フランスで和食ブーム ブルターニュでかつお節工場
鹿児島・枕崎のかつお節の生産組合がフランス北西部のブルターニュ地方に工場を建設する計画が進んでいる。対仏投資庁日本事務所によると、「欧州に本物のダシを広めるのが狙い」という。フランスをはじめとする欧州各国での“和食ブーム”を反映したプロジェクト。
対仏投資庁によると、日本の老舗旅館が南部のラング・ドック・ルシヨン地方に日本式の旅館をつくる動きもあるという。
経済へ波及効果膨らむ USJ「ハリポタ」開業
大阪市のテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)で、7月15日、人気映画「ハリー・ポッター」の新エリアが開業した。年間約1000万人だった来園者数200万人の伸びを見込み、関西観光の起爆剤として期待は大きい。すでに首都圏からのツアーや公式・提携ホテルの予約などが好調で、神戸、京都など近畿圏エリアを含め、波及効果を取り込もうという動きも広域で活発だ。
新エリア開業の経済効果について、関西大学大学院の宮本勝浩教授は2年前に行った試算を「上振れする可能性がある」と指摘する。同教授らは2012年、今後10年間で関西に5兆6000億円の波及効果が生まれると試算した。ところが、現在の入場券や宿泊施設の予約状況に加え、大阪を訪れる外国人客が増え、飲食や宿泊などで当時の想定以上の寄与が予想されるという。
豊田通商 近大と提携し長崎でマグロ完全養殖
豊田通商は7月16日、卵から人工的にふ化させたマグロをヨコワと呼ばれる全長30㌢㍍まで育てる「完全養殖」を始めると発表した。マグロ養殖で実績のある近畿大学と提携し、豊田通商が長崎県の五島列島に設けた養殖場で本格的な育成に乗り出す。2020年3月期に年間30万匹の稚魚を生み出すことを目指す。
豊田通商は10年からマグロの養殖事業に取り組んでいた。現時点では5㌢㍍大の稚魚を外部から輸入してヨコワに育てて売るだけにとどまっている。養殖の幅を卵の段階まで広げることで、仕入れコストなどの事業のムダを減らす。稚魚が30万匹あれば、年間10万匹の出荷用マグロを確保できる計算だ。
日本食の健康に良いなど効能を科学で示す
京都大学は食品メーカーの明治や京都の老舗料亭などと組み、日本食のおいしさや健康に良いとされる秘密を探る研究プロジェクトを8月からスタートさせる。だしが特徴の日本食は塩分や脂肪が少なく、豊かな風味が海外で人気。料理人が培った調理法を医学や栄養学の専門家が検証、豊富なデータをもとに日本食の価値を高める。海外での日本食の普及を後押しする狙いもある。
医学研究科や農学研究科の研究者らを中心に、京都の老舗料亭、菊の井や木乃婦も加わる。農林水産省が研究資金を助成し、明治などが協力する。7月17日に京都市で開く研究会で計画を公表する。他社も加わる産学連携のコンソーシアムも9月に立ち上げる計画だ。
ニホンウナギの生態つかめ環境調査開始
環境省は7月15日、神奈川県小田原市の酒匂(さかわ)川の支流でニホンウナギの生息環境の調査を開始し、報道陣に公開した。国際自然保護連合(IUCN)が6月に絶滅危惧種に指定したニホンウナギの河川での分布状況や生息に適した環境などを2年程度かけて調べ、保全策の指針をまとめる。
同日の調査は、委託した北里大学の研究チームなどが川に入り、川底に潜むウナギに電気ショックを与え生きたまま浮かんできたところを網ですくい上げた。体長7㌢程度で生後1年くらいの「クロコ」と呼ぶ稚魚や、同40㌢程度で生後6~7年の「黄ウナギ」という成魚が計200匹採れた。現地での調査は10月ごろまで実施する予定。それぞれのウナギには個体を識別するICタグなどの目印を付けて再び川に戻す。
インドネシア・フードビジネス開拓ミッション
10月に実施される「インドネシア・フードビジネス開拓ミッション」の概要が7月16日、明らかになった。これは大阪府内に事務所・支店などを持つ食品分野関連企業および、当分野でインドネシア進出を検討している企業を対象に、参加者を募集するもの。大阪府・市、大阪商工会議所などが主催する。
期間は10月19日(日)~25日(土)。訪問地はインドネシアの首都ジャカルタ、東ジャワ州の州都スラバヤ。参加費用は1名につき22万5000円(エコノミークラス渡航費、宿泊費、現地移動費含む)。申込締切は8月29日(金)。定員20名程度で、定員になり次第締め切る。
ジャカルタ、スラバヤの現地・日系企業との商談会、現地経済機関、進出企業などの訪問、工業団地の視察などが予定されている。