谷崎の恋愛模様示す288通の書簡など遺族が保管

谷崎の恋愛模様示す288通の書簡など遺族が保管

文豪、谷崎潤一郎(1886~1965年)と、妻松子やその妹重子らの間で交わされた未公開の書簡計288通を遺族が保管していたことが11月25日分かった。谷崎が松子との結婚に際し「忠僕として御奉公(ごほうこう)申上(もうしあげ)主従の分を守り候(そうろう)」などと綴った「誓約」の手紙も含まれる。女性崇拝をモチーフにした谷崎作品と、密接に結びついた恋愛模様を伝える貴重な資料だ。

松子や重子は、代表作「細雪」に登場する4姉妹のモデルとされる。書簡は谷崎が書いたものが180通、松子が95通、重子が13通で、谷崎が松子と出会った27年から谷崎晩年の63年までの36年間に交わされた。