JR東海は、リニア中央新幹線の東京・品川ー名古屋間の工事費が、当初計画の約5.5兆円から倍増の11兆円に膨らむとの見通しを発表した。資材費の高騰や難工事への対応で費用がかさむ。すでに2021年に約7兆円へと修正しており、今回が2回目の見直しだ。
JR東海の丹羽俊介社長は、工事費の増加分は借り入れなどで対応するというが、運賃を引き上げる可能性にも言及している。同社長は、4年前にはまだ工事の難易度が見通しきれていなかったと説明するが、事業内容の精査に甘さはなかったのか?この種の工事は不確実な要素が多い。だが、コスト増が発生するたび、そのまま運賃に転嫁では利用者の理解は得られまい。
リニア中央新幹線は東京ー名古屋ー大阪の3大都市圏を結ぶ国の新たな大動脈として期待は大きいものの、開業時期は一向に見えてこない。品川ー名古屋間の2027年開業を目指して工事が始まったのは2014年末で、すでに10年余り経過している。
静岡県内を流れる大井川の水量が減少することへの懸念から、川勝平太前知事は計画に反対を続けた。このため、JR東海は2024年3月、2027年開業を断念した。知事は2024年5月に鈴木康友氏に代わったが、自然環境を巡る議論は続いている。そのため、工事開始に向けた認可は下りていない。
今回の工費は開業時期を2035年に仮置きして試算したものという。工期が延びれば費用は更に膨らむだろう。この難題をどう打開するのか?
リニアは次世代の輸送手段として期待は大きい。超電導の技術を用いて東京ー大阪間の438kmをわずか1時間強で結ぶ計画だ。名古屋までの所要時間は最速40分となる。経済効果は年6.5兆円が見込まれており、恩恵は大きい。
「ズームアップ」カテゴリーアーカイブ
戦後のコメ農政転換 消費者目線で期待の増産路線はどこへ
万博パビリオンの工事費未払い十数億円, 影響広がる
表面上は大盛況に終わった大阪・関西万博だが、忘れてはならない問題点の一つが工事代金の「未払い問題」だ。交渉が一向に進まず、なお解決していない。
日本国際博覧会協会(万博協会)によると、9月までに11カ国のパビリオンの下請け業者から未払いの相談があった。大半は元請けが外資系企業で、元請けと下請け、下請け同士でトラブルが起きている。未払いを訴える下請け業者らでつくる「被害者の会」の集計では、今回の工事代金の未払いにより、支払いに影響が出ている業者は30社以上あり、幅広く影響が広がっている。未払い総額は十数億円に上り、全面解決のめどは全く立っていない。
万博協会は、何とか第三者機関をつくって解決のため仲介の労を取ることはできないものか?該当するこれらの業者は、限られた時間の中で、日本では当分日本では行われないだろう万博のために、それこそ不眠不休で開幕に間に合わせた”影の功労者”だ。そんな人たちが、結果的に大きな被害を被り、いまだに出口が見えないトラブルの中に置かれている。
副大臣・政務官に”裏金議員”7人起用, 処理済み印象付け
政府は10月22日の臨時閣議で、副大臣・政務官計54人の人事を発表した。このうち、自民党派閥裏金事件を巡り、政治資金収支報告書に不記載があった関係議員7人が含まれていた。7人はいずれも旧安倍派で、副大臣4人、政務官3人だ。
高市首相は裏金事件関係議員の入閣は見送ったものの、党役員人事での萩生田光一氏の幹事長代行への起用を皮切りに、閣僚以外の政府人事では、大胆に起用に踏み切った。
日本の憲政史上初、女性の高市内閣誕生の”祝賀ムード”の中で、裏金議員の復活を強行し、自民党として”処理済み”を印象付け、併せて高市氏の総裁選への推薦人となり、運動を支えてくれた議員への”論功行賞”で応えたわけだ。
木原官房長官は「全員参加、全世代総力結集という考え方のもとで、適材適所の人事」と説明しているが、果たしてそれで全面的に納得できるのか?といえば、やはり違う。これだけでは、自民党を離れた、あるいは自民党のこれまでのやり方に”見切りを付けた”有権者の多くは戻っては来ない。
人命軽視のクマ対策, 人身被害防止へ徹底した駆除を!
全国各地で連日、クマによる人身被害が相次いでいる。ほとんど目に見える形での対策が講じられているとは、とても思われない。クマ出没地域に居住する人々の恐怖はどれほどのものかと心が痛む。ところが、今のクマ対策は人命軽視も甚だしい。あえて言えば街中や人家に現れたクマには、厳正かつ徹底した駆除対策が求められる。
動物の生態に詳しい獣医学部関係者によると、本来クマは人を恐れて威嚇のため行動するといわれた。したがって、街中に現れたクマにも共生を大前提に、自然に・山に返す対応が求められた。
だが、昨今の報道を見る限りクマと人の関係・距離感は全く異なっていると言えよう。クマは人を恐れてはいない。そんなことを考えていたら、命がいくつあっても足りない状況だ。本来、クマが現れるはずがないと思っている場所で、不意に後ろから襲われ、逃げても逃げても襲ってくるクマへの恐怖は計り知れない。すべての人が自分の身に置き換えて考えてみれば理解できるはずだ。
今年は特にクマなどのエサとなるブナやナラなど木の実が多くの地域で凶作・大凶作といわれ、きのこや山菜採りに山や林の中に入った人を襲い、飢えたクマが山から下りてきて街中に現れ、人家、そして家の中まで入ってきて人を襲う事態となっている。すでにかつてない数多くの犠牲者が出ている。詳細が報道されることは少ないが、クマに襲われた人の遺体は食い散らかされ、頭部と胴体が分かれたものや人体の一部しか残っていないケースもあるという。行方不明の人はすべてクマに食べ尽くされたのかもしれない。
こんな悲惨な状況にあるのに、クマ対策はどうだろう。緊急銃猟制度の導入により、ようやく警察の許可を待たずに、認可を得たクマハンターは独自の判断で銃撃できるようになったが、街中では撃ち損じて外れた場合を考慮すると、周囲の環境次第で即、銃撃というわけにはいかないという。そこで、50〜100m離れた場所での監視、待機ということになるらしい。もっと積極的な駆除やり方はないのか?
その前にハンター自体が大幅に減少。かつての29万人余から、現在9万人余に減っている。ここでも人手不足で相次ぐクマ出没に、後手後手のまま対応に追われているのが実態だ。その結果、全国各地のツキノワグマ、ヒグマの棲む場所の隣接地に居住する人々は、今日も不意のクマとの遭遇に怯えている。
立憲民主党の限界 今こそ堂々と党を割るべき時!
自公の少数与党政権が、「政治とカネ」の問題への対応を巡り、公明党が企業・団体献金の規制強化を求めたのに対し、自民党・高市総裁は”ゼロ回答”。これを受け公明党が離脱。首班指名選挙に向けて、自民党は連立相手を求めて模索。情勢は一気に混沌とした。
一連のこの動きの中で目立って、全く独自性を打ち出せなかった党がある。立憲民主党だ。議席数こそ持ってるが、自民党と同様、党内に右派から左派まで数グループがあり、党是や主要政策で他野党とも容易に連携しづらいことが判明した。これでは、党が持つ議席の数は全く生かされない。なら、打つ手は党内を割るしかないのではないか。そこから、やり直すべきだ。有権者が選択しやすいように。その責任があるのではないか。
そもそも立憲民主党が現在、野党第1党で、他野党を引き離した議席を保持しているのは、有権者が、決して同党の政策や党是をきちんと分かったうえでの結果ではない。政治とカネの問題でいわゆる”裏金”が指摘され、有権者に分かる、納得を得るような形で、自民党がいつまで経ってもきちんとした方針や処理を打ち出さないため、当初はそれを嫌気した、自民党を支持していた有権者が、本心は「取り敢えず野党第1党に投票しておこうかぐらいのことでしかないのだ。
したがって、大変失礼な言い方になるが、実は立憲民主党の実力ではないといえよう。野田代表も内心そう思っているのではないのか?首班指名選挙に向けて野党一本化に向けて何一つリーダーシップも、野党第1党が果たすべき主導的役割を果たしていない。表紙を変えるだけで、何も変わらない自民党の”再生”など全くおぼつかないが、これに先駆けて今こそ、立憲民主党が胸を張って、堂々と現実的な主要政策派と理想を求める派くらいに早急に分党してはどうか。
耐えた公明 区切りの連立離脱 自民の認識の甘さに遠因
公明党が自民党との26年間にわたる閣外協力・連立政権に区切りをつけ、離脱した。これまで通り、表紙を変えるだけの総裁選を勝ち抜いた高市新総裁体制は、自民党とともに衆参両院選挙で惨敗した公明党が総括して、抱いていた現状認識とはかけ離れていた。それが党内主要人事の”論功行賞”を反映した麻生派偏重と、選挙を経て”みそぎ”は終わったとばかりに、プラス元裏金議員の起用に現れている。公明党の現状認識とは大きなズレがある。いや、かけ離れていたといっていい。
そんな自民党に、公明党はこれまで企業・団体献金の規制強化を求めてきたが、高市氏は公明党の斉藤代表に”ゼロ回答”。唐突に初めて聞いたとばかりに表現、そのうえ公明党に対し26年間の連携に、ひとことの感謝の言葉を発することなく、「一方的に連立離脱を告げられた」とも会見で言明した。
公明党の連立離脱を招いたのは、明らかに自民党側の対応がまずく、間違っていたからだろう。高市氏は総裁就任後まず連立政権パートナーの公明党ではなく、国民民主党代表の玉木氏との会談を優先した。これが離脱への引き金の一つとなった。菅政権、岸田政権時代は公明とのパイプ役が機能していた、しかし今回の高市体制では、麻生氏は公明党嫌いで、そのパイプ役を担える人がいなかったともいわれる。そのため大枠の現状認識さえ共有できていなかった。この結果、次回選挙で自民党は公明党の選挙協力・組織票で辛うじて議席を確保していた30〜40議席を失うことになるといわれる。
政治とカネの問題を巡る裏金スキャンダルは、自民党の”前時代的体質”を余す所なくあぶり出し、その対応・処理を根本的に誤った。その結果、衆参両院ともかつてない有権者の”自民党離れ”を生み出した。自民党員の減少も加速している。
この状況を受け、地方における自民党員を中心に、もはや”解党的出直し”の必要性を訴えるが、この意識は国会議員の全体の意識にはなっていない。口では「政権基盤維持が難しくなった」と言いながら、迎えた多党化時代、連立政権相手を増やせば、何とか乗り切れるぐらいにしか判断していなかったのだろう。
自民 公明との結束揺らぐ”政治とカネ”で折り合わず
自民党の高市早苗総裁は10月7日、国会内で公明党の斉藤鉄夫代表と会談した。連立政権の継続に向けた政策協議は、公明党が”政治とカネ”の問題に関する懸念を示し、合意に至らなかった。公明党は”連立離脱も辞さない”姿勢で、引き続き協議するという。
斉藤氏は高市氏に①政治とカネの問題②靖国神社参拝を含む歴史認識③過度な外国人排斥ーーの3項目について懸念を伝えていた。高市総裁誕生の背景には、政治とカネに絡む”裏金”議員の支援も強かったと言われるだけに、公明党の懸念は当然とも言える。公明党は企業・団体献金について、政治資金収支報告書への不記載問題に関し、全容解明を求めている。ただ、これに対応するのは自民党にとって決して容易ではない。
衆参両院で自公政権が少数与党のいま、その基盤である公明党の納得が得られなければ、安定した政権運営のために、より連立拡大を目指すなどとは言っていられない。”解党的出直し”は全くのスローガンにすぎず、自民党自体は何も変わっていないのだから。
政治とカネについての自民党の対応は、衆参両院選挙でも明らかなように、これまで自民党を支持してきた有権者の多くが、「まだまだ不十分」「このままウヤムヤにしてしまうつもりか?」の怒りが収まっていない。
これを受け、公明党がチェック、確認せずに容認し、連立政権を継続すれば、公明党も同罪になってしまう。その瀬戸際だ。公党として十分な納得が得られなければ、基盤である創価学会の支持も得られない。中途半端に妥協しないことだ。
高市 自民執行部発足 まるで”第2次麻生政権”の指摘も
自民党の高市早苗総裁が10月7日、新執行部を発足させた。当然のことながら、石破茂政権の主流派が一掃された。新たな中枢には高市総裁誕生の立役者となった麻生太郎氏が副総裁に、同派の鈴木俊一氏(麻生氏の義弟)が幹事長に、そして有村治子氏が総務会長にそれぞれ就任。このほか、高市総裁がリスペクトした安倍晋三元首相が主宰した旧安倍派から萩生田光一氏の幹事長代行の起用もあった。
この顔ぶれに、さすがに時代が逆戻り「これはやり過ぎだろう」、「これでは挙党体制ではなく、まるで”高市・麻生政権”」とか「”第2次麻生政権”」と揶揄する声も挙がる。
党内に自身の強い基盤を持たない高市氏が党内基盤強化のため、麻生氏に配慮するあまり、党内融和に影を落とす結果となった。そして、これで国債発行慎重派の麻生、鈴木両氏を前に、果たして積極財政出動派の高市氏が身上とする采配を振るえるのか?
高市総裁 連立政権の基盤安定化へ党内外との課題山積
野党間で統一候補を立てられない情勢から、立党70年にして初の女性党首を誕生させた自民党・高市早苗総裁が、初の女性総理大臣に選出される可能性が高まっている。しかし、高市内閣が誕生しても党内、党外いずれも、その連立政権の基盤安定化へ課題は山積だ。
党としてこれまで躊躇していた、思い切った政策を立案しても、政権の基盤が弱ければ断行できない。党内基盤はもとより自公政権との新たな連立先を模索して、政権基盤を強化しなければならない。党内的には今回の総裁選で支持を受けた勢力を、継続的に取り込むためのフォロー・施策がポイント。このため、高市総裁は選出された翌10月5日、日曜日にもかかわらず、総裁選でキーパーソンとなった麻生氏と会談。挙党体制を構築するため、党内主要人事などについて相談した模様だ。
政治とカネの問題の有権者の疑念が全く解消していない旧安倍派を主とする、いわゆる”裏金議員”らとの距離感、党内の主要人事と、政策を円滑かつ強力に推進するための適材適所の内閣のポスト配置とのバランスも重要だ。そして、それらは有権者の納得を得られるのか?
総裁選スタート時、連立相手の公明党の斉藤鉄夫代表が自民党の次期総裁として、あくまでも「保守中道」の人として、対外的に「保守タカ派(強硬派)」と目されていた高市氏を暗に否定的な発言をしていただけに、本音で高市総裁を党内挙げて歓迎できるのか?果たしてわだかまりはないのか?連立継続のための協議の行方が注目される。
さらに高市氏は政権基盤強化のための連立拡大を目指すとしているが、連立相手として俎上に挙がる国民民主党や日本維新の会とも、政策ごとの協力協議から連立へ踏み込むのは決して簡単ではない。国民民主、維新が掲げる主要政策を丸呑みすることは、どれだけ連立拡大を優先する覚悟があっても、不可能な相談だ。
一方、海外との関係もスムーズな外交関係の継続が図られるのか?高市氏は、歴史認識の違いから中国や韓国がナーバスになる、靖国神社参拝を”ぶれず”に強行してきた人だ。その高市氏が総理大臣に指名された後、保守タカ派のレッテルを貼った日本のトップを、果たして中国は腹蔵なく受け入れるのか?石破政権のもとで、日韓両首脳の間で”シャトル外交”が再開された韓国は、日韓関係で何か問題が起こったとき、またも両国の政府間では解決・処理済みの「徴用工」や「従軍慰安婦」問題を、民間団体が政府レベルの協議事項に持ち出してくることはないのか?どれもこれも難しい選択ばかりだ。