奈良・牽牛子塚古墳造営には延べ2万人が従事か
奈良県明日香村教育委員会が刊行した牽牛子塚(けんごしづか)古墳発掘調査報告書によると、同古墳造営には延べ2万人程度が従事したとみられる。同古墳は天皇陵特有とされる八角墳で、飛鳥時代の女帝、斉明天皇と娘の間人皇女(はしひとのひめみこ)の合葬墓との見方が強い。同村教委は今回、墳丘に使われた石材の総重量を約276㌧と推定。産出地は大阪府と奈良県の境にある二上山などとみられ、石の切り出しに延べ1056人、運搬に延べ1万3780人が必要などと推計している。ちなみに、同古墳の墳丘は対角辺約22㍍、高さ約4.5㍍以上。巨大な岩をくり抜いた石槨(せっかく)を持ち、表面は切り石で装飾されていた。
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天理市で幻の廃寺「内山永久寺」の扁額見つかる
天理市で幻の廃寺「内山永久寺」の扁額見つかる
奈良文化財研究所(奈良市)の調査によると、平安時代末期に建立され、江戸時代には大和国屈指の寺院として栄えながら、明治期の廃仏毀釈で廃寺となった「内山永久寺(うちやまえいきゅうじ)」(奈良県天理市)の扁額が天理市内の民家で見つかった。扁額は門戸などに掲げられる額で、今回見つかったのは長さ約84㌢、幅約43㌢で、寺の院号とされる「金剛乗院」と書かれている。鎌倉時代の書家、藤原教家が1247年に書き、同寺の真言堂に掲げられたものと結論付けた。鎌倉時代の扁額の発見は極めて珍しく、実態が不明な永久寺の解明や書道史の研究に役立つ一級史料として注目される。
内山永久寺は東大寺、興福寺、法隆寺に次ぐ大和国屈指の大寺院で、平安時代の永久年間(1113~1118年)、鳥羽天皇の勅願で建立され、近世の最盛期には60近い坊があったとされる。
京都・伏見の寺田屋の女将・お登勢の生家に石碑 大津市
奈良県桜井市で国内最古の祭祀用の木製仮面見つかる
奈良県桜井市で国内最古の祭祀用の木製仮面見つかる
奈良県桜井市教育委員会は5月30日、同市の大福遺跡で2世紀後半の仮面と見られる木製品が見つかったと発表した。同市教委では木製仮面では国内最古といい、祭祀(さいし)に使用したとみられる。見つかった仮面はほぼ中央で割れており、残存部は長さ23.4㌢、厚さ5㍉。目を表す穴と、ひもを通したとみられる穴があった。
同遺跡やその周辺では、弥生時代の祭器である銅鐸(どうたく)を破砕して他の青銅器に再生した跡が見つかっている。いずれも弥生時代から古墳時代への移行期で、同市教委は祭祀などが移り変わる様子を物語る重要資料としている。国内では仮面は縄文時代の土面が知られているが、木製は大福、纏向(まきむく、3世紀前半)両遺跡の2点以降、7世紀のものまで見つかっていない。
ソーラン節、よさこい踊りなどリア外国語大で日本文化祭
ソーラン節、よさこい踊りなどリア外国語大で日本文化祭
リア外国語大学日本語学科は5月2日、南ジャカルタ・パンチョランのキャンパスで日本文化祭「マンガ・イン・アクション」を開催した。学生や親子連れなどが書道や茶道の紹介を通じて日本文化を楽しんだ。
「日本文化の日 2013」と書かれた赤い鳥居をくぐると、たこ焼きやかき氷の出店が出現。アニメグッズなども販売され、アニメ「ワンピース」のキャラクターに扮したコスプレーヤーなどと記念撮影する親子連れなど、多くの人でにぎわった。特設ステージでは、ジャカルタ軽音楽部やアマチュアバンドによる日本のポップス音楽の演奏、よさこい踊りなどが披露された。
同大の学生15人によるソーラン節が始まると、会場は熱気に包まれ、勇ましい”ソーラン、ソーラン”の掛け声が会場にこだました。フィナーレでは来場者全員で盆踊りを踊り、文化祭は幕を閉じた。
ジャカルタの私立高校に「MOTTAINAIクラブ」
ジャカルタの私立高校に「MOTTAINAIクラブ」
インドネシアの首都ジャカルタの私立高校、国際イスラム高校に6月、省エネを訴える「MOTTAINAIクラブ」が誕生する。創部メンバーは20人。クラブでは、環境をテーマにした写真展の開催はじめ、地元企業を訪問し、エネルギー問題について話し合ったりする中で、環境や節約の重要性を訴えていく。海外の学校に「MOTTAINAI」のクラブができるのは初めて。
「MOTTAINAIクラブ」創部のきっかけは、国際協力機構(JICA)の日本人講師による講演だった。昨年12月、日本の経済産業省からJICA専門家として、インドネシア・エネルギー鉱物資源省に派遣されている矢野友三郎さん(59)が同校で講演。日本の節水や節電の取り組みや、資源の再利用を呼びかけ「MOTTAINAI」の歌を紹介した。これに生徒が共感し、創部が決まった。
JICAは現在、エネルギー鉱物資源省と協力し、同国初の省エネを呼びかけるビデオの製作を準備中だ。「MOTTAINAIクラブ」のクラブ員は、このビデオのエンディングでMOTTAINAIの歌を歌う予定だ。
MOTTAINAIキャンペーンはノーベル平和賞を受賞したケニアの環境活動家、ワンガリ・マータイさんが提唱、2005年から始まった国際的な活動で、資源循環型社会の実現を目指している。