「歴史くらぶ」カテゴリーアーカイブ

明日香村「小山田古墳」は飛鳥時代最大の「方墳」

明日香村「小山田古墳」は飛鳥時代最大の「方墳

奈良県立橿原考古学研究所の発掘調査によると、奈良県明日香村の「小山田古墳」が飛鳥時代の「方墳」としては国内最大規模とみられることが分かった。
今回の調査で一辺の長さが大きいところでは幅が80㍍以上あることが確認された。これまで飛鳥時代の方墳では千葉県の「龍角寺岩屋古墳」が、幅およそ78㍍で国内最大規模とされていた。小山田古墳が上回る規模と分かったもの。
そこで、注目されるのがこの古墳の被葬者だ。古墳の規模からみて、当時の最高権力者や権勢を誇った人物として天智天皇や天武天皇の父親、舒明天皇、蘇我蝦夷などの名前が挙げられている。今後の研究が待たれる。

江戸時代の譲位と即位の屏風絵 京都で初公開

江戸時代の譲位と即位の屏風絵 京都で初公開

4月の天皇陛下の退位と5月の皇太子さまの即位を控え、356年前の江戸時代に行われた天皇の譲位と即位の儀式を描いた屏風絵が1月30日から初めて、京都市東山区の京都国立博物館で公開されている。
この屏風絵は、江戸時代の1663年に行われた後西天皇の譲位と霊元天皇の即位に伴う一連の儀式を描いたもの。屏風は2点で一組となっていて、いずれも高さおよそ1㍍、横およそ3㍍。一つは京都御所の紫宸殿で行われた即位式の様子が描かれている。数えで10歳の霊元天皇が高御座(たかみくら)に座る姿や、一般の人たちが見物する様子が描かれている。いま一つは後西天皇の譲位の儀式で、三種の神器のうち剣と勾玉の継承などが描かれている。同博物館の平成知新館で3月10日まで公開されている。

低予算で太陽系の小天体の観測に成功 世界初

低予算で太陽系の小天体の観測に成功 世界初

国立天文台、京都大学などのグループはこのほど、太陽系の最も外を回る惑星、海王星のさらに外側に存在すると考えられている、直径が20kmより小さい無数の小天体の一つを観測することに成功したと発表した。
同グループは今回、観測装置の開発費がおよそ350万円という低予算で、独自に改良した小型の望遠鏡を使って直径2.6kmの小天体一つを見つけることに成功した。およそ2,000の恒星を60時間かけて動画で撮影し、遠くにある光を放つ恒星の前を小天体が横切る際の光の強弱を捉えることで観測したもの。通常、直径が20kmを下回る天体は小さくて暗いため、観測が難しく実態がよく分かっていない。
小天体は惑星がつくられる材料と考えられ、これらが衝突と合体を繰り返して地球などの惑星ができ、太陽系を形づくった。このため今回の快挙は、その成り立ちの解明につながる成果として注目されている。
国立天文台によると、海王星より外側にあるこの大きさの小天体を実際に確認したのは世界で初めてという。

ユダヤ人に「命のビザ」発給の杉原千畝称える式典

ユダヤ人に「命のビザ」発給の杉原千畝称える式典

国連が定める「国際ホロコースト・デー」の1月27日、エルサレムで複数のユダヤ人団体が、第二次世界大戦中、ナチス・ドイツの迫害から逃れるユダヤ人に人道的な立場からビザを発給し、およそ6,000人の命を救った日本の外交官、杉原千畝を称える式典を開いた。
主催した団体は杉原の功績を紹介し、人道的な立場から本国の指示に背いて、日本の通過ビザを発給し「私たちを助けてくれた、杉原の勇気ある行動を決して忘れない」と称えた。
そして石に「杉原千畝」の名を刻み込んだパネルが、ホロコースト犠牲者を追悼する施設の外壁に設置された。

「大坂幕府構想」記した書状 大阪城天守閣で初公開

「大坂幕府構想」記した書状 大阪城天守閣で初公開

江戸時代の初期、小堀遠州が義理の父親で二代将軍・徳川秀忠の側近、藤堂高虎に宛てた、大坂を徳川幕府お本拠地とする「大坂幕府構想」が検討されていた可能性を示す書状が、1月26日から大阪市中央区の大阪城天守閣で公開されている。公開は3月19日まで。
小堀遠州は、徳川氏が大坂夏の陣(1615年)で豊臣氏を滅亡に追い込んだ後、焼失した大坂城の建て直しを担当していた。

若草山の山焼き 古都の夜空朱色に染める

若草山の山焼き 古都の夜空朱色に染める

古都・奈良の冬の伝統行事、若草山の山焼きが1月26日夜、行われた。午後6時すぎから大勢の観光客らがふもとで見守る中、約700発お花火が打ち上げられた後、ほら貝とラッパの合図で、聖火が灯るたいまつを手にした地元の消防団員ら約300人が山の斜面に、一斉に火を放った。火は瞬く間に燃え広がり、次第に大きな炎となって古都の夜空を朱色い染めていった。

奈良・富雄丸山古墳の「国内最大円墳」を再確認

奈良・富雄丸山古墳の「国内最大円墳」を再確認

奈良市教育委員会は、富雄丸山古墳を発掘調査した結果、直径が109㍍だったことが分かったと発表した。これにより、これまで国内最大といわれた埼玉県の丸墓山古墳の105㍍を上回る国内最大の「円墳」であることを再確認した。
奈良市の富雄丸山古墳は4世紀後半に造られた円墳で、2017年行われた上空からのレーザー測量で直径が110㍍前後と分かり、国内最大規模の円墳として注目された。
今回古墳の正確な大きさを調べるため、発掘調査が進められていた。古墳は3段構造になっていて、平坦な部分の幅は1段目が7.2㍍、2段目が8.8㍍で、他の円墳に比べてかなり広いことが分かった。

北斎479作品集め「新・北斎展 HOKUSAI UPDATED」

北斎479作品集め「新・北斎展 HOKUSAI UPDATED」

世界的にも名高い葛飾北斎の、国内外の名品、近年発見された作品、初公開作品など479作品を集めた「新・北斎展 HOKUSAI UPDATED」が1月17日、東京・六本木ヒルズ森タワー(52階、森アーツセンターギャラリー)でスタートした。3月24日まで。1月29日、2月19日、同20日、3月5日は休館。
今回展では、20歳から90歳ごろまでの長きにわたる北斎の絵師人生を、作風の変遷と主に用いた画号によって6期に分けて紹介している。①勝川派の絵師として活動した春朗期(20~35歳ごろ)②勝川派を離れて肉筆画や狂歌絵本の挿絵といった新たな分野に意欲的に取り組んだ宗理期(36~45歳ごろ)③読本の挿絵い傾注した葛飾北斎期(46~50歳ごろ)④多彩な絵手本を手掛けた戴斗期(51~60歳ごろ)⑤錦絵の揃物を多く制作した為一期(61~74歳ごろ)⑥自由な発想と表現による肉筆画に専念した画狂老人卍期(75~90歳ごろ)の6期で、その壮大な画業を通覧できる。
北斎の時期別の主要作品を網羅、紹介するとともに、新たな北斎に出会える機会ともいえるのではないか。

 

「はやぶさ2」2月後半に小惑星「リュウグウ」着陸へ

「はやぶさ2」2月後半に小惑星「リュウグウ」着陸へ

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月8日、小惑星「リュウグウ」の上空で、着陸に向けた準備を進めている日本の探査機「はやぶさ2」が、2月後半に初めての着陸を試みる予定だと発表した。
はやぶさ2は2018年6月、地球からおよそ3億km離れたリュウグウの上空に到着。当初同年10月の着陸を予定していたが、リュウグウの表面が予想以上に岩に覆われていることが分かり、着陸時期を延期して着陸適地の場所の選定などを進めていた。

夏目漱石の旧制第一高等中学時の成績記した手帳見つかる

夏目漱石の旧制第一高等中学時の成績記した手帳見つかる

福井県越前市で、文豪・夏目漱石の旧制第一高等中学校時代の成績を記した手帳が見つかった。これは漱石が通っていた東京の旧制第一高等中学校で教鞭を執っていた、現在の福井県越前市出身の哲学者、松本源太郎が書き記したもの。
この手帳は2018年11月、松本のひ孫が越前市の図書館に寄託した資料の中から見つかったという。専門家は、漱石の学業に関する資料が発見されるのは珍しく、貴重な資料だとしている。
手帳には松本が教えていた「論理学」の成績が生徒ごとに記録されていて、漱石の本名「夏目金之助」の欄には1学期が80点、2学期が90点と書き記されている。別のページには漱石と同級生だった俳人・正岡子規の成績も記され、1学期が74点、2学期が82点となっている。
このほか、手帳には明治21年から22年にかけて在籍していた30人余りの生徒の成績が記され、漱石の成績は1学期と2学期を合わせるとトップだったという。