トランプvsマスク 蜜月終焉! 透ける人間性 政財界に波紋

トランプ米大統領と、約420億円もの巨額の献金などで第2次トランプ政権誕生の最大の支援者であったイーロン・マスク氏の蜜月が終焉。不毛の、或いは醜い罵倒合戦が繰り広げられ、その波紋が政界・財界双方に広がる事態となっている。
ここで透けて見えるのは両氏の人間性だ。両氏とも我がままで、他人の言うことには、一切耳を貸さない傲慢さは共通している。それでもどちらに理があるかと言えば、わずかだがマスク氏か。彼は実業家として優れた手腕を発揮し、成功を重ねてきた人物だ。
トランプ氏が打ち出す①同氏肝いりの減税法案②マスク氏推薦のNASA長官人事の白紙撤回③移民の強制排除④ハーバード大への留学生の停止措置ーなど、いずれも決して、その目的や想定される影響や事態などに気を配り、熟慮したうえでの政策ではなく、感情的かつ短絡的な”生煮え”の施策の強行でしかない。それによって頻発する衝突や軋轢(あつれき)を武力で抑えつけ、断行する手法は、とても民主国家とは思えない。
様々な要素・要因があるにせよ、マスク氏を何のためらいもなく切り捨て、利用価値がなくなったと思ったら、あっさりと”恩を仇で返せる”のはトランプ氏ぐらいだろう。こんなトランプ氏に愛想を尽かし、マスク氏も反撃。同国の2大政党、共和党・民主党とは一線を画す新党「アメリカ党」を立ち上げる構想をぶちあげている。どこまでやる気があるのか、その本気度に注目だ。
世紀の”大愚策”高関税政策で海外ばかりか、肝心の国内の企業や国民の生活に多大の苦しみを負わせている中、とりわけトランプ氏の言葉には知性の欠片(かけら)も感じさせないもの言いに、米国民は何も感じないのか。「うんざりだ、もう辞めてくれ」とはならないのか?諦めているのか?米国の民主主義のレベルに?を付けざるを得ない。
そもそも”米国を偉大にする”などという評価は、当事者ではなく、後世の第三者が下すべき評価であって、この国を偉大にするなどという目標を掲げること自体、おかしいのだ。まともな神経の持ち主なら、とても気恥ずかしくて口にはできない言葉なのだ。

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