月別アーカイブ: 2015年2月

神戸で出土の「桜ヶ丘12号」と茨木出土の銅鐸の鋳型一致

神戸で出土の「桜ヶ丘12号」と茨木出土の銅鐸の鋳型一致

神戸市立博物館によると、1964年に神戸市で見つかった「桜ヶ丘12号銅鐸」(弥生時代中期、国宝)と、茨木市の東奈良遺跡で出土した「第1号流水文銅鐸鋳型」(重要文化財)の大きさや形状がほぼ一致することが分かった。12号銅鐸は青銅器づくりの一大拠点とされる東奈良遺跡で制作された可能性があり、銅鐸の流通を解明する手掛かりとして注目される。

12号鐸は高さ31㌢、重さ約2.6㌔。鋳型に彫られた銅鐸の型は高さ約31~32㌢とほぼ同じで、本体の曲線部分なども一致した。しかし本体と鋳型の模様は異なっており、この鋳型から12号鐸がつくられた可能性は低い。この点、鋳型を作る際、大きさや形にある程度の規格があり、模様だけ変えていたのではないか–と同博物館ではみている。

食糧自給率目標引き下げへ「食糧自給力」提示 農水省

食料自給率目標引き下げへ「食料自給力」提示 農水省

農林水産省は2月13日、農政の中長期的な指針となる「食料・農業・農村基本計画」の骨子案をまとめた。カロリーベースで50%を目指す現在の食料自給率目標を実現可能性を考慮した設定に見直すほか、新たに国内の食料の潜在生産能力の指標として「食料自給力」を提示する方針。3月中に数値目標などの詳細をまとめる。政府は新たな指標を基に、食糧安全保障の確立に向けた施策を講じたい考えだ。

2010年に策定された前基本計画の食料自給率目標は、総合食料自給率で約40%で推移しており、目標から乖離(かいり)していると判断。新たな自給率目標は食品ロスなど食料消費に関する課題と、農地集約など農業生産に関する課題を考慮し、各課題が解決された場合に実現可能な生産水準を設定するとしており、現状の目標から引き下げられることになりそうだ。

住民投票で「都構想」承認なら新町名を16年夏決定

住民投票で「都構想」承認なら新町名を16年夏決定

大阪都構想を議論する大阪府・市の法定協議会が2月12日、大阪市役所で開かれ、協定書(構想案)が松井一郎府知事と橋下徹市長に手渡された。協議会後、知事、市長、大阪維新の会の委員だけで行った懇談会では、都構想が住民投票で承認された場合、特別区の新町名を2016年8月ごろに決めるなどとした移行期間の工程表案が示された。

工程表案によると、大阪市を再編して設ける5特別区の新町名は「原則として現在の行政区に現町名をつなげる」とした法定協での議論をもとに、今年8月ごろに素案を公表。住民アンケートなどを経て、市長が2016年8月をめどに決める。区役所庁舎は既存施設を活用するが、面積が不足する新・東区など3区は民間ビルなどに暫定的な庁舎を置いたうえで、移行後に選挙で選ばれる区長と区議会が建設を決定した後、5年以内をめどに完成させる。特別区間の税収格差を抑えるため、府が税収を再配分する財政調整制度の配分割合は、16年9月の府市両議会で仮の割合を提示。両議会の議論を経て決定するとしている。

海外の外交官ら日本酒文化を堪能 京都・伏見の酒蔵見学

海外の外交官ら日本酒文化を堪能  京都・伏見の酒蔵見学

海外の外交官や公務員らに日本酒の魅力を知ってもらう「日本文化体験研修」が2月13日、京都府内・同市伏見区で行われ、参加者らは利き酒や酒蔵見学で日本酒文化を堪能した。参加したのは、34カ国から来日中の外交官や公務員ら35人で、2014年9月から田尻町の国際交流基金関西国際センターに滞在して日本語や日本文化を学んでいる。

参加者らは大阪国税局の担当者から日本酒の基礎知識や歴史を学んだ後、京都市伏見区の大手酒造メーカー「月桂冠」を訪れて酒蔵を見学。純米大吟醸酒や純米酒など5種類の日本酒を利き酒して味や香りの違いを楽しんだ。

リニア大阪延伸の費用負担「JR含め検討の場」を

リニア大阪延伸の費用負担「JR含め検討の場」を

大阪府・市や経済団体がつくる「リニア中央新幹線全線同時開業推進協議会」は2月12日、国会内で開いた自民党との会議で、大阪延伸に向けた提案の中間とりまとめを説明した。費用負担などについて、事業主体のJR東海を交えた「検討の場」の設置を要請。延伸に要する約3兆6000億円の半額をJR東海の積立金で賄う案も提示した。中間とりまとめは自民党の「超電導リニア鉄道に関する特別委員会」の竹本直一委員長に提出した。JR東海の積立金は運賃収入の一定割合を原資とし、法人課税の猶予をセットにしながら、おおむね年間1500億円を12年にわたって積み立てる内容。

オフィス空室率 大阪中心部で1年10カ月ぶり上昇

オフィス空室率 大阪中心部で1年10カ月ぶり上昇

オフィスビル仲介の三鬼正二(東京都中央区)が2月12日発表した2015年1月末の大阪中心部のオフィス空室率は前の月より0.06ポイント上昇して7.98%だった。上昇するのは1年10カ月ぶり。日本生命の自社ビルが完成し、分散・入居していた周辺の賃貸ビルから移転が進んだことや大型の解約が影響した。地区別では梅田が0.09ポイント下がり7.36%。淀屋橋・本町は0.17ポイント上昇し8.09%。新大阪は0.59ポイント上昇して8.07%だった。

カゴメ 福島県の農業法人にトマト栽培技術供与

カゴメ 福島県の農業法人にトマト栽培技術供与

カゴメは農業法人の南相馬復興アグリ(福島県南相馬市)に生食用トマトの大規模施設栽培技術を供与するとともに、同技術で生産したトマトを全量買い取る契約を夏をめどに結ぶトマト栽培技術や苗などの供与に加え、買い取り制度の提供で農業者は安心してトマト栽培に専念できる。

南相馬復興アグリはカゴメの支援を受け、南相馬市内の2.4㌶の敷地に1.5㌶規模の太陽光利用型植物工場を3月中に着工し、12月をめどにトマト出荷をスタートする。総投資額は11億円、年間出荷量は660㌧を予定。

日本盛がボトル缶入り生原酒 大手酒造会社で初

日本盛がボトル缶入り生原酒 大手酒造会社で初

日本盛(兵庫県西宮市)は2月12日、醸造後に加熱や加水処理をしていない「生原酒」を、キャップ付きのボトル缶に詰めた新商品を、25日から全国発売すると発表した。大手酒造会社でボトル缶入りの生原酒を本格的に全国発売するのは業界では初めてという。瓶や紙パックではなく、ボトル缶を採用することで遮光性や密封性を高め、生原酒の鮮度を長く維持できるとしている。本醸造酒と大吟醸酒の2種類で、いずれも200㍉㍑入り。希望小売価格は本醸造酒が280円、大吟醸酒が345円。

輸入豚肉在庫12月末で8%減の16万9000㌧ まだ高水準

輸入豚肉在庫12月末で8%減の16万9000㌧ まだ高水準

農畜産振興機構(東京都港区)が2月10日発表した2014年12月末時点の輸入豚肉の国内在庫は、11月末比8%減の16万9000㌧だった。14年11月以降、米国西海岸の港湾で労使交渉が激しくなり、物流が滞っている。米国産豚肉の輸入が減り、国内在庫の消化が進んだ。前年同期比では32%多い。適正在庫は12万㌧程度とされるが14年、国内外で病害が広がり、先行きの供給不安から輸入在庫を積み増す動きが相次いだ結果だ。このため、米国西海岸の港湾の労使交渉の決着がいま少し延びても、需給面への大きな影響はないとみられる。