「歴史くらぶ」カテゴリーアーカイブ

定家、芭蕉、夢二など「うた」テーマに京都・嵐山で特別展

定家、芭蕉、夢二など「うた」テーマに京都・嵐山で特別展

京都市右京区の嵯峨嵐山文華館で「うた」をテーマにした作品およそ60点を紹介する特別展が開かれている。この特別展は作品の一部を入れ替えながら5月12日まで開かれる。
展示されているのは、百人一首を選んだ歌人、藤原定家の書や松尾芭蕉の俳句、美人画で知られる竹久夢二、伊藤若冲らの絵画などが展示されている。いずれも平安貴族の社会はじめ、中世から近代にかけての作品群が「うた」との調和の中で紹介されている。
例えば、平安時代の歌人が夜明けの雪景色を詠んだ和歌を、定家が自ら筆で記した色紙は百人一首のもととなった現存する数少ない作品の一つという。また、竹久夢二の油絵「青春譜」は、悩める若い男女に差し伸べられた希望を表現したとされている作品だ。

「日本海溝」沿いで今後30年以内にM7級大地震90%以上

「日本海溝」沿いで今後30年以内にM7級大地震90%以上

政府の地震調査委員会は2月26日、東北から関東にかけての太平洋側の「日本海溝」沿いで、今後30年以内に発生する地震の確率について、マグニチュード7.0~7.5の大地震が発生する確率は最大で90%程度以上あるとの評価を公表した。ただ、2011年にマグニチュード9を記録した東日本大震災クラスの巨大地震が発生する確率は「ほぼゼロ」とした。
発生する地震の確率を地域別にみると、青森県東方沖および岩手県沖北部で90%以上、宮城県沖で90%程度、茨城県沖で80%程度、福島県沖で50%程度などとなっている。
東北から関東の沖合には陸側のプレートの下に、海側のプレートが沈み込んでいる「日本海溝」があり、この周辺では2011年に発生した東日本大震災のように繰り返し地震が発生している。

菅原道真しのび京都・北野天満宮で「梅花祭」

菅原道真しのび京都・北野天満宮で「梅花祭」

京都市上京区の北野天満宮で2月25日、梅の花を好んだとされる菅原道真(845~903年、従二位・右大臣)をしのんで「梅花祭(ばいかさい)」が行われた。本殿では雅楽が大きく奏でられる中、神職が紅梅や白梅の枝を供えた。また、境内に設けられた茶席では野だてが行われ、色鮮やかで、華やかな着物に身を包んだ芸妓や舞妓がお茶を運んでもてなしていた。
藤原氏との対立・軋轢の果てに、九州・大宰府の地で非業の死を遂げた道真は、『東風(こち)吹かば匂いおこせよ梅の花 主(あるじ)なしとて春な忘れそ』の歌で知られる通り、とりわけ梅の花を愛したとされる。同天満宮には”学問の神様”道真が祀られており、毎年命日にあたる2月25日に梅花祭が行われている。
境内では50種類、およそ1500本の梅の花が”見ごろ”を迎えていて、訪れた人たちは咲き誇る梅の花を写真に収めたり、香りを楽しんでいた。同天満宮の梅の花は3月中頃まで楽しめるという。

北斎・歌麿・師宣などの作品160点余を展示

北斎・歌麿・師宣などの作品160点余を展示

米国の収集家が集めた葛飾北斎、喜多川歌麿、菱川師宣ら江戸時代の人気浮世絵師たちの作品160点余をを集めた展示会が、2月23日から大阪・難波の高島屋大阪支店で始まった。3月11日まで。
北斎は代表作「富嶽三十六景」のうち、ダイナミックなビッグウエーブと海外からも高い評価を受けている「神奈川沖浪裏」を含め13点が展示されている。師宣は初期の浮世絵、衝立のかげで若い男女が見つめ合う場面を描いた作品「衝立のかげ」が展示されている。

「はやぶさ2」小惑星「リュウグウ」着陸の快挙! JAXA

「はやぶさ2」小惑星「リュウグウ」着陸の快挙! JAXA

JAXA(宇宙航空研究開発機構)は2月22日午前7時29分、日本の探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」への着陸に成功したと発表した。
JAXAは今後、目的とする岩石の採取などに関わる詳しいデータの分析を行うことにしている。
「はやぶさ2」は生命の起源の解明を目指して、およそ3億km離れた「リュウグウ」に向け4年余り前に打ち上げられた。今回はやぶさ2は21日午後1時すぎに高度2万mから降下を開始。高度500m付近で自動制御に切り替わり、小惑星の大きな岩がない、わずか直径6mのごく狭い場所への着陸に挑み、これに成功した。
着陸では探査機の下の長さおよそ1mの岩石採取装置の先端を地表につけて弾丸を発射し、砕けて舞い上がった岩石を採取することになっていた。この点もクリア、弾丸も発射できたという。
はやぶさ2はこの後、小惑星の上空2万mまで戻り、あと1度か2度行われる予定の着陸に備えることになっていて、地球に帰還するのは2020年12月の予定。

中国河南省で出土のつぼは最古の白磁か

中国河南省で出土のつぼは最古の白磁か

東京国立博物館の研究チームは、中国河南省で2009年、3世紀の遺跡から出土したつぼが、この時代には存在しないとされてきた「白磁」の特徴を持っていることが分かり、これまでの発見例を300年以上遡る最古の白磁だと発表した。
見つかったつぼは高さ13.4cm、口径8.7cmの大きさで、2018年12月、東京国立博物館の研究チームが現地で詳しく調べたところ、表面に透明な釉薬がかけられているうえ、それが高温で焼き上げられてガラス質に変化しているなど、白磁の特徴を備えていることが確認された。
中国政府の研究機関は、このつぼが出土した遺跡は「三国志」に登場する古代中国の英雄、曹操の墓だとしている。

判読難の井伊直弼直筆の和歌集を現代文字で出版

判読難の井伊直弼直筆の和歌集を現代文字で出版

滋賀県彦根市の歴史好きの主婦たちがこのほど、文字の判読が難しいため、これまでほとんど全容が知られていなかった幕末の彦根藩主・井伊直弼直筆の和歌集を現代の文字に置き換えて読みやすくした本を出版した。
今回出版されたのは、井伊直弼が自ら詠み直筆で書き残した1030首余りの和歌集「やなぎのしづく」。国の重要文化財に指定されている「彦根藩井伊家文書」の一つだが、癖のある独特の字体で書かれているため読み解くことが難しく、その全容を知る人はこれまで研究者でもほとんどいなかった。
この難解な和歌集を解読しようと取り組んだのが同市の主婦の歴史愛好家たちで、およそ20年かけて作業を続け出版にこぎつけたという。
和歌集には恋愛や四季折々を詠んだものなどが収められている。このうち「めくますて あるべきものが道のへに 出たつ民のまことこころを」という歌は、藩主として初めて彦根に入った直弼が、領民の出迎えを受けて感激した心境を表現している。
井伊直弼といえば、「安政の大獄」で幕閣の大老として辣腕を振るい、吉田松陰や橋本佐内らの英才をはじめ数多くの人を死に追い込んだ怖いイメージ。しかし、これとは一線を画す、一人の文化人、そして領民を思いやる藩主・直弼の姿が垣間見られる歌集といえそうだ。

山口・秋吉台で春告げる山焼き

山口・秋吉台で春告げる山焼き

日本を代表するカルスト台地として知られる山口県美祢市の秋吉台国定公園で2月17日、春の訪れを告げる恒例の山焼きが行われた。
地域の消防団やボランティアなど1000人余りが参加。午前9時半になるとガスバーナーで一斉に点火され、観光客らはススキ
やネグサなど枯れ草の草原が、瞬く間に炎に包まれる雄大な光景に歓声を上げ、カメラに収めたりして楽しんでいた。枯れ草で薄茶色だった草原は、約3時間ほどで黒く姿を変え、点在する白の石灰岩とのコントラストが際立った。
美祢市によると、山焼きの範囲は約1138㌶で国内最大級。山焼きは景観維持などを目的に、毎年この時期に実施されている。

世界農業遺産の候補地に琵琶湖など3地域申請へ

世界農業遺産の候補地に琵琶湖など3地域申請へ

農林水産省は、伝統的な農業や生態系の保護などに取り組む地域を認定する「世界農業遺産」の候補地として、滋賀県の琵琶湖など3つの地域を国際機関に申請することになった。
申請するのは①1000年続く伝統的な「漁」を行っている滋賀県琵琶湖地域②独自和牛の改良を行った「但馬牛」の飼育を続けてきた兵庫県兵庫美方地域③扇状地という地形を生かしてブドウやモモなどの栽培や加工を続けている山梨県峡東地域-の3つの地域。
これらの申請がが認められれば、日本では14地域が世界農業遺産となる。世界農業遺産はFAO(国連食糧農業機関)が認定していて、これまでに21カ国・57地域が選ばれている。

京都・城南宮で恒例の「七草粥」1年の無病息災願う

京都・城南宮で恒例の「七草粥」1年の無病息災願う

京都市伏見区の城南宮で2月11日、参拝した大勢の人たちに恒例の「七草粥」が振る舞われた。時折雪が舞う厳しい冷え込みの中だったが、訪れた家族連れなどが、細かく刻んだ七草と餅の入った熱々のおかゆを、湯気を立ち昇らせながら食べ、体を温めながら1年の無病息災を願っていた。
城南宮では毎年、旧暦の正月7日に近い休日の2月11日に、城南宮の庭園で育てている約80種類の野草などの中から、収穫したセリ、ナズナなど春の七草の入った七草粥を、参拝者に振る舞っている。