主要7カ国(G7)首脳は2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻を巡り、G7議長国のドイツが招集し、テレビ会議形式で緊急協議を行った。共同声明では、ロシアによる侵攻を「深刻な国際法違反」だと批判し、「G7として厳しい協調された経済・金融制裁を実施する」とした。
米欧にとって、ロシアによるウクライナ侵攻は主権や領土の保全といった原則を踏みにじり、力による現状変更を試みる看過できない動き。このため、「この危機はルールに基づいた国際秩序への深刻な脅威で、その影響は欧州にとどまるものではない」とした。
そのうえで、「プーチン大統領は欧州大陸に再び戦争を呼び戻した」と個人名を挙げて批判。ドイツのショルツ首相は「戦争を決めたのはロシア国民ではなく彼ひとりだ。全責任を負うのは彼ひとりだ。これはプーチンの戦争だ」とプーチン氏を厳しく批判した。
G7各国はすでにロシアの一部金融機関との取引制限や個人の資産凍結などを決めている。ただ、制裁対象が限られ、大きな効果は期待できないとの声が多かった。今回のウクライナへの侵攻で情勢が劇的に変化したことを受け、G7各国はさらに大規模な厳しい制裁を矢継ぎ早に打ち出していく。日本も金融や輸出制限などの分野で米欧と足並みをそろえる。