酪農家に配慮「 時間かけ関税撤廃」NZフォンテラ会長
ニュージーランド(NZ)の乳業最大手、フォンテラのジョン・ウィルソン会長は「環太平洋経済連携協定(TPP)は自由貿易に基づく経済発展に非常に重要だ」としたうえで、「酪農は世界で家族経営が多い。関税撤廃は影響が大きく、時間をかけて行われるべきだ」と述べた。日本などの酪農家が変化に対応できるよう関税解消に猶予を認める考えを示した。
コメの価格「今後も下落続く」6割 日経が生産者に調査
日本経済新聞社が実施した、コメ生産者に行ったアンケート調査によると、約6割が今後も小売価格の下落が続くとみていることが分かった。消費者のコメ離れが続き、需給が締まらない。2018年産メドの生産調整(減反)廃止もにらみ、飼料米などへの転作や新たな販路の開拓に取り組む考えの生産者が多い。11月中旬から12月上旬に、主要な農業法人など253の生産者に調査し、172の回答を得た。回答者の作付面積は15㌶以上が74%で、規模の大きな生産者が中心。
農林水産省によると、10月のコメ小売価格は前年同月比7%安の5㌔1865円(消費税込み、全銘柄平均)で、約3年ぶりの安値だ。毎年の作柄が平年並みの前提で、減反廃止までの小売価格の見通しを聞いた。その結果、「下がる」が66%で、下げ幅は「1~2割未満が35%で、最も多かった。コメ離れに歯止めがかからず、国内消費の「減少傾向が続く」が90%だったことが背景にある。減反廃止後の価格も「下がる」が57%に達した。
「日本の復興支援に感謝」インドネシアバンダアチェ市長
12月26日に、スマトラ沖地震・インド洋大津波から10年を迎えるのを前に、インドネシア・アチェ州の州都バンダアチェのイリザ・サアドゥディン・ジャマル市長は、日本の報道関係の取材に応じ、被災後の経過、復興に至る様々な支援と現況について語った。イリザ市長は「日本はインフラ整備や防災面で多大な支援をしてくれた」と謝意を表したうえで、同じ被害を繰り返さないための住民の意識改革の必要性を強調した。
同地震・大津波では約23万人の死者・行方不明者が出たが、このうちバンダアチェでは市街地の大半が津波で一時水没し、約7万8000人が犠牲となった。同市長は現在の復興状況について、道路などのインフラは98%がすでに完成し、津波前よりも整備は進んだという。学校や病院などの公共サービスも改善されただけでなく、2014年の市の収入は7年前の15倍に達し、経済面でも発展を続けているとしている。
ただ、防災面について語り始めると、同市長の表情は冴えなくなった。防災対策では早期津波警戒システムの運用が始まり、2年前から学校カリキュラムに防災教育を取り入れたものの、「十分に効果が出ていない」と指摘。対策を進めても、「結局は住民の意識改革が最も重要で、非常に難しい」と現状への懸念を示した。時事通信などが報じた。
カニ輸入価格上昇 密漁対策協定発効、円安が影響
輸入のカニ類が高い。カニは年末に需要が増えるが、日本とロシア間で結ばれた密漁などを防ぐ協定や、為替の円安の影響を受け、輸入価格が上昇している。年末商戦では昨年までの在庫を使う量販店も多いが、供給不足が販売価格にジワリと響いている。
日本は年間6万~8万㌧程度のカニ(食材用加工品を含む)を輸入する。そのうちズワイガニ類が4~6割、タラバガニ類が2割を占める。ズワイガニは米国アラスカやカナダ、ロシアが主産地。値決め交渉の結果は横ばい圏だが、円安で北米産の輸入価格は1割上昇し、1㌔1500~1600円となった。輸入量の9割がロシア産のタラバガニは協定発効の影響が鮮明で、1~10月のロシア産の輸入量(活・冷凍込み)は5280㌧と前年比5割減となっている。輸入価格は1㌔約2100円(冷凍)で昨年比7割高となっている。