富岡鉄斎の奈良題材の水墨画など作品展
近代を代表する文人画家、富岡鉄斎が奈良を題材に描いた水墨画などおよそ50点を集めた展覧会が、奈良市大和文華館で開かれている。展覧会は4月7日まで。
会場には、春の吉野山を題材にした「華之世界図」や、たき火を囲んで月ヶ瀬の梅を楽しんでいる様子を描いた「名士観梅図」など、いずれも奈良にゆかりのある作品が展示されている。
鉄斎は明治から大正にかけて活躍した文人画家で、儒学や仏教に根差した作品を1万点以上残している。
東大寺二月堂”お水取り”で「籠松明」
奈良に春の訪れを告げる東大寺二月堂の伝統行事「修二会(しゅにえ)」(通称:お水取り)は3月12日夜、修行僧らの満願を迎え、「籠松明」と呼ばれる長さ8m・重さ60kgの大きな松明が焚かれ、夜空に火の粉が舞いあがった。
飛び散った火の粉を浴びると健康に過ごせるといわれ、集まった見物客らは二月堂の欄干から僧が、燃え盛る大きな籠松明を威勢よく振って降り注ぐ火の粉に大きな歓声をあげていた。
修二会は僧侶らが国の安泰などを願って修行する行事で、奈良時代から1200年以上続いている。3月1日から毎晩「お松明」が行われていて、12日夜は籠松明と呼ばれる大きな松明が焚かれる。
マンモスの細胞核移植で反応確認 近畿大G
近畿大学などの研究グループはこのほど、9年前ロシア・サハ共和国の永久凍土の中から見つかった、いわば氷漬けのマンモスの細胞核をマウスの卵子に移植したところ、細胞分裂に向けた反応が始まり、マンモスの遺伝子が活動する力を保っていることを世界で初めて確認できたと発表した。
この研究グループは、和歌山県にある近畿大学の生物理工学部や先端技術総合研究所、ロシアの科学アカデミーなどでつくるチーム。9年前、永久凍土の中からおよそ2万8,000年前の姿をほぼとどめた状態で見つかり、「YUKA(ゆか)」と名付けられた子どものマンモスを使って、比較的状態の良い細胞から、遺伝子が入った細胞核を取り出し、マウスの卵子およそ40個に移植した。
その結果、およそ半分でマンモスの遺伝子が働いて特殊なたんぱく質が蓄積したほか、5つの卵子では細胞分裂の直前にみられる「紡すい体」と呼ばれる構造も観察されたという。
マンモスは象の仲間で、ユーラシア大陸から北アメリカ大陸まで広く棲息していたが、およそ1万年前に絶滅したと考えられている。
奈良の唐古・鍵遺跡のARアプリ完成 弥生時代の姿再現
弥生時代の大規模な集落跡として知られる奈良県田原本町の唐古・鍵遺跡で、当時の姿をAR(Augumented Reality=拡張現実)の技術を活用して、スマートフォンなどで楽しめるアプリが完成。2月28日から無料でダウンロードし、ARを楽しめるようになった。
これは同遺跡を訪れ、このアプリをダウンロードしたタブレット端末やスマートフォンのカメラを、同公園にある大型建物の柱の跡に向けると、当時この遺跡にあった建造物や、巫女たちが舞いを披露する様子が、ARの技術を使って画面上に現れる。また、人の顔に向けると弥生時代の呪術師や、戦士の飾りが顔の周りに表示され、写真を撮ることもできるという。
このアプリは英語や中国語など5カ国語に対応しており、外国人旅行者も楽しめる。
定家、芭蕉、夢二など「うた」テーマに京都・嵐山で特別展
京都市右京区の嵯峨嵐山文華館で「うた」をテーマにした作品およそ60点を紹介する特別展が開かれている。この特別展は作品の一部を入れ替えながら5月12日まで開かれる。
展示されているのは、百人一首を選んだ歌人、藤原定家の書や松尾芭蕉の俳句、美人画で知られる竹久夢二、伊藤若冲らの絵画などが展示されている。いずれも平安貴族の社会はじめ、中世から近代にかけての作品群が「うた」との調和の中で紹介されている。
例えば、平安時代の歌人が夜明けの雪景色を詠んだ和歌を、定家が自ら筆で記した色紙は百人一首のもととなった現存する数少ない作品の一つという。また、竹久夢二の油絵「青春譜」は、悩める若い男女に差し伸べられた希望を表現したとされている作品だ。
「日本海溝」沿いで今後30年以内にM7級大地震90%以上
政府の地震調査委員会は2月26日、東北から関東にかけての太平洋側の「日本海溝」沿いで、今後30年以内に発生する地震の確率について、マグニチュード7.0~7.5の大地震が発生する確率は最大で90%程度以上あるとの評価を公表した。ただ、2011年にマグニチュード9を記録した東日本大震災クラスの巨大地震が発生する確率は「ほぼゼロ」とした。
発生する地震の確率を地域別にみると、青森県東方沖および岩手県沖北部で90%以上、宮城県沖で90%程度、茨城県沖で80%程度、福島県沖で50%程度などとなっている。
東北から関東の沖合には陸側のプレートの下に、海側のプレートが沈み込んでいる「日本海溝」があり、この周辺では2011年に発生した東日本大震災のように繰り返し地震が発生している。
菅原道真しのび京都・北野天満宮で「梅花祭」
京都市上京区の北野天満宮で2月25日、梅の花を好んだとされる菅原道真(845~903年、従二位・右大臣)をしのんで「梅花祭(ばいかさい)」が行われた。本殿では雅楽が大きく奏でられる中、神職が紅梅や白梅の枝を供えた。また、境内に設けられた茶席では野だてが行われ、色鮮やかで、華やかな着物に身を包んだ芸妓や舞妓がお茶を運んでもてなしていた。
藤原氏との対立・軋轢の果てに、九州・大宰府の地で非業の死を遂げた道真は、『東風(こち)吹かば匂いおこせよ梅の花 主(あるじ)なしとて春な忘れそ』の歌で知られる通り、とりわけ梅の花を愛したとされる。同天満宮には”学問の神様”道真が祀られており、毎年命日にあたる2月25日に梅花祭が行われている。
境内では50種類、およそ1500本の梅の花が”見ごろ”を迎えていて、訪れた人たちは咲き誇る梅の花を写真に収めたり、香りを楽しんでいた。同天満宮の梅の花は3月中頃まで楽しめるという。