大阪・関西万博の会場で、禁煙のルールが守られていないことが判明した。一部の海外パビリオンの外に灰皿が設置され、喫煙する関係者の姿も見られるという。万博協会には、いまこそ現実を直視した、毅然とした対応が求められる。
万博協会は、今回の万博で掲げる「いのち」や「健康」といったテーマを踏まえ、会場内を全面禁煙とし、来場者やパビリオンの運営者らに順守を求めてきた。この一方で、喫煙者にはわずかな配慮だが、大阪メトロ中央線・夢洲駅と接続する東ゲートの外に2カ所の喫煙所を設けていた。だが、これでは会場からの往復には時間がかかり、そのためにこっそり隠れての喫煙の事態になったようだ。
しかし、ここでなし崩し的に喫煙を認めてはいけない。それでは”ご都合主義”となり、深遠な今回の万博のテーマがかき消えてしまう。いまこそマイナスをプラスに変えるとまでは言えないが、不幸にして会場西側はメタンガスが発生しやすい廃棄物の焼却灰が使われており、現実にいつでもそのガス爆発発生リスクがあるわけだから、これを理由に禁煙の徹底を大々的に呼び掛ければいいのではないか。
会場西側では2024年3月、トイレ工事で火花がメタンガスに引火し、爆発する事故が起きた。開幕直前のリハーサル時にも同じ西側エリアの地下で、爆発の恐れがある濃度のガスが検知されている。