藤原宮跡で旗竿の穴見つかる 律令制下の朝廷儀式で使用

藤原宮跡で旗竿の穴見つかる 律令制下の朝廷儀式で使用

奈良文化財研究所(奈文研)は9月28日、日本初の本格的な都とされる奈良県橿原市の藤原京(694~710年)の中枢部、藤原宮跡で、天皇が正月に臨んだ儀式などに使われた「幢幡(どうばん)」と呼ばれる特殊な旗竿(はたざお)を立てたとみられる7基の柱の穴が見つかったと発表した。
幢幡の数などが奈良時代の正史『続日本紀(しょくにほんぎ)』に記された大宝元(701)年の元日朝賀の記述と合致し、7世紀後半の、藤原不比等を中心に進められたといわれる律令国家形成期の歴史の一場面を、具体的に復元できる手掛かりになるとみられる。
奈文研によると、柱の穴は天皇が重要儀式の際に出御する大極殿院の南門のさらに南約11~21㍍で出土。深さ約80㌢~1㍍、柱の太さは約70㌢とみられる。宮殿の中軸線上に1基、その左右対称の位置に3基ずつ三角形に配置されていた。