北スマトラで日本型消防団導入へ 地域防災の担い手に期待

北スマトラで日本型消防団導入へ 地域防災の担い手に期待
 インドネシアの北スマトラで、地域防災の担い手として、日本型の消防団を普及させようという動きが始まっている。2004年のスマトラ島沖地震・津波を契機に近年、インドネシア政府も地方の防災能力強化を優先課題に掲げており、自然災害多発国として、同様の地学的環境にある日本で発達した消防団のしくみを参考に、住民による地域の防災力強化を目指す試みだ。
 じゃかるた新聞によると、北スマトラ州では地元選出のパルリンドゥンガン・プルバ地方代表議会(DPD)議員らが中心に、団員の受け入れ窓口になる「消防団フォーラム」を設立。3月19日、メダン市で行われた消防団の結団式も兼ねた「日イ共同消防・防水国際セミナー」には消防団のリーダーになる」約20人が参加し、両国の専門家から消防団のしくみについての講義を受けた。フォーラムは今後、各地域で本格的に団員募集を開始する。地元自治体も団員への報酬など予算措置を検討しているという。
 今回の日本型消防団の導入のきっかけは、プルバ氏ら国の代表が昨年3月、国際協力機構(JICA)を通じた研修で岩手県大槌町など東日本大震災の被災地を視察した際、避難の呼びかけや救助、捜索などで消防団の果たした役割を見聞きしたことだったという。