間後に上賀茂神社に到着した。今年は斎王代を同志社大学2年、宮田紗代さん(19)が務めた。
葵祭はおよそ1400年前、欽明天皇が五穀豊穣を祈って馬を走らせたのが始まりとされている。

エジプト・地下墓地で初の民間人ミイラ17体見つかる

エジプト・地下墓地で初の民間人ミイラ17体見つかる

エジプト考古省によると、エジプト中部ミニア県の砂漠地帯で、地下墓地からミイラ17体が見つかった。これらのミイラは王家のものではないという。このほかに金板1枚、古代エジプトの民衆文字「デモティック」が書かれたパピルス2枚、石灰岩や粘土製の石棺が多数、動物や鳥のひつぎなども見つかっている。
ミイラの年代はまだ特定できていないが、考古省はアレクサンダー大王に征服される紀元前332年までのエジプト王朝末期の300年間に属するものとしている。
エジプト当局者らは同地で王家に属さない民間人のミイラが見つかったのは今回が初めてであり、発見は前代未聞だとしている。AFP時事が報じた。