平城宮跡で「太政官」建物跡? 東方官衙地区で初めて見つかる

奈良県文化財研究所の調査によると、奈良市の平城宮跡で奈良時代の国政を担った中心的な役所「太政官(だいじょうかん)」とみられる大規模な建物跡が初めて見つかった。今回見つかったのは平城宮跡の「東方官衙(とうほうかんが)」と呼ばれる役所が集まった地区で、土を固めた建物の土台「基壇」が見つかった。基壇の大きさは東西およそ29m、南北およそ17m、高さがおよそ1.2mあったとみられ、平城宮跡で見つかった役所の中では最も規模が大きいという。基壇の南北ではそれぞれ3カ所で階段の跡が見つかったほか、周辺には小石が一面に敷き詰められていて、格式の高い大規模な建物が建てられていたと同研究所ではみている。さらに天皇が政務や儀式を行った大極殿の近くにあることから、国政を担った中心的な役所、太政官の建物跡と判断している。同研究所では、当時の律令国家を考えるうえで貴重な資料だとしている。