防災で日本・インドネシアの連携進む アプリ開発など
災害大国のインドネシアと、大阪大や立命館大など日本の大学が防災分野で連携を進めている。大阪大とガジャマダ大(UGM)はこのほど、被害状況を地図上で確認できるスマートフォンアプリの開発に着手。立命館大はインドネシア政府関係者を対象にした防災研修を実施している。両国の災害教訓を次世代へ生かす取り組みだ。じゃかるた新聞が報じた。
アプリ開発では住民が提出した被害状況を基に、危険度の高い地域をグーグルの地図サービス「グーグルマップ」上に色別(赤、黄、緑)で示す。地図を拡大すると詳細な被害状況が手軽に確認できる。安全な避難経路の確保や被災者の生存確認に役立てる。アプリはグーグルのアプリサービス「プレイストア」から無料ダウンロードできるようにするという。自治体を超えて、被災者が情報を共有し合うことで、迅速に対応できるようにするのが狙い。
アプリは2013年10月に開発を開始。8月まではジョクジャカルタ特別州内で試験運用する。津波など災害のほかにインフルエンザの感染者傾向の予測などにも応用できる。物資配給ではインドネシア赤十字(PMI)と協力していく予定だ。
立命館大は11年、防災分野の人材育成を目指し、国家開発計画庁(バペナス)と提携。13年までの2年間でインドネシア政府関係者計75人に防災研修を実施した。13年6~7月には25人の参加者が東日本大震災の被災地(岩手県宮古市、釜石市、大船渡市、陸前高田市)を視察した。
実際に被災地の復興を担う市長や職員らによる実体験に基づく講演を聴き、同大理工学部の学生らが建設した宮古市鍬ヶ崎地区の簡易集会所などを見学。避難経路などの防災マップ作成方法について意見交換した。同大担当者は、日本の災害教訓がインドネシアで生きる。人材が育てば国民の防災意識も高められると強調した。