月別アーカイブ: 2013年7月

アジア文化交流懇談会の委員9人がジャカルタを訪問

アジア文化交流懇談会の委員9人がジャカルタを訪問
 東京大学の山内昌之名誉教授を座長とするアジア文化交流懇談会の委員9人が7月14~16日の日程でジャカルタを訪れた。15日夕、インドネシアの文化人たちと4時間にわたり意見交換。相互に文化の違いを認識したうえで、アジアの文化の融合や調和を目指し、対話やコラボレーションを継続していくことが大切-との認識を共有した。
 日本大使館とインドネシア日本友好協会(PPIJ)が主催した両国の文化人による意見交換会では、インドネシア側の旗振り役となったラフマット・ゴーベルPPIJ会長のほか、歌手で国会議員のタントウィ・ヤフヤ氏ら、映画、音楽、舞踊、テレビなど各界の著名人が参加した。今回参加の日本側の懇談会委員は山内座長のほか、井上弘・日本民間放送連盟会長、猪子寿之チームラボ代表、コシノジュンコ(デザイナー)、迫本淳一・松竹社長、知花くらら(モデル)、鳥井信吾(サントリーホールディングス副社長)、長谷川三千子・埼玉大学名誉教授、宮廻正明・東京芸術大学教授(日本画家)。
 アジア文化交流懇談会は、ASEAN(東南アジア諸国連合)を中心としたアジアでの日本の文化交流を促進させようと、安倍政権の肝いりで立ち上げられたもの。安倍首相がASEAN外交5原則の中で掲げた方針に基づき、映画、音楽、ファッション、絵画などの各分野の有識者11人を委員として4月に発足。月1回のペースで会合を重ね、今回が初の海外視察となった。会合や視察を踏まえたうえで、今年12月に日本で開かれる予定の日・ASEAN特別首脳会議で日本政府が発表する予定のアジアとの文化交流政策に向け提言する。 

インドネシアの日本語学習者が87万人余で世界2位に

インドネシアの日本語学習者が87万人余で世界2位に
 国際交流基金が3年ごとに実施している海外の日本語学習者調査によると、2012年度のインドネシア国内の日本語学習者数は09年比21%増の87万2406人となり、世界3位から2位に上がった。とりわけ、インドネシア国内の中等教育(中学・高校)における日本語学習者は多く、世界一となった。親日国のインドネシアでは日本文化に対する関心が高く、高校の選択科目への日本語採用で学習者が増加している。ただ、日本語教師不足や新しい教材の開発など課題も多く、継続的な取り組みが求められている。
 日本語学習者の総数は、09年比9.1%増の398万4538人と大幅な伸びを記録。国別では中国が同26.5%増の104万6490人で前回の2位から首位に。2位がインドネシアで、3位は首位から転落した韓国で、同12.8%減の84万187人だった。インドネシア国内の日本語学習者を地域別にみると、西ジャワ州が22万5566人で最多、以下、東ジャワ州13万8431人、中部ジャワ州8万416人と続いた。同国内の日本語を教える教育機関はは06年の1084、09年の1988から増加し、12年は2346となっている。

カンボジアでアンコールワットより古い巨大遺跡発見

カンボジアでアンコールワットより古い巨大遺跡発見
 筑波大はじめカンボジア、フランス、英国などの国際研究チームは6月29日までに、カンボジア北西部のアンコール地区で熱帯林に隠れた巨大遺跡を見つけたと発表した。12世紀前半に建設された世界遺産のアンコールワットより古く、9世紀ごろの建設されたクメール帝国の首都とみられる。灌漑が整備されていたことも分かった。同チームは昨年4月、ヘリコプターからレーザー光で密林370平方㌔㍍を調査し、発見した。802年ごろに建設されたとされるクメール帝国の首都マヘンドラパルバタの遺跡とみている。これまで碑文などで存在するとされていたが、証拠となる構造物は見つかっていなかった。
 マヘンドラパルバタはアンコールワットから北東に約40㌔離れた山中にあり、面積は30平方㍍以上あったと考えられるという。調査では東西に走る道路や水路、寺院など土木構造物の痕跡も見つかった。クメール帝国中期のアンコールワットやアンコールトム(12世紀後半)で、これまで未発見だった道路や運河の跡も見つかっている。

平城宮跡からウリやキイチゴなどの種8万粒見つかる

平城宮跡からウリやキイチゴなどの種8万粒見つかる
 奈良文化財研究所は7月2日、平城宮跡(奈良市)で役所が集中していた地区にあった8世紀の穴の跡から、ウリやキイチゴなど推定8万粒以上に及ぶ大量の種が見つかったと発表した。平城宮でこれほど多くの種が見つかるのは初めてで、役人の生ごみや糞便とみられる。奈良時代の役人の食生活を物語る貴重な資料といえそうだ。
 穴は1辺70㌢、深さ30㌢。採取したコンテナ4箱分(乾燥状態で約12㍑)の土を調査したところ、1箱から野菜や果物など約40種類の種実が約2万粒確認された。総数は4箱で8万粒を超えるとみられる。
 トイレットペーパー代わりの木片や、丸のみしにくいカキやアケビなどの種もあった。当時の記録にはないシソやイチジク属のイタビカズラも出土。平安時代の法令集「延喜式」に貢ぎ物として記されている珍しいムベ(アケビの一種)も見つかっている。

井伊直弼殺害の舞台 桜田門「お色直し」終わる

井伊直弼殺害の舞台 桜田門「お色直し」終わる
 環境省は6月28日、昨年10月から修理中だった重要文化財の桜田門(東京都千代田区皇居外苑)の修理を終えた。桜田門は幕末の大老、井伊直弼が暗殺された地として知られる。旧江戸城の当時の趣はそのままに、腐った柱や瓦を取り換え、壁を白く塗り直した。桜田門は通称で、正式名称は外桜田門。

「薩長土肥連合」で観光PR 2018年に明治維新150年

「薩長土肥連合」で観光PR 2018年に明治維新150年
 5年後の2018年に明治維新150年を迎えるのを機に、維新を推進し明治政府を担う多くの人材を輩出した鹿児島(薩摩)、山口(長州)、高知(土佐)、佐賀(肥前)の各県が観光客誘致で連携に動き始めた。共同でキャンペーンを展開したり周遊ルートを設けたりして、各地を訪れる旅行者を増やす起爆剤にする考えだ。
 維新の歴史を前面に出した観光PRで連携し、旅行会社や交通機関などと組んでゆかりの地を訪れる旅行商品を企画するという。西郷隆盛、大久保利通らを生まれ育った地、鹿児島県・加治屋町、木戸孝允、高杉晋作らにゆかりのある山口県の萩市や下関市、坂本龍馬や板垣退助らが生まれた高知市などを巡るルートが想定される。4県で協力し連合組織の設立も検討、東京や大阪など大都市圏で共同イベントを開催したいとしている。

藤原定家が「明月記」に記した超新星”爆発”を解明

藤原定家が「明月記」に記した超新星”爆発”を解明
 京都大学など日米の研究チームは、鎌倉時代の歌人、藤原定家が日記「明月記」に書き残した超新星が爆発した時の様子を解明したと発表した。エックス線天文衛星「すざく」で観察して分析した。この超新星は平安時代の1006年に出現した。定家が生まれる150年以上も前だったが、日記には過去に起きた天文現象として記していた。研究チームは爆発の痕跡を観察したところ、鉄やケイ素、硫黄などの重い元素がある方向に偏っていることを突き止めた。この内容は米天文学専門誌アストロフィジカルジャーナルに発表された。

イランで最古級の農耕跡 メソポタミア文明起源の手掛かり

イランで最古級の農耕跡 メソポタミア文明起源の手掛かり
 ドイツのチュービンゲン大の研究チームは7月4日、中東のチグリス・ユーフラテス川流域の「肥沃な三日月地帯」東端に位置する現在のイランで、1万2000~9800年前の新石器時代の農耕遺跡を見つけたと米科学誌サイエンスに発表した。流域で最も古いとされるシリアやイラク、トルコの農耕跡と大きく変わらない時期。流域の農耕が同時に複数の地域で発達したことを示す証拠-と同研究チームは指摘している。同チームは2009~10年にザグロス山脈の麓にあるイラン西部の遺跡で、当時の人々が野生の大麦や小麦などを農作物として利用し、ひき臼やすり鉢を使って食用に加工していたことを遺物やもみ殻などから確認した。定住は2000年以上の長期間に及び、野生種が農耕に適した種に変化していったことも分かった。これにより、メソポタミア文明につながる農耕技術がどのように発達したかを知る手掛かりになりそうだ。

インドネシア大学で「観光」テーマに第19回日本文化祭

インドネシア大学で「観光」テーマに第19回日本文化祭
 西ジャワ州デポックのインドネシア大学(UI)で7月5~7日の3日間、同大学人文学部日本語学科の学生主催の「グラル・ジャパン2013(第19回インドネシア大学日本文化祭)」が開かれた。これは、インドネシア国内に向けて日本文化を紹介するもの。今年のテーマは「観光」。コスプレやマンガなどの日本文化を肌で感じようと3日間通算で1万5000人をかなり上回る来場者があった。
 初日はセミナーが開かれ、日本政府観光局(JNTO)で働いた経験のある元職員やUIの講師らが出席、日本の観光政策について講演があった。会場では東京都、京都府、沖縄県、北海道など日本の観光名所ごとにエリアを分け、東京タワー、シーサーなど当該観光地区を代表するものをモチーフに装飾が施されていた。

日本・ASEAN友好40周年でunit asiaとen塾がコラボ

日本・ASEAN友好40周年でunit asiaとen塾がコラボ
 日本・ASEAN友好協力40周年記念事業として、国際交流基金(ジャパンファンデーション)は7月4日、中央ジャカルタの劇場タマン・イスマイル・マルズキ(TIM)で、日本や東南アジアのジャズ・ミュージシャン5人が結集した「unit asia(ユニット・エイジア)」の東南アジア巡回公演を開催した。福島県の高校生が作詞した東北の復興を願う歌を、特別参加したインドネシア人学生による日本語ミュージカル劇団「en塾」が合唱し、日本・ASEAN友好への想いを込めた。
 日本人3人、タイ、マレーシア人各1人の計5人のミュージシャン、ユニット・エイジアが奏でるジャズのリズムに会場が包まれ、観客は一体となった。9曲の演奏を終えた後、en塾の団員8人が登場。東日本大震災からの復興の願いが歌詞に込められた「トゥモロウ・ラブ・ソング」を披露。2コーラス目はインドネシア語で歌った。