富岡製糸場に4カ月で34万人 年間最多を更新
世界文化遺産に登録された富岡製糸場(群馬県富岡市)の来場者数が7月21日、4月以降で約34万人となり、昨年度を4カ月足らずで超え、過去最多を更新したことが分かった。富岡製糸場によると、2013年4月~14年3月の来場者数は過去最多の約31万4500人。
来場者数の急増はボランティアの解説員によるガイドが不足する事態を招いている。5月に新たに7人がデビューしたが、来場者数の伸びに追いつかない状況が続いている。
沖縄・石垣島で旧石器時代の人骨が大量出土
沖縄県・石垣島(石垣市)で後期旧石器時代(3万5000~1万数千年前)の人骨が多く見つかっており、考古学者や、人類学者の注目を集めている。約2万年前の骨に残されたDNAやたんぱく質の分析から沖縄に来た人類の由来を探る試みが始まり、専門家からは「宝のような遺跡」との声も挙がっている。
石垣島東岸から約1㌔の新石垣空港敷地内にある白保竿根田原(しらほさねたばる)洞穴遺跡。沖縄県立埋蔵文化財センターが2010年度から進める調査などで、旧石器人骨を中心とする十数~20体分の人骨約800点が出土した。骨は保存状態が良く、大学や研究機関がたんぱく質やDNAの抽出を試みた。
これらの人々はどこからやってきたのか。国立科学博物館のチームが母から子に受け継がれ祖先をたどることができるミトコンドリアDNAを分析。東南アジアに見られる「B4e」や沖縄の人に多く、本土でも一部見られる「M7a」など3種類のDNAタイプを確認した。調査や分析は本年度も継続される。
期限切れ鶏肉混入か マクドナルド、ファミマ
日本マクドナルドは7月22日、一部店舗で「チキンマックナゲット」の販売を休止したと発表した。ファミリーマートも7月発売の鶏肉加工2商品を停止した。仕入先の中国食肉加工会社「上海福喜食品」が、使用期限を半月過ぎた鶏肉やカビが生えた牛肉を使っていたことが発覚したためだ。
日本マクドナルドは販売するナゲットの約2割を上海福喜から調達していた。取扱店舗は全店の約4割にあたる約1340店で、1都10県にわたる。21日に販売停止し、他社製への切り替えを進めている。
ファミリーマートも上海福喜から仕入れ、約1万店で販売していた「ガーリックナゲット」と、21日に東京都内など10店で試験販売を始めた「ポップコーンチキン」の取り扱いを22日に中止した。両社とも、現在のところ健康被害の報告はないという。
耕作放棄地の拡大防止へ農地集積バンク始動
小さな農地を借り上げて大規模生産者にまとめて貸し出す農地中間管理機構(農地集積バンク)の事業が全国で動き始めた。高齢化や後継者不足で耕作放棄地が広がるなど課題を抱える農業を成長産業に変革させるため、貸し借りを仲介し経営効率を高めるのが狙いだ。担い手による農地利用を現在の5割から8割に引き上げようと意欲的だ。
山口県萩市で4月に集落内の農家12戸が農事組合法人「日の出」を設立。離農した人や転居した人らに農地提供を呼び掛けて計16㌶を集め、集積バンクに貸し出された。これを「日の出」がまとめて借りている。
また、4月に借り手の募集を始めた兵庫県では、企業や大規模農家などから応募が殺到。1カ月の募集期間で114事業体から農地を借りたいとの要望が寄せられた。賃借を希望する面積は計4300㌶。同県が10年間で仲介すると定めた目標の2割がすでに集った計算だ。6月末にまず5件、計約39㌶の貸し付けを実施した。
耕作放棄地は農家の高齢化に伴って急拡大。全国の農業従事者の6割超は65歳以上。1975年に13.1万㌶だった放棄地は、2010年には3倍を超える39.6万㌶に拡大した。滋賀県の面積に相当する広さだ。こうした状況にあっても、他人に貸すのは嫌、売るのはもっと嫌というのが農地所有者=農家の本音。そこで、登場したのがこの農地集積バンクだが、まずは思惑通りの滑り出しといえそうだ。
早さ1/5倍 水産総研などアサリの新たな養殖法開発
水産総合研究センター増養殖研究所などは、アサリの新たな養殖法を開発した。カキ殻や砂利などを入れた網の袋で、海中を浮遊する幼生と呼ぶアサリの赤ちゃんを捕まえ、ある程度育ってから、かごに入れていかだから海中に吊るす。エサとなるプランクトンが多い環境で育つため、天然の1.5倍ほど早く成長する。減少傾向が続くアサリの資源回復に役立つとみており、全国の漁業者に広める考えだ。
同研究所と、三重県鳥羽市の若手漁業者が集まる浦村アサリ研究会や、三重県水産研究所などが共同開発した。ある程度育った稚貝をいかだから吊り下げる養殖法はあるが、幼生から育てる技術は初めてという。
農産物不作リスクに保険 損保ジャパン・三井住友
損害保険ジャパンと三井住友海上火災保険は農業の不作リスクに備える保険の開発で、収穫予測技術を持つJSOL(東京都中央区)と提携する。まず年度内にもJSOLの収穫予測が外れた場合に生じる損失を保険でカバーするサービスの提供を目指す。自然災害による不測の損失を減らすことで、農家や関連産業の利益率の向上につなげる。
JSOLはNTTデータと日本総合研究所が折半出資するIT企業。ビッグデータの活用で、収穫に最適な日と収穫量を90%以上の精度で予測できる技術を持つ。正確に収穫を予測できれば、効率的な人員確保や需給予想が可能になる。現在JSOLは主に大規模な農業生産法人や食品メーカーに、この技術を無償で提供しているが、将来的には使用料をとる考えだ。