月別アーカイブ: 2013年8月

坂本龍馬の血判 砲術流派の起請文で確認 高知・記念館

坂本龍馬の血判 砲術流派の起請文で確認 高知・記念館
 高知県立坂本龍馬記念館(高知市)は7月24日、坂本龍馬が砲術を学んだ西洋砲術流派「高島流」の巻物に、龍馬の血判が押されていたと発表した。同記念館によると、龍馬の血判が確認されるのは初めて。この巻物は「高島流」を土佐で教えていた徳弘孝蔵の入門者が、流派の技術を外部に漏らさないことを誓う箱入りの起請文(誓約書)で、長さ約13㍍、幅約19㌢。龍馬の花押の上に、変色した血判が押されている。

安土桃山期の石組みの地下排水溝・取水口見つかる

安土桃山期の石組みの地下排水溝・取水口見つかる
 京都市埋蔵文化財研究所などは7月25日、同市上京区の北野天満宮で安土桃山~江戸時代初期ごろの石組みの地下排水溝や取水口が見つかったと発表した。これは、豊臣秀吉が敵の襲来や洪水から守るために築いた土塁「御土居」の外側に水を流す施設で、地下排水溝が発掘で確認されたのは初めて。長さ約19㍍で御土居の基底部に埋まっていた。

よろい竜は自らの体の骨を溶かし装甲 世界で初めて解明

よろい竜は自らの体の骨を溶かし装甲 世界で初めて解明
 大阪市立自然史博物館の林昭次学芸員ら日独のチームは、突起のある装甲などを持つよろい竜は、体の骨を溶かして得たカルシウムを利用し、よろいをつくっていたことを明らかにし、7月25日、米オンライン科学誌プロスワンに発表した。発掘された全身の化石が少ないため、生態がよく分かっていないよろい竜の成長の仕方を解明したのは世界で初めて。北米と欧州で見つかったよろい竜4種14体の足の骨や肋骨の化石を薄く切り、構造を観察。よろいができていない幼体は骨の細胞や血管の数が多い一方で、よろいができた幼体や成体では骨が溶かされ、カルシウムを使った跡が多数見つかった。

8世紀の古代トルコ文字の碑文をモンゴル東部で発見

8世紀の古代トルコ文字の碑文をモンゴル東部で発見
 大阪大はモンゴル東部のドンゴイ・シレー遺跡で、8世紀の古代トルコ文字(突厥=とっけつ=文字)による碑文を発見したと発表した。碑文はタムガと呼ばれる部族の紋章とともに発見され、横5㌢、縦7㌢ほどの文字が20行、計2832字(646の単語)が彫られていた。トルコ系遊牧国家、突厥の東方支配の実態を知る手掛かりになるという。
 遺跡はモンゴルの首都ウランバートルの約450㌔南東にあり、モンゴル科学アカデミー考古学研究所と共同調査。古代トルコ文字の碑文はこれまでウランバートルより西方のオルホン川流域で発見され、東方には存在しないとされていた。突厥は中央ユーラシアの草原地帯で初めて文字を発明した遊牧民として知られる。

支倉常長ら「慶長遣欧使節」の資料 世界記憶遺産登録

支倉常長ら「慶長遣欧使節」の資料 世界記憶遺産登録
 仙台藩主、伊達政宗の命を受け、1613年(慶長18年)スペインやローマに渡った支倉常長ら「慶長遣欧使節」の資料が6月、世界記憶遺産に登録された。登録されたのは、鎖国直前の日欧交渉を伝える貴重な資料として国宝の3点。所蔵する仙台市博物館では、このうち支倉常長像など2点を常設展示している。
 同使節派遣から今年は400年の節目の年だ。宮城県石巻市など東日本大震災で被災したゆかりの地域では、今回の登録を機に震災からの復興の弾みにしたいという機運が高まっている。今秋から関連イベントが目白押しで、津波で被災した木造使節船「サン・ファン・バウティスタ」号の復元船を修復し再公開する予定もあり、観光客の呼び込みに期待が集まっている。

北海道で恐竜の尻尾の化石発見 新種の可能性も

北海道で恐竜の尻尾の化石発見 新種の可能性も
 北海道大と穂別博物館(北海道むかわ町)は7月17日、同町の約7200万年前の地層から、白亜紀末期に繁栄した草食恐竜ハドロサウルスの仲間とみられる恐竜の尻尾の骨の化石を発見したと発表した。新種の可能性もある。9月から本格的な発掘作業を始める。長さ1㍍で、尾椎骨が13個つながっていた。体長は推定7~8㍍。これまでに発見されたハドロサウルスの尾椎骨にはない突起もあった。日本で骨格がつながった恐竜の化石が見つかるのは珍しい。発見した地層は白亜紀末期には海で、深さ約80~1200㍍の海底で堆積したため、ばらばらにならずに残っていたとみられる。

滋賀・上御殿遺跡で人名が書かれた土器見つかる

滋賀・上御殿遺跡で人名が書かれた土器見つかる 滋賀県文化財保護協会は7月17日、同県高島市の上御殿遺跡で「守君船人(もりのきみのふなひと)」という人名が7回書かれた奈良-平安時代の土器が見つかったと発表した。「守君」は祭祀(さいし)に関わった氏族とされ、等間隔で土器を1周するように人名が書かれていた。7回も人名を記した土器は全国初。

角竜トリケラトプスに新種 米ユタ州で化石発見

角竜トリケラトプスに新種 米ユタ州で化石発見
 米ユタ自然史博物館の研究チームは7月17日、大きな鼻と闘牛のように曲がった長い角を持つ新種の草食恐竜の化石を発見したと発表した。恐竜ファンに人気の高い角竜トリケラトプスの仲間。見つかった化石から体長5㍍、体重約2.5㌧と推定。ほかの角竜には見られない特徴から、大きな鼻と角の生えた顔を意味する「ナスートケラトプス」と命名された。

大阪で独立68周年・日イ国交樹立55周年祝賀レセプション

大阪で独立68周年・日イ国交樹立55周年祝賀レセプション
 インドネシア共和国独立68周年と日本インドネシア国交樹立55周年を記念して、在大阪インドネシア共和国総領事イブヌ・ハディご夫妻の主催による祝賀レセプションが8月2日(金)、午後6時45分~同8時45分、大阪市住之江区南港のハイアット・リージェンシー・大阪で開かれた。総領事の幅広い親交を物語るように、様々な業種・業界のインドネシア・ビジネスや文化活動に関わる人たちが出席する、盛大な催しとなった。
 また、このレセプションは2010年1月に総領事として大阪に着任して以来、3年半にわたり、とりわけ管轄する西日本地域で積極的に様々な交流活動を展開したイブヌ・ハディ氏とのお別れの会ともなった。総領事の任期満了の同氏は帰国後、インドネシア共和国外務省欧米局北アメリカ・中央アメリカ部長に就任する。
 こうした事情があっただけに、今回のレセプションはイブヌ・ハディ氏の業務に対する姿勢や人柄が色濃く出たものとなった。招待客をレセプション会場に迎え入れる際、ひとり一人と言葉、握手を交わすなど、お祝いの会である一方、別れを惜しむ想いが反映されたシーンだった。そのため、会場入り口付近は一時、長蛇の列となった。それは、日本の”おもてなし”の心に通じる、”イブヌ・ハディ流”接客といっていいのかも知れない。
 レセプション冒頭のガムラン演奏、君が代、インドネシア国歌の演奏の後、あいさつした総領事は、11月からの関空-ジャカルタ便の就航、日本・インドネシア両国の経済連携協定(EPA)に基づく看護師・介護福祉士候補者の受け入れ事業など、この3年間の両国の関係強化・深化のあとを回顧。そして在任中、「大阪府と兵庫県はじめ西日本の17府県の皆様に、いただきました数々のご支援と友情に深く感謝致しますとともに、心よりお礼申し上げます」と謝意を述べた。この際、自ら英語と流暢な日本語でスピーチしたのが印象的だった。これを受けて、日本でとくに関係の深かった自治体の代表として、大阪府の小西禎一および兵庫県の金沢和夫の両副知事が出席し、祝辞と総領事への餞(はなむけ)の言葉を贈った。また式典の最後にムハンマド・ルドフィ・駐日インドネシア共和国特命全権大使があいさつ、乾杯の労を取った。

 

高齢者福祉で協力 現地ニーズ把握へ東南アジアを調査

高齢者福祉で協力 現地ニーズ把握へ東南アジアを調査
 厚生労働省は今月から9月にかけて、インドネシア、ベトナム、タイの3カ国を対象に、高齢者福祉の現地調査に乗り出す。高齢者向けの介護や保健医療のサービス状況を視察し、政策担当者らに聞き取りを行う。同省は2014年度から高齢者対応の政策協力を予定。現地の実情やニーズと、日本側が提供できるノウハウを擦り合わせる。
  東南アジアでは今後30年前後で65歳以上の高齢者が人口の約2割に達する国が多い。急増する高齢者向けの福祉制度づくりでタイなどから協力を求められているが、日本の取り組みを単純に移植するのは難しいと判断した。そこで、高齢化対策に関する厚労省の国際協力の検討会に参加する専門家が訪問。政府や研究機関、福祉施設などを視察する。各国で高齢者の介護や病気を防ぐ医療などが、どのように提供されているか現地の社会構造や習慣とともに把握する。
 厚労省は東南アジアの高齢者福祉の実態把握を先行しながら、日本国内でも今夏に都市部と農村部の計4カ所で調査を実施。東南アジアへの導入に適した実例を探る。