カツオ卸価格2割安の1㌔700円 北陸産の入荷増加で
「戻りガツオ」のシーズンを迎えたカツオの卸価格が安い。東京・築地市場では1㌔700円程度が中心。前年同時期に比べ2割安い水準だ。水揚げが多い北陸産の入荷が増えているためだ。
今季は例年よりシーズンの到来が若干早い。現在の主産地は宮城県や岩手県の三陸沖。カツオは春から夏にかけ太平洋を北上し、秋から南下する。春の「初ガツオ」に比べ脂が乗る。
都内のスーパーの価格は現時点で例年と同水準の100㌘400円前後。
うなぎかば焼き風焼きかまぼこ増産 練り製品のスギヨ
練り製品のスギヨ(石川県七尾市)は、うなぎのかば焼き風かまぼこの生産・販売事業を拡大する。近く専用設備をグループ会社が導入して生産量を増やし、販売をスーパーなど全国の小売店に広げる。
かば焼きにするうなぎの品薄感が続く中、代替品として気軽に食べられる点を売りに拡販する。焼きかまぼこの「うなぎちゃん」を本格販売する。2013年から計約20万枚、試験的に販売してきた実績がある。
グループ会社がかまぼこを焼く機械を今秋にも導入し、外部に委託していた工程を内製化。2016年6月期中にタレをつける設備などを導入し、生産量を年間約100万枚にまで徐々に引き上げる予定だ。希望小売価格は1枚当たり400円(税抜き)とする。
サンマの資源保護で合意 17年中に漁獲量を算定
北太平洋の漁業資源保護を議論する「北太平洋漁業委員会」は9月3日に東京都内で初会合を開き、サンマの資源保護で合意した。資源量を維持できる漁獲量を2017年中に算定する。水産庁が会合終了後、明らかにした。北太平洋のサンマ資源量が国際的に算定されるのは初めて。
サンマは太平洋全域に広く分布しているが、中国や台湾などの漁獲量が増えて減少傾向にある。日本は1997年から独自に総漁獲量を制限してきたが、資源を枯渇させないため国際的なルール作りを目指す。
この日の会合には日本、カナダ、ロシア、中国、韓国、台湾の6カ国・地域が出席し、米国もオブザーバーとして参加した。
農業ビニールハウスを「植物工場」に 費用は1/4 東大
東京大学の河鰭(かわばた)実之教授らは、農業ビニールハウス内に人工の光で野菜を生産する植物工場と同じ環境を、簡単に作れる手法を開発した。ビニールハウス内を産業用の遮熱シートで密閉し、明るさや温度・湿度などを管理する。一般的な植物工場に比べ同じ規模で建設費を最大で4分の1に抑えられるという。天候不順に強く、安定して野菜を生産できる。ビニールハウスと植物工場の利点を併せ持つシステムとして、今後普及を目指す。
新手法は、植物工場の技術開発ベンチャーのプランツラボラトリー(東京都港区)と組み、技術を確立した。ビニールハウスの内部に太陽光や外気の侵入を防ぐアルミ製の遮熱シートで囲った空間を設けた。遮熱シートは植物工場で使われている断熱材よりも性能が高いという。遮熱シートの厚みは0.2㍉で工場の屋根などに使われる産業向けを活用した。