中国・全国人民代表大会(全人代)で3月5日公表された2024年の国防予算案は、前年比7.2%増の1兆6,655億元(約34.8兆円)で過去最大となった。金額としては米国の8,420億ドル(約127兆円)に次ぐ世界2位で、日本の2024年度予算(7兆9,496億円)の約4.4倍だ。
同国の国防予算は、新型コロナ禍などで経済成長が鈍化する中でも高い水準で伸びを保ち、ここ数年は6〜8%台を維持してきた。これが強引とも映る海洋進出、力による現状変更の試みや覇権主義的な動きにつながっているとして、周辺国の懸念を招いているが、2024年も一連の国防強化の方針には全く変化がなかった。