京都の南座(所在地:京都市東山区)で行われる年末恒例の顔見世興行を前に12月1日、舞台に立つ歌舞伎俳優の名前を書いた大看板を掲げる、伝統の「まねき上げ」が行われた。計47枚のまねきが揃うと、南座の支配人が劇場に向かって塩を蒔き、興行の無事と成功を祈った。顔見世興行は12月5日から19日まで行われる。
例年まねき上げは日程を公表して行ってきたが、今年は新型コロナウイルスの感染防止のため、日程を公表せずに行った。
「歴史くらぶ」カテゴリーアーカイブ
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進む年末恒例の顔見世興行の「勘亭流」”まねき”書き
信長の安土城の天守復元プロジェクト 実物建築は困難と判断
滋賀県の三日月大造知事は11月2日、織田信長が築いた安土城(滋賀県近江八幡市安土町)の天守復元プロジェクトについて、「資料が十分でない」として、現状では構造や規模などを忠実に再現した実物の天守を城跡に建てるのは困難との見方を明らかにした。そのうえでデジタル技術の活用などで城を再現する案を軸に検討する考えを示した。年内に最終の復元方向を公表する方針。
同県は2026年の安土城築城450年に向け、2019年4月に「『幻の安土城』復元プロジェクト事業を立ち上げた。これに基づきこれまで天守の忠実な復元はじめ、コンピュータグラフィックス(CG)でつくる仮想現実(VR)や拡張する現実(AR)などデジタル技術で見せる案など計4案を検討していた。
奈良・飛鳥京跡苑池 庭園は日本風に変化?池の全容ほぼ判明
奈良県立橿原考古学研究所が行った明日香村にある国内最古の本格的な庭園跡「飛鳥京跡苑池」の発掘調査で、新たに石を階段状に積み上げて造った、中国などにはない形状の池の護岸などが見つかり、専門家は海外から伝わった庭園文化がどのように日本風に変化したかを考える貴重な資料だとしている。
明日香村の飛鳥京跡苑池は、1300年余り前の飛鳥時代に天皇の宮殿のそばに造られた国内最古の本格的な庭園の遺跡。調査の結果、最大50cmほどの石を7段から9段階段状に積み上げた護岸が新たにおよそ20m分見つかった。これまでに見つかったものを含めると、護岸は池の周囲およそ140mにわたり、池のほぼ全容が判明した。さらに池内側は中心に向かって緩やかに傾斜をつけるように土が盛られていることも分かった。
階段状の護岸は当時の中国・朝鮮の庭園の池にはほとんどなく、池の中心向かって傾斜をつける構造は、後の日本庭園にも通じるものがあるという。今回の発掘現場は10月31日午前10時から一般公開される。
国宝の絵図「六道絵」36年ぶりに15枚すべて公開 大津市
滋賀県大津市歴史博物館で、大津市の聖衆来迎寺と盛安寺が所蔵する絵図など、およそ100点を集めた企画展が開かれている。この中には国宝の絵図「六道絵(ろくどうえ)」が含まれ、36年ぶりに15枚すべてが公開されている。企画展は11月23日までだが、六道絵すべてが展示されているのは11月1日まで。
六道絵は、仏教で説かれる死後の世界を鎌倉時代に15枚にわたって描かれたもの。①閻魔大王から生前の行いの裁きを受ける場面が描かれている「閻魔庁図(えんまちょうず)」、②最も苦しい地獄での残酷な拷問を受け苦しむ人々の姿が生々しく描かれている「阿鼻地獄図(あびじごくず)」、③地獄で釜茹でにされる際、念仏を唱えると釜が割れ、救われる様子が描かれ、念仏の力が強調されている「優婆塞戒経説話図(うばそくかいきょうせつわず)」などがそれ。
初披露4件含む59件の宝物を出展 奈良「正倉院展」始まる
奈良国立博物館で10月24日から、正倉院の宝物を公開する秋の恒例行事「正倉院展」が始まった。11月9日まで。正倉院展は奈良時代の聖武天皇ゆかりの宝物を集めたものだが、今年は初出展の4件を含む59件の宝物が出展されている。
象の歯の化石「五色龍歯(ごしきりゅうし)」は、聖武天皇の妃、光明皇后が東大寺に納めたもので、当時は削って粉にしたものが鎮静作用のある漢方薬として用いられていた。また、羊毛でできた長さが2m余あるフェルトの敷物「花氈(かせん)」は、東大寺の法要で使用されたとみられ、草花の文様が円形にあしらわれている。
今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、当日券の販売はなく、日時が指定された前売券が必要だが、ほぼ完売しているという。