月別アーカイブ: 2013年9月

チキニで千葉大学生と地域住民らがつくった図書館を披露

チキニで千葉大学生と地域住民らがつくった図書館を披露
 じゃかるた新聞によると、千葉大の学生らが地域住民らと中央ジャカルタ・チキニで建設を進めていた図書館が9月22日、披露された。住居が密集する東南アジアの都市部の新しい建築モデルをつくろうと奮闘していた吉方祐樹さんや上田一樹さん、澤井源太さんら千葉大学の学生やチキニの住民らが集まったほか、住民に日本の”おもてなし”を知ってもらおうと、石州流野村派家元の堀一孝氏を招き、図書館で茶会を開いた。
 吉方さんらは千葉大学大学院で都市デザインを研究する岡部明子研究室に所属。図書館の建設は、岡部准教授が参加する総合地球環境学研究所のプロジェクト「メガシティが地球環境に及ぼすインパクト」の一環で、ジャカルタの中でもとくに住宅が密集するチキニの建築モデルを考案。図書館は2階建てで延べ床面積約25平方㍍ほどと小さいが、1階と2階を結ぶ吹き抜けをつくり、壁を白く塗り、光を反射するようにするなど、密集地区で快適に過ごせる工夫が施されている。日本では建築賞「SDレビュー」に入賞している。

 

六本木ヒルズでインドネシアフェス 2日間で2万人来場

六本木ヒルズでインドネシアフェス 2日間で2万人来場
 在日インドネシア大使館は9月21、22の両日、東京・六本木ヒルズで「インドネシア・フェスティバル2013」を開催した。日本・インドネシア国交樹立55周年の節目を迎えた今回は、2日間で昨年より9000人多い2万人が来場。大使館や企業、団体のブースが設置された会場に日本人、在日インドネシア人が詰め掛け、都心にさながら”リトル・インドネシア”が出現した趣だった。
 華やかなオープニングパレードで開幕。インドネシア各地の伝統舞踊はじめ、日本人バリ舞踊家・長谷川亜美さんが結成したバリダンスグループ「バスンハリ」などが踊りを披露。一見場違いな、六本木の高層ビル群の間で、多彩なインドネシア文化が来場者に紹介された。
 インドネシアからも歌手マイク・モヘデさんや、ロックバンド「チョクラット」元ボーカルのキカンさんらが懸け付け出演。ジャカルタを本拠に活動するアイドルグループJKT48のメンバー3人が「恋するフォーチュンクッキー」を歌い会場を盛り上げた。また、8月に「インドネシア・パレード」を実施した宮城県気仙沼市の商工会議所青年部のメンバーも会場で、東日本大震災後、同市を訪れたユドヨノ大統領の写真パネルやバロン(獅子舞)、オンデルオンデル(厄除け人形)を展示し、震災をきっかけに生まれた両国の市民交流を紹介していた。

日本・インドネシアの”懸け橋”JCCを外務大臣表彰

日本・インドネシアの”懸け橋”JCCを外務大臣表彰
 インドネシア語教室や生活セミナー、日本語教室を開講するジャカルタ・コミュニケーション・クラブ(JCC)は9月18日、日本とインドネシアの友好関係強化に寄与し、功績を残したとして、平成25年度外務大臣表彰を受けた。在インドネシア日本大使館公邸で行われた表彰式には、JCCのデシ・ジュニタ校長や甲斐切清子代表、日本語教師の渡辺彰吾さんら10人のスタッフが出席し、鹿取克章駐インドネシア日本大使から表彰状を受け取った。
 JCCは1997年に日本語学校として創立。教室での授業だけでなく、正月や七夕会、ジャカルタバスツアーなどのインドネシア人と日本人の受講生をつなぐ交流の場を設けてきた。インドネシアは日本語学習者数が世界2位で、創立以来17年間で約7000人を超えるインドネシア人と日本人の卒業生を送り出してきた。

工学分野で4大学と日系企業が産学連携の強化図る

 工学分野で4大学と日系企業が産学連携の強化図る
 国際協力機構(JICA)とインドネシア教育文化省が産学連携の強化を図っている。両者は「ASEAN(東南アジア諸国連合)工学系高等教育ネットワーク事業」を推進している。同事業に参画しているのがインドネシア大学(UI)、バンドン工科大(ITB)、ガジャマダ大(UGM)、スラバヤ工科大のインドネシアの主要国立4大学工学系学部。各種研究テーマごとに研究室を分類し、各研究者の経歴や研究施設の概要もまとめた「研究室ダイレクトリー」を作成。ASEAN域内で遅れをとるインドネシアの大学と日系企業の共同研究や人材育成など、協力関係構築を後押しする。
 9月18日には南ジャカルタのスルタン・ホテルで、JICAと教育文化省がセミナーを共催。日本およびインドネシアの企業関係者や大学関係者200人が参加し、インドネシアの企業と大学が工学分野での共同研究や人材育成で産学連携を促進する方法を話し合った。

愛媛・和歌山大学生が西ジャワ州ブカシ市の子供らと交流

愛媛・和歌山大学生が西ジャワ州ブカシ市の子供らと交流
 じゃかるた新聞によると、愛媛大学と和歌山大学の国際協力サークルの学生ら10人が9月15、16の両日、西ジャワ州ブカシ市のバンタルグバンごみ処理場近くの小中学校「アル・ファラー」を訪問した。日本語クラスの生徒を中心とする4~6年生の小学生37人が交流会に参加し、日本文化の紹介や料理、運動会などを通して交流を楽しんだ。
 小学生たちは当初、日本からの見慣れない客に多少緊張した様子だったが、1時間もすると大学生に折り紙を折るように求めたり、日本語で自己紹介しようと話しかけたりするまでに打ち解けた。大学生らが昼食にハヤシライスを振る舞った後は、白玉団子を一緒にこねるなどお菓子作りや、運動会などを通して、さらに盛り上がりをみせた。最後は小学生らによるアンクルン(竹製の伝統楽器)の演奏や、元日本留学生のインドネシア日本同好会(KAJI)のメンバーが弾くギターによる日本語の歌などで締めくくられた。その後、学生たちはごみ処理場という特殊な環境下にある子供たちの家庭を訪問し、父兄に話を聞いた。
 学生らは17日には今後のインドネシアとの関わり方を探るため、東ジャカルタのダルマ・プルサダ大学日本語学科の学生30人と話し合いの場を持った。その結果、日本・インドネシアの大学で継続した支援プロジェクトができるようにとの企画が持ち上がった。

徳川家康が英国で記念コインに 日英交流400年祝う

徳川家康が英国で記念コインに 日英交流400年祝う
 日本と英国の間で交流が始まって400周年を迎えたのを祝って、徳川家康像などをあしらった金と銀の記念硬貨が9月8日発行された。片面にエリザベス女王の横顔、もう片面に東インド会社の船を背景にしてジェームス1世と家康の像を並べたデザイン。24金製の50ペンス硬貨と銀製の5ペンス硬貨の2種類があり、各400枚の限定販売。価格は金貨が755ポンド(約11万7000円)、銀貨が59ポンド95ペンス。家康が描かれた硬貨の発行は日本を含めて初めてという。日英交流は当時の英国王ジェームス1世から江戸幕府への親書などを託された東インド会社の船が1613年6月に長崎県平戸市に到着して始まった。9月8日は英国の使節団代表が徳川家康と面会した日にあたる。

「鹿ケ谷の陰謀」に加わった俊寛の自筆書状を初公開

「鹿ケ谷の陰謀」に加わった俊寛の自筆書状を初公開
 1177年、平氏打倒を図った「鹿ケ谷の陰謀」に加わり流罪となり、能や歌舞伎の演目でも有名な平安時代末期の僧侶、俊寛の自筆書状(陽明文庫所蔵)が、京都市の京都文化博物館で9月14日から始まる展覧会「近衛家 王朝のみやび 
 陽明文庫の名宝3」で初めて公開される。東京大史料編纂所の尾上陽介准教授が平信範(1112~87年)が書いた日記「兵範記」の裏面から今年1月、確認した。俊寛の自筆書状はこれまで確認されていなかった。兵範記は重要文化財に指定されている。

島根で2000万年前 東アジア最古の巨大ワニの化石発見

島根で2000万年前 東アジア最古の巨大ワニの化石発見
 島根県立三瓶自然館は9月12日、同県隠岐の島町で巨大ワニとしては東アジア最古となる約2000万年前の化石の一部を発見したと発表した。マチカネワニの祖先とみられ、全長は推定7㍍。見つかったのは第3、4胸椎部分の2つの骨で、長さ約21㌢、高さ約18㌢。同館では、もともと小型だったマチカネワニが巨大化した時期を特定するうえで、貴重な資料としている。

明日香村「酒船石」に立体的な映像を投映する試験演出

明日香村「酒船石」に立体的な映像を投映する試験演出
 奈良県明日香村の古代の謎の石造物「酒船石(さかふねいし)」(国史跡)に立体的な映像を投映する試験演出が9月11日夜、行われ、朱雀や揺らめく水などの映像が飛鳥の地の闇に浮かび上がった。これは14~15日に開催されるイベント「飛鳥光の回廊2013」の試験演出で、石が重ねてきた記憶に現代のイメージを投影し、古代と現代の融合を試みたもの
-という。酒船石は明日香村に数多く残る石造物の一つで、長さ約5.5㍍、最大幅約2.3㍍、高さ約1㍍の花崗(こう)岩。何のために使われたのかは分からず、謎に包まれているが、水を使った祭祀(さいし)施設だったなど諸説ある。

ペルーのパコパンパ遺跡から紀元前800年の大型石彫発見

ペルーのパコパンパ遺跡から紀元前800年の大型石彫発見
 国立民族学博物館(大阪府吹田市)の関雄二教授は9月6日、南米ペルーのパコパンパ遺跡から紀元前800~同500年ごろの大型石彫が見つかったと発表した。石彫は神殿跡で見つかり、高さ約1.6㍍の棒状。大きな目に口を開いて牙を見せたジャガーのような頭部と、両手を合わせ祈るような人間の体が組み合わされていた。古代アンデス文明ではジャガーは神聖で霊的な存在として崇められてきた。関教授は、動物の霊的存在と交流した宗教的リーダーが権力を発揮していた-とみている。