アルツハイマー病を発症前に血液検査で早期診断

アルツハイマー病を発症前に血液検査で早期診断

国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)と島津製作所などの研究グループは、発症前の早い時期に、アルツハイマー病の原因物質とされる脳における「アミロイドベータ」の蓄積状況を、簡単な血液検査で診断する方法を開発したと発表した。この論文は2月1日付の英科学誌ネイチャー電子版に掲載された。
研究グループはアミロイドベータに関連し、脳から血液中にわずかに漏れ出した3種類の物質を調べ、異常な蓄積の有無を判断する方法を確立した。この方法で日本とオーストラリアの計232人を調べたところ、通常アミロイドベータの蓄積を検出する際、用いられる高額な装置、陽電子放射断層撮影(PET)の結果と9割が一致した。
同グループは、今回の検査方法で早期の患者を多く見つけ、臨床試験(治験)に参加してもらうことで、アルツハイマー病の治療薬の開発に貢献できるとしている。