月別アーカイブ: 2014年7月

不明の重要文化財27都府県・109件に 文化庁調査

不明の重要文化財27都府県・109件に 文化庁調査

 文化庁は7月4日、国の重要文化財指定を受けた美術工芸品のうち、国宝の刀剣1件を含む27都府県の109件が所在不明になっているとの調査結果を発表した。指定美術工芸品の全国調査は初めて。

 109件のうち59件は工芸品で、刀剣が52件と大部分を占めた。仏像など彫刻は不明17件のうち、14件が盗難によるものだった。所在不明の重要文化財の9割以上が個人または社寺の所有だった。

 109件のうち35件は、2013年11月の緊急調査で所在が不明だったが、今回の調査で新たに74件の重要文化財の所在が分からないことが判明した。

谷崎潤一郎 戦時中「細雪」掲載中止の不安詠んだ俳句

谷崎潤一郎 戦時中「細雪」掲載中止の不安詠んだ俳句

 作家の谷崎潤一郎(1886~1965年)が太平洋戦争中に代表作となった、小説「細雪」の雑誌掲載を中止され、不安な心境を詠んだ俳句の書かれたはがきが見つかった。谷崎の俳句は珍しく、奈良市の帝塚山大で7月8日から始まる展示「谷崎潤一郎・耽美の世界~肉筆と稀〇本を中心に~」で初めて公開される。

 はがきは親しい人に宛てたもので、「提灯にさはりて消ゆる春の雪」などと2つの俳句が書かれていた。俳句は1944年ごろ詠まれ、戦時中の暗い世相をちょうちんになぞらえて、「細雪」を「春の雪」で表したとみられる。

 細雪は旧家の4姉妹をめぐる物語。43年に雑誌「中央公論」で掲載が始まると、優美な世界が「時局をわきまえない」との理由で掲載中止となった。しかし、谷崎は密かに執筆を続け、翌年、自費で上巻約200冊をつくり、親しい人に配った。はがきは本の引換券として使われたとみられる。

「おかやまフルーツ大使」にJKT48のメロディ―さん

「おかやまフルーツ大使」にJKT48のメロディ―さん

 インドネシア・ジャカルタを中心に活動するアイドルグループJKT48のメロディーさんが7月7日、岡山県の高品質な果物を中心とした宣伝・販売のアンバサダーとして「おかやまフルーツ大使」に就任した。

 メロディーさんは「『おかやまフルーツ大使』になれて嬉しいです。岡山県には昨年初めてきたのですが、桃やブドウなどのフルーツがすごくおいしかったことが印象に残っています。これからは岡山県のフルーツのおいしさをインドネシアの人たちに知ってもらえるように頑張っていきたいと思います」と話している。

 岡山県庁で行われた任命式にはメロディー・ヌランダニ・ラクサニさんのほか、応援メンバーとしてナビラ・ラトナ・アユ・アザリアさん、ラトゥ・フィニンニ・フィトゥリリアさん、リスカ・ファイルニッサさんの3人が参加した。メロディーさんは、今年行われたJKT48初の総選挙で1位になっている。

大川にLED浮かべ“天の川”に見立てた七夕イベント

大川にLED浮かべ“天の川”に見立てた七夕イベント

 5万個のLED(発光ダイオード)の球を川面に浮かべ“天の川”に見立てる七夕のイベントが7月7日、大阪中心部の大川で開かれた。太陽光で充電した電池が入った球は直径8.5㌢。約2㌔にわたり、観光客らが陸や船から光の球を流し、青い光が無数の筋となって揺らめき、川沿いから眺める家族連れや男女のカップルらが静かに魅入っていた。イベントは観光振興に取り組む団体が主催した。

近畿の設備投資判断 3カ月ぶり上方修正 日銀

近畿の設備投資判断 3カ月ぶり上方修正 日銀

 日銀大阪支店は7月7日発表した7月の近畿地域金融経済概況で、近畿2府4県の設備投資の判断を「増加している」に変更した。3カ月ぶりの上方修正だ。「基調としては緩やかに回復」とした全体判断は9カ月連続で据え置いたが、個人消費や外国人観光客の増加と相まって「判断引き上げの材料は揃いつつある」。

   7月1日発表の企業短期経済観測調査で、近畿の設備投資が前年度比13.2%増(全国は1.7%増)になったのを受け、前月まで「緩やかに増加している」としていた判断を変えた。増産投資に踏み切る製造業が増え、非製造業で物流施設や店舗の新設計画が相次いでいる。

USJ入場1500万人狙う 5年で1.5倍、数百億円投資

USJ入場1500万人狙う 5年で1.5倍、数百億円投資

 テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ、大阪市)を運営するユー・エス・ジェイはこのほど、今後5年間でアトラクションの追加や刷新に数百億円を投じる方針を明らかにした。この継続投資効果により、入場者数は5年程度で2013年度より約5割多い1500万人に達するとの見通しも示した。

 USJは7月15日、米人気映画「ハリー・ポッター」をテーマにした新エリアを開く。開業以来最大の450億円を投じるが、2~3年以内に新たな大型のアトラクションを設けるとしている。

   USJの13年度の入場者数は1050万人で、開業した01年度(1100万人)に迫った。10年に「ハリー・ポッター」を開いた米国のテーマパークでは、1年に400万人が訪れた。日本でも1年で入場者数を200万人押し上げるとみている。これにより、14年度のUSJの入場者数は過去最高になるのが確実視される。新たなアトラクションでは、子供や若い女性など入場者の属性を分ける方針。こうした施策により5年程度で1500万人に達するとの見方を示している。

レモン卸値6割高 米産など昨年の寒波の影響長引く

レモン卸値6割高  米産など昨年の寒波の影響長引く

 レモンの卸価格が高い。東京・大田市場では仲卸業者が量販店などに売る価格が1カートン(140玉入り)6500~6800円と前年同期と比べ6割高い。これから本格的に出回るチリ産、シーズン終盤の米カリフォルニア州産はともに、昨年の寒波の影響が長引いている。

 店頭価格も上昇。都内の主要スーパーでは、1玉80~100円前後と前年同期比2割高。このため、レモンを昨年に比べ薄く切って出している飲食店もある。

鳥取県産スイカ香港に本格輸出 JA全農とっとりなど

鳥取県産スイカ香港に本格輸出 JA全農とっとりなど

  鳥取県とJA全農とっとり、アジアで青果物を製造、販売するドールは、鳥取県産スイカの香港向け輸出に本腰を入れている。2013年にスイカ計280箱を香港向けに試験輸出したところ、わずか2~3日で完売するなど好評だったことから、今年から本格輸出に踏み切った。

 6月26日と7月3日の2回に分けて計1100箱を出荷、イオンストアーズ香港と香港そごうの計6店舗で7月5日から約2週間にわたる販促キャンペーンを行う。鳥取県産スイカの特徴は11%を超える高い糖度。価格は大玉が1玉約280香港㌦(約3690円)。小玉が約160香港㌦で、マレーシア産の約4倍、韓国産の約1.5~2倍と割高だが、試食販売を行い消費者を囲い込む。

 鳥取県産のスイカは全国4位。今年の生産量は昨年実績とほぼ同水準の1万4500㌧を見込んでいる。

 

平城京遷都で埋め立てた旧秋篠川の跡見つかる

平城京遷都で埋め立てた旧秋篠川の跡見つかる

 奈良文化財研究所は7月4日、平城京遷都(710年)に伴う造営工事で、奈良市の秋篠川の流路を現在の位置に付け替えるために埋め立てた旧流路が見つかったと発表した。埋め立てた際、地盤や盛り土を補強するため、樹木の枝を敷き詰める古代の土木技術「敷棄工法」が使われていた。同研究所は「平城京の造営に伴う土木工事の実態が分かる重要な調査結果」としている。

 調査では北西から南東へ流れる旧流路跡(幅28㍍以上、長さ55㍍分)と厚さ最大1.2㍍の黒色土層を確認。土層からは7世紀末~8世紀初めの土器破片や瓦片が出土した。旧流路を埋め立てた際の造成土とみられる。

      

没後110年記念イベント、ギリシャに小泉八雲資料館 

没後110年記念イベント、ギリシャに小泉八雲資料館 

 『耳なし芳一』などの「怪談」などの作品で知られる明治の作家、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の没後110年記念イベントが7月4日、生誕地のギリシャ・レフカダ島で始まった。

 島内の文化センターには八雲の作品や写真を展示した資料館もオープン。八雲の原稿や妻セツへの手紙、写真など展示品の一部は松江市や熊本市など八雲のゆかりの地からも寄贈された。ひ孫の小泉凡さん(島根県松江市在住)らが出席し、式典が執り行われた。イベントは7月7日まで。

 松江市出身の俳優、佐野史郎さんやギタリストの山本恭司さんによる朗読会や熊本県の清和文楽の公演などが行われる。