春呼ぶ味 イカナゴ漁解禁 大阪湾と播磨灘 初競りで9.5万円

瀬戸内海に春の訪れを告げるイカナゴの稚魚シンコの漁が3月6日、大阪湾と播磨灘で解禁された。シンコは甘辛く炊く「くぎ煮」で親しまれている。兵庫県明石市の林崎漁港では、早朝に8隻の漁船が出漁。体長5cmほどのシンコを水揚げし、初競りで1かご(約25kg)9万5,000円と、2年前より3万円近く高い値が付いた。2020年の解禁日、同漁港は水揚げがゼロだった。
兵庫県内のイカナゴの漁獲量は2001年に3万214トンに上ったが、2017年以降は1,000トン台に落ち込んだ。そして2020年は約150トン(速報値)と記録的な不漁だった。水質改善で、皮肉なことに海中の窒素などが減り、餌のプランクトンが減少したことがその要因という。