月別アーカイブ: 2016年9月

長さ1㍍超の最大級の恐竜足跡、ゴビ砂漠で発見

長さ1㍍超の最大級の恐竜足跡、ゴビ砂漠で発見

岡山理科大学は9月29日、モンゴル・ゴビ砂漠の白亜紀後期(7,000万~9,000万年前)の地層から、長さが1㍍を超える恐竜の足跡の化石が見つかったと発表した。
モンゴル科学アカデミー古生物学地質学研究所との共同調査で、発見したのは恐竜の左後ろ足の跡。長さが1㍍6㌢あり、形状から四足歩行で首や尾が長いのが特徴のティタノサウルスの仲間とみられ、体長は20~30㍍と推定される。
1㍍超の足跡の化石は、世界でも報告例が少なく、非常に珍しいという。

藤原宮跡で旗竿の穴見つかる 律令制下の朝廷儀式で使用

藤原宮跡で旗竿の穴見つかる 律令制下の朝廷儀式で使用

奈良文化財研究所(奈文研)は9月28日、日本初の本格的な都とされる奈良県橿原市の藤原京(694~710年)の中枢部、藤原宮跡で、天皇が正月に臨んだ儀式などに使われた「幢幡(どうばん)」と呼ばれる特殊な旗竿(はたざお)を立てたとみられる7基の柱の穴が見つかったと発表した。
幢幡の数などが奈良時代の正史『続日本紀(しょくにほんぎ)』に記された大宝元(701)年の元日朝賀の記述と合致し、7世紀後半の、藤原不比等を中心に進められたといわれる律令国家形成期の歴史の一場面を、具体的に復元できる手掛かりになるとみられる。
奈文研によると、柱の穴は天皇が重要儀式の際に出御する大極殿院の南門のさらに南約11~21㍍で出土。深さ約80㌢~1㍍、柱の太さは約70㌢とみられる。宮殿の中軸線上に1基、その左右対称の位置に3基ずつ三角形に配置されていた。

国宝・金地螺鈿毛抜形太刀 異例の高純度の金を使用

国宝・金地螺鈿毛抜形太刀 異例の高純度の金を使用

春日大社(奈良市)は、平安時代の傑作として国宝に指定され春日大社に伝わる国宝の「金地螺鈿毛抜形太刀(きんじらでんけぬきがたたち)」の柄(つか)などの装飾金具の一部がきわめて純度の高い金でつくられていたことが分かったと発表した。
専門家によると、この時代の工芸品は銅や銀などにめっきする場合が多く、純度の高い、多量の金が使われるのは異例。金の使用量の多さから、強大な権力者による奉納品との見方が強まった。
太刀の長さは96.3㌢。分析依頼された奈良文化財研究所によるX線CTスキャンなどの調査から、柄や鍔(つば)、鞘(さや)の金具の一部が純金(24金)に近い22~23金とみられることが判明した。
10月1日に開館する春日大社国宝殿で展示する。10月31日まで。

CIESF カンボジアで9/28初の日本教育一貫校を開校

CIESF カンボジアで9/28初の日本教育一貫校を開校

公益財団法人CIESF(シーセフ、東京都渋谷区)、カンボジアにおける教育支援事業の一環として、日本の教育を主体に行う初のインターナショナルスクール「CIESF LEADERS ACADEMY(シーセフリーダーズアカデミー)」をこのほど建学、9月28日に開校式を行う。
同校は保育園・幼稚園および小学校・中学校の義務教育課程を履修できる一貫校で、カンボジア教育省の協力の下、NGO(非政府組織)として認可を受けているシーセフが運営を担う。
言語や文化など、幼児の段階から日本教育を主体に行い、将来的には日本の高校、大学への留学を促す。2016年度は保育園からスタートし、今後毎年1学年ずつ設立し、運営していく。授業料は無料(制服等は実費)。
CIESFはベトナム、カンボジア、ミャンマーにそれぞれオフィスを開設している。

江戸時代初期の様子記した文書 オランダで見つかる

江戸時代初期の様子記した文書 オランダで見つかる

徳川政権が確立する最後の戦となった「大坂の陣」(1614~15年)前後の、江戸時代初期の様子が記された文書がオランダ・ハーグの国立文書館で見つかった。同国ライデン大学と共同調査している国際日本文化研究センター(京都市)がこのほど発表した。
当時、東インド会社の拠点だった長崎の平戸オランダ商館のオランダ人関係者らが1609~1633年に作成した書簡524点や日記で、幕府高官や日本の商人から聞き取った情報などが記されている。
例えば、大坂夏の陣で大坂城が落城した直後の1615年6月11日付の報告には次のような記述がある。東インド会社の商務員ワウテルセンが平戸オランダ商館長に宛てたものだ。
「皇帝(徳川家康)、その息子(徳川秀忠)および全軍は、(豊臣)秀頼の(大坂)城を攻囲するために6月2日に大坂へ出発し同3日に到着した。(形勢不利と判断した)秀頼(軍)の数人の大名が赦免が得られると考え、皇帝側に寝返るため、城に火をつけたが、(事態が発覚し)彼らは逃げる前に秀頼(の指示)によって、その場で(城壁から)落とされて死んだ」とある。

二階幹事長、農業などで協力 ベトナム首脳と会談

二階幹事長、農業などで協力 ベトナム首脳と会談

自民党の二階俊博幹事長は9月9日、ベトナム・ハノイの共産党本部で最高指導者のグエン・フー・チョン書記長と会談し、農業や人材育成分野で協力関係を強化することを確認した。
二階氏はまた、グエン・スアン・フック首相との会談で、両国の交流を活発化することで一致。フック氏はベトナムへの投資拡大を要請した。
これに先立ち、二階氏は両国の共同プロジェクトとして設立した「日越大学」の開学式に出席し、「友好のシンボルでもある大学が立派に発展するよう支えたい」と語った。

南シナ海問題で日米と中国が対立 東アジアサミット

南シナ海問題で日米と中国が対立 東アジアサミット

東南アジア諸国連合(ASEAN)と日米中を含む18カ国の首脳が参加する東アジアサミットが9月8日、ラオスの首都ビエンチャンで開催された。
中国による軍事拠点化で緊張が続く南シナ海問題で対立する日米と中国を軸とする攻防が繰り広げられ、両者の隔たりは全く埋まらなかった。
オバマ米大統領は、南シナ海に関する中国の主権主張を退けた7月の仲裁裁判所判決には「法的拘束力がある」と述べ、中国に重ねて判決の受け入れを求めた。
安倍晋三首相は「東シナ海、南シナ海において、一方的な現状変更の試みが続いており、深刻に懸念している」と表明。仲裁判決に関しても「当事国がこの判断に従うことにより、南シナ海における紛争の平和的解決につながることを期待する」と述べ、中国の動きをけん制した。
このほか、同サミットでは複数の国が仲裁判決に直接言及し、ほぼすべての参加国が南シナ海問題を取り上げた。
一方、中国外務省によると、李克強首相は日米など域外国の介入を拒否する立場を強調、従来の姿勢を崩さなかった。

青年海外協力隊、マグサイサイ賞受賞 団体で日本初

青年海外協力隊、マグサイサイ賞受賞 団体で日本初

「アジアのノーベル賞」と呼ばれるマグサイサイ賞を、JICA(国際協力機構)のボランティア事業・青年海外協力隊が受賞した。
フィリピンの元大統領の功績を称えて創設されたマグサイサイ賞は、毎年アジア地域で社会貢献などに取り組む個人や団体に贈られ、日本は団体としての受賞は今回が初めて。
JICAによると、青年海外協力隊は今年6月末までに88カ国に延べ4万1,000人以上を派遣。現在もアジア18カ国でおよそ600人が活動中だ。